阪神牝馬S
レース展望

ヴィクトリアMの前哨戦として06年に4月に移動し、距離が1400mに変更された。過去4年で1番人気は[1−1−1−1]で2連対。重賞好走実績がなかった昨年のポルトフィーノ以外は3着以内を確保している。2番人気は[0−1−0−3]で1連対、3番人気は[0−2−0−2]で2連対。連対馬8頭のうち7頭が5番人気以内。昨年7番人気で勝ったジョリーダンスは07年の勝ち馬だった。過去4年の馬連は2倍、29倍、13倍、64倍。距離変更後はヴィクトリアMを目指す実力馬が揃い、荒れても中穴までに収まっている。

芝1400mは適性の差が出やすい距離。連対馬8頭のうち6頭に芝1400mで勝ち星、残る2頭のうち1頭に芝1400mの重賞で3着があった。芝1400mで実績のある馬を重視したい。過去4年は先行−差し、差し−追込、逃げ−差し、追込−差しで決着。連対馬8頭のうち7頭の上がり3Fがメンバー3位以内だった。芝1400mではスピードと最後にひと伸びする底力が問われる。年齢別では4歳[7−3−3−40]、5歳[1−4−3−38]、6歳[1−1−0−9]、7歳以上[1−0−1−5]で4歳馬の活躍が目立つ。

ラドラーダはこれまで8戦して[4−4−0−0]で連対率100%。現在500万、1000、1600万条件を3連勝中。前走のユートピアSは中団からメンバー最速の33.0秒で楽々と差し切った。2着は2走後の京都牝馬Sを勝ったヒカルアマランサス。今回が重賞初挑戦になるが、通用する下地はある。芝1400mは[1−1−0−0]で距離はこなせる。母はディープインパクトの半姉でデビューから5連勝したレディブロンド。相馬眼的にヴィクトリアMに出走できれば面白そうな馬。ラドラーダとは「黄金の女性」という意味。

ワンカラットは長い距離で不振が続いたが、前走阪急杯で牡馬相手に2着に入った。最終調教の動きが良くなり、パドックでも馬体が引き締まり復調気配があった。阪急杯組はビービーガルダン、エーシンフォワード、サンカルロが次走高松宮記念で2、3、4着。そのあたりから見ても牝馬同士なら当然有力。芝1400mは[1−2−0−1]でフィリーズS1着、阪急杯2着の実績から阪神芝1400mにピンポイントの適性がある。阪急杯では最後に頭が高くなって止まりかけた。レースのラスト2Fは11.5−12.4秒。課題はそこ。

ブロードストリートは昨年のローズSでレッドディザイアを完封し、秋華賞では不利がありながら3位入線。4歳牝馬トップ2の次のグループにいる。前走の六甲Sは8着に終わったが、休み明け、牡馬相手、57キロなら仕方ない。今回は他馬より1キロ重い56キロと距離1400mが課題。ヴィクトリアMに向けて目処を立てられるか。ヒカルアマランサスは格上挑戦した京都牝馬Sで豪快な直線一気を決めた。この中間は微熱が出て中山牝馬Sを使わなかったが、どこまで仕上がってくるか。陣営は次を見越して内田博騎手を乗せている。

前走六甲S3着のプロヴィナージュ、オーロCの勝ち馬アイアムカミノマゴ、京都牝馬S2着のベストロケーション、距離短縮で新味を出しつつあるデリキットピース、芝1400m巧者ストリートスタイルあたりが人気になりそう。プロヴィナージュは栗東留学して最終調教は坂路で1番時計をマークし元気一杯。アイアムカミノマゴはオーロCが鮮やかな勝ち方だった。休み明けのため、仕上がり具合に注目。カノヤザクラは重賞3勝の実力馬で昨年のスプリンターズS3着。芝1400mは[2−0−0−2]でかえで賞をレコード勝ちしている。サマースプリントシリーズを連覇した夏女だが、今年は少し早く高松宮記念で復帰した。その真意は何か。

[Home]