スワンS
レース展望

マイルCSの前哨戦。過去10年で1番人気は[1−1−1−7]で2連対。前走スプリンターズS出走馬[0−0−0−4]、3歳馬[0−0−1−3]、武豊騎乗馬[0−0−0−3]で連対なく不振。2番人気は[2−2−0−6]で4連対、3番人気は[1−1−2−6]で2連対。10年のうち7年で8番人気以下の人気薄が連対しており、馬連は50倍以上が3回、万馬券が4回とかなり荒れている。最近5年は110倍、80倍、356倍、120倍、35倍と大荒れ。人気馬同士で決着することは稀。本命狙いは妙味がない。

年齢別では3歳[2−0−2−34]、4歳[4−6−2−15]、5歳[2−3−4−37]、6歳[1−0−1−27]、7歳[1−1−1−13]、8歳以上[0−0−0−8]。4歳馬が10連対で半数を占め、連対率37%、複勝率44.4%と高確率。ただし今年の4歳馬は世代レベルが高いとは言えない。連対馬20頭のうち16頭に重賞勝ち、残る4頭には重賞連対があった。前走1600万条件を勝った馬は[0−0−2−5]で3着が2回ある。重賞で連対のない馬は不振だが、メンバー次第で連対があっても不思議ない。

どの馬が1番人気になるかすら分からない混戦メンバー。1番人気の単勝は5倍を超えそうだ。芝1400mの重賞で勝ち星がある馬は古い順にタマモホットプレイ(スワンS)、マイネルレーニア(京王杯2歳S、スワンS)、ジョリーダンス(阪神牝馬S2勝)、マルカフェニックス(阪神カップ)、スズカコーズウェイ(京王杯SC)の5頭。タマモホットプレイは室町Sからの連闘になるが、6走前の京王杯SCでは0.2秒差の4着に善戦している。マイネルレーニアは昨年の勝ち馬。前2走は見せ場なく惨敗。どこまで変わるか。

ジョリーダンスは昨年の3着馬。芝1400m重賞で休み明けでなければ[2−1−1−1]と堅実。8歳牝馬だが、昨年くらい走れれば。堀厩舎はキンシャサノキセキと2頭出し。マルカフェニックスはムラな面があるが、芝1400mは[1−0−2−1]で不利のあった阪急杯以外は3着以内を確保。スプリンターズSは8着も勝ち馬とは0.3秒差でそれほど負けていない。スズカコーズウェイは春に朱雀Sと京王杯SCを連勝し本格化。京都芝1400mは[1−1−1−1]。セントウルSをひと叩きされたステップが少し匂う。

京都芝1400mをレベルの高い走りで勝ったことがある馬は、キンシャサノキセキとトレノジュビリー。キンシャサノキセキは桂川Sを好位からメンバー2位の32.9秒で突き抜けて3馬身差で圧勝。今年は2桁着順が続くが、G1で2着が2回ある実力馬。スミヨン騎手で折り合えば。トレノジュビリーは宝ケ池特別を好位からメンバー最速の33.4秒で突き抜けて4馬身差で圧勝。最近は善戦止まりが続いているが、宝ケ池特別とテレビ愛知オープン勝ちが示す通り、直線が平坦で軽い馬場が合うタイプ。負け続けても岩田騎手は手放さない。

前述した馬以外で芝1400m巧者は[2−1−4−0]のエイシンタイガー、[2−4−0−4]のトウショウカレッジ。エイシンタイガーは芝1200〜1400mでは[3−3−5−0]でまだ崩れたことがない。葵Sでは好位から抜け出して1分20秒4でレディルージュを完封している。まだ鞍上が未定というのは少し気になるが・・・。トウショウカレッジは京王杯SCでスズカコーズウェイにクビ差の2着。中団から勝ちに行って33.5秒でまとめたように今は終い一辺倒ではない。休み明けで乗り込みが少ないため仕上がりが鍵。

あとは米子SとポートアイランドSを勝ったクラウンプリンセス、休み明け不振も昨年のマイルCS3着が光るファイングレイン、京王杯2歳Sでエイシンタイガーに先着したフィフスペトル、07年のスワンS3着のドラゴンウェルズあたり。前走1600万条件を勝ってきた上がり馬は、ショウナンカザンとグラスキング。ショウナンカザンは芝を使ってから[3−3−1−0]で3着以内をキープ。父ショウナンカンプはスワンS、母の父ダイナマイトダディは京王杯2歳Sの勝ち馬。芝1400mでパフォーマンスを引き上げられれば。

グラスキングはデビューから6戦はダート短距離を使われたが、夏の札幌で芝を使うと一戦ごとにパフォーマンスを引き上げ、2連勝でオープン入り。前走の白秋Sは好位から33.4秒でまとめる隙のない内容。勝ちタイム1分20秒6は雲雀Sのドラゴンファング、京王杯SCのスズカコーズウェイと同じ今年の最速タイム。ドラゴンファングは次走阪急杯で3着に好走している。現時点では除外対象(1頭回避すれば出走可能)だが、水曜に坂路で追い切り、鞍上に武豊騎手を確保している。陣営の並々ならず勝負気配を感じさせる。

グラスキングと同様にダートを使われ、北海道の芝で一変した馬というと今年10月13日に老衰で死亡したメジロティターンがいる。デビューからダートを8戦し、函館で芝を使うと800万下→HTB賞→セントライト記念を3連勝。翌年には天皇賞(秋)を制した。鞍上は伊藤正徳騎手(現調教師、天皇賞(秋)にエアシェイディ出走)。メジロティターンを管理していたのは、グラスキングを管理する尾形充弘調教師の父の父・尾形藤吉調教師と父・尾形盛次調教師(1982年〜)。グラスキングは前走パドックで本格化気配があった。

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