フィリーズレビュー
レース回顧

サウンドバリアーは後方を控えて直線で外に持ち出すとメンバー3位の34.8秒で上がり、最後はラナンキュラスとの競り合いをハナ差で制した。ラブミーチャンが逃げて前半3F35.0秒、5F58.9秒の平均的な流れになったが、緩急があったぶん前に行った馬には厳しい展開だった。京都芝1600mの未勝利戦で大外一気を決めた馬。前走のエルフィンSは前残りの展開でしかも直線で前が詰る不利があった。芝1400mは1分21秒6で2、3着。人気はなかったが、激走の下地は十分にあった。芦毛でパドックで派手に見せるタイプではないが、今回は馬体が絞れて全体的にスッキリとしていた。桜花賞の権利を獲るために仕上げたのだろう。渡辺騎手は約4年ぶりの重賞制覇。阪神&京都のダート戦でよく穴をあけている。次走は桜花賞になるが、フィリーズRは勝ちタイム、ラップからレースレベルは高くない。外差し馬場で展開が嵌ればといったイメージ。

ラナンキュラスは外枠スタートから中団の少し前を進み、外から早めに動いて直線で抜け出したが、最後にサウンドバリアーに交わされてハナ差の惜しい2着。四位騎手が逃げたラブミーチャンを意識して早めに動いて勝ちに行ったことが、最後に少し応えた印象。器用な馬でコーナーで上がって行く機動力があるため、内回りの芝1400mは合うタイプ。レースのレベルは低いが、休み明けということもあるか。馬体が6キロ増えていたが、大きな成長はなかった。アパパネとの差が詰ったかどうかは微妙なところ。

レディアルバローザは内ラチ沿いの3番手を進み、直線で内から伸びて3着。直線で追い出しを待たされるロスがあったが、内枠スタートから内をロスなく回ってきたことが有利に働いた印象。派手さはないが、使いながら着実にパフォーマンスを引き上げている。池江郎厩舎は今年が最後のクラシック挑戦。最後の最後に桜花賞の出走権を確保した。本番では外差し馬場にならない方がいい。

ロジフェローズは出遅れて後方を進み、直線で馬群を捌いて伸びてきたが4着同着。上がり3Fはメバー最速の34.7秒。横山典騎手が折り合いに専念して切れる脚を引き出したが、あと一歩届かなかった。今後は桜花賞に登録するが、今年は賞金の高い馬が多いため、2勝馬でも出走は厳しい状況。大きな頭差となった。

ニシノモレッタは中団の少し前からしぶとく伸びて4着同着。上位5頭はタイム差なしの接戦だったが、ニシノモレッタは最後のひと伸びがなかった。休み明けでも仕上がりは良かっただけに上位とは少し力の差がありそう。それほど切れる脚がないため、もっと速い流れで上がりが掛かった方が力を発揮できるタイプ。

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