天皇賞(秋)
相馬眼予想

東京は晴れ、芝ダートとも良馬場。東京は開催最終週で今週からBコースに変更された。仮柵で内側の荒れた部分がカバーされたことで土曜は内を通った馬が好走するケースが目立った。9Rと12Rの芝1400mはどちらも流れが緩んで内ラチ沿いを逃げた馬が33.5秒、33.8秒で上がって逃げ切り勝ち。芝1600mの紅葉S(1600万条件)は最内からメンバー最速の33.5秒で追い込んだムラマサノヨートーが差し切り勝ち。2着は内から捌いてきたマイネルエルフ。外から差したレッドシューターは3着に終わった。

土曜は馬場の内側が良かったこともあり、内を通った馬が好走したが、7Rの芝2000mは前半5F63.4秒のスローペースになったにも関わらず、後方からメンバー最速の33.2秒で上がったイケドラゴンが大外一気を決めている。東京は春も短い距離では内を通った馬が有利で2000mを超えると外差しを決まるというパターンがあったが、今週と同じA→Bコースに変更された週だった。土曜の傾向から内を通った馬が有利で外差しは決まりにくいように見えるが、天皇賞(秋)は2000m。外差しが決まる可能性がないとはいえない。

次に展開だが、逃げるのはコスモバルク、エイシンデピュティ。枠順の差でコスモバルクがハナを切り、エイシンデピュティが2番手か。好位にアサクサキングス、マツリダゴッホ、キャプテントゥーレ、スクリーンヒーロー、アドマイヤフジ、ウオッカが続き、中団にサクラメガワンダー、カニパニー、後方からエアシェイディ、ドリームジャーニーといった展開。コスモバルクとエイシンデピュティがハナを主張しなければ、マツリダゴッホが逃げる可能性もある。確たる逃げ馬はいないが、今回は先行タイプの馬がかなり揃っている。

断然人気のウオッカはスローペースで切れ負け、昨年のような展開になったときに叩き合いで負けるケースが考えられるが、今回前に行く馬たちはどう考えて乗るのだろう。前に行くからには自分が残りたいと考えるのが自然で誰かのアシストをするのでなければ、流れを速くはしたくはない。先行タイプが揃っているため、05年のような超スローにはならないが、前半5F60秒前後のゆったりとした流れになるのではないか。ただし確たる逃げ馬がいないときは流れが速くなることもある。場合によっては前半5F59秒もあるか。

展開は水もので各馬の出方によって大きく変わる。ただし流れが緩むと後半4Fのラップはかなり速くなり、相当なスピードの持続力が問われる。G1では単純に展開に恵まれただけでは好走できない。G1で通用する能力があることが最低条件。昨年の天皇賞(秋)は前年の天皇賞(春)から同年の宝塚記念までの古馬混合G1を勝った馬はウオッカしかおらず、しかもステップレースの勝ち馬は、オールカマーのマツリダゴッホ、毎日王冠のスーパーホーネット、京都大賞典のトーホウアランと全て出走がなかった。

今年は同時期の古馬混合G1を勝った馬はウオッカ(安田記念2勝、天皇賞(秋))、エイシンデピュティ(宝塚記念)、スクリーンヒーロー(ジャパンC)、ドリームジャーニー(宝塚記念)と4頭おり、さらにステップレースの勝ち馬はオールカマーのマツリダゴッホ、毎日王冠のカンパニー、京都大賞典のオウケンブルースリと全て出走してきた。昨年よりメンバーは揃っている。これだけメンバーが揃うと他馬より秀でたところがないと直線での叩き合いで前に出れない。その秀でたものが今回の条件に合うのかがポイントになる。

ウオッカはスローペースで切れ負け、消耗戦で叩き合いに負ける可能性があるが、スローペースでも折り合いがつけば切れる脚を使えるし、速い流れでも武豊騎手がそれを察知して差す競馬をすれば対応できる。死角はあるが、好走できる展開の幅は他馬より大きい。目標は次のジャパンCの可能性が高いが、ここで無様なレースをしているようではジャパンCでは通用しない。昨年のヴィクトリアMから昨年の天皇賞(秋)を除き、全てひと桁馬番に入っているようにまだJRAの保護状態は続いている。4枠7番は好枠。折り合えば天皇賞連覇もある。

緩い流れでウオッカを逆転するとすれば、スクリーンヒーローとカンパニー。スクリーンヒーローは昨年のジャパンCの勝ち馬で実際にスローの上がり勝負でウオッカとディープスカイを完封している。ラスト5Fの持続力勝負になると内からしぶとさを発揮しそう。ウオッカに一気に交わされず叩き合いに持ち込めば、持ち前の勝負根性で簡単には抜かせないはずだ。逆にウオッカが折り合って一瞬で交わされると厳しくなる。流れが速くなったときは、内で少しタメて持続力を生かす競馬。緩い流れの方が好走する可能性が高い。

カンパニーは毎日王冠でウオッカを差し切った。昨年の天皇賞(秋)では0.9秒、毎日王冠では0.8秒、ウオッカの上がりを上回った。流れが緩ければある程度前に行き、流れが速ければ控えて直線勝負。自分のペースで行ければ切れる脚を使える馬でスローで出遅れ、ハイペースで先行など展開にマッチしない位置取りにならなければ最後に伸びてくるはずだ。ただしベストは1800mで2000mは1F長い。最後にひと伸びしてG1を勝てるかどうかは横山典騎手が完璧な騎乗をするかとカンパニーの根性と次第。

本命ウオッカ、対抗スクリーンヒーロー、準対抗カンパニー、押さえオウケンブルースリ、シンゲン、エアシェイディ。内枠に入ったスクリーンヒーロー、カンパニーの一発を狙ってみたい。北村宏騎手と横山典騎手は超スローになった05年の天皇賞(秋)で3着以内に入っている。

◎ウオッカ
○スクリーンヒーロー
▲カンパニー
△オウケンブルースリ
注シンゲン
☆エアシェイディ

<レース結果>
1着カンパニー
2着スクリーンヒーロー
3着ウオッカ
馬連16,490円的中!
3連複9,970円的中!
3連単102,110円的中!

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