京成杯
レース回顧

エイシンフラッシュは3番手からメンバー最速の34.9秒でまとめて逃げたアドマイヤテンクウを差してレースを制した。前半5Fが63.2秒の超スローペースでラスト3Fを12.4−11.4−11.4秒。アドマイヤテンクウとはハナ差だったが、大外枠から終始外を回ってきたことを考えると上々の内容。高速ラップを差し切ったことは評価できる。パドックでは馬体の張り、毛づやが目立ち、いかにも調子が良さそうだった。スローペースのため、レースのレベルは高くないが、使いながら着実にレースぶりが良くなっている。この時期に賞金を加算できたのは大きい。今後はもう一回使って皐月賞に向かう予定。ローズキングダム、ヴィクトワールピサにどこまで迫れるか楽しみだ。横山典騎手は今年13勝で連対率45.5%と絶好調。ドバイワールドCに出走予定のブエナビスタでホクトベガの無念を晴らしてもらいたい。

アドマイヤテンクウは前半5F63.2秒の超スローペースで逃げて最後までしぶとく伸びて2着。直線でエイシンフラッシュに交わされたが、しぶとく食い下がってハナ差まで迫った。ズブい馬でこれまでのように後方からの競馬では、中山では届かない懸念があっただけにスタートを決めて逃げた安藤勝騎手の好騎乗。前残りの展開だったが、ラスト2Fを11.4−11.4秒でまとめたことは今後に繋がりそうだ。大型馬でズブく映るが、調教でも実戦でも少しずつズブさは解消されてきている。母エルダンジュは途中からダートを使ったが、アドマイヤテンクウもその懸念がない訳ではない。今後に向けてどこまで鋭さが出てくるかがカギ。

レッドスパークルは出遅れて後方を進み、直線で内から馬群を捌いてメンバー2位の35.0秒で伸びて3着を確保。前の2頭には0.4秒差をつけられたが、前残りの展開で出遅れは致命的。長距離輸送をしたのにも関わらず馬体が14キロ増えていたし、パドックではテンションが高く煩くなっていた。未勝利戦でエイシンフラッシュに迫った内容から今回の着差ほど能力差はないが、現時点ではエイシンフラッシュの方がレースが上手く、完成度も高い。能力はあるので、精神面が成長して出遅れ癖を払拭できれば。

フラガラッハは中団から早めに上がってきたが4着が精一杯。新馬戦のように直線でガツンと伸びなかったのは、外枠スタートから終始外を回ってきたことが響いているのだろう。距離と直線の急坂の影響もあるか。松永幹厩舎の管理馬らしい馬体の造りで能力はありそう。今後は適性を見極めながらまずは500万条件で着実に賞金を加算していきたいところ。次に陣営がどこを使うのか注目したい。

トーセンマリーンは外枠から出遅れて終始外を回り、3、4コーナーで一瞬見せ場を作ったが、直線で伸び切れず11着。超スローペースで出遅れて外を回って追い上げる展開ではさすがに厳しかった。木幡騎手は「背中のいい馬でキャリアを積めば良くなりそう。この馬は走ってくるよ」とコメント。パドックでも走ってきそうな雰囲気があった。この着順なら次走も人気になることはない。穴で狙ってみたい。

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