秋華賞
有力馬診断

[8+]レッドディザイア(1位評価)
ローズSはブロードストリートに負けたが、大外を回ってメンバー最速の34.0秒で上がったように力は見せた。最終調教を少し軽くして当日は馬体10キロ増。本番に向けて少し余裕を残していたこともある。今回は1週前にウッドコースで追い、最終調教は坂路で一杯に追って攻めてきた。調教後の馬体重は前走から4キロ減。ここまでは陣営の思惑通りに仕上がっている。秋を迎えての馬体の成長、今回の仕上がりに関してはブエナビスタを上回る。ブエナビスタに勝つ可能性が高まっているのは確かだが、レッドディザイア自身、直線の短いコースは今回が初めて。四位騎手は勝つための乗り方をするとコメントしており、内から馬群を捌くレースをしそうだが、京都内回りはごちゃつきやすい。エルフィンSでは馬群を捌いてきたが、外回りコースで馬群がバラけていた。逆に馬群に入れられず、外を捲くった場合、これまでそういうレースをしたことがないため、最後までいい脚が持続するかどうか。オークスのようにある程度ロスなく立ち回って直線でスパッと抜け出してくれば、勝つ可能性が高まるが、そのレースができなかった場合はピンチになる可能性もある。桜花賞とローズSでは直線ですぐに手前を替えて逆手前で走っていたが、京都の新馬戦とエルフィンSでは最後に手前を戻してひと伸びしていた。直線が平坦なコースの方が走りやすそう。最後にブエナビスタと叩き合いになったとき逆手前だと差される。人馬が慌てずに手前を戻してひと伸びしたとき、勝利を掴むのではないか。

[8+]ブエナビスタ(2位評価)
桜花賞の前にディープインパクトと同じような雰囲気を漂わせていた馬。春から馬体は大きく成長していないが、ディープインパクトがそうだったように小柄だからこそ切れる脚を使えるということもある。右前脚の蟻洞で一頓挫あり、今回はオークスのときのように攻めていないが、春の時点で絶対能力が抜けていた馬。それなりに仕上がれば、絶好調のレッドディザイアが相手でもやれるのではないか。阪神外回りの芝1600mは3戦3勝と得意にしているが、京都の内回りでも未勝利戦を持ったままで楽勝している。インパクトのある勝ち方だったが、京都芝1800mの新馬戦で安藤勝騎手が追ってスピードに乗ってからガツンと伸びた姿も凄いものがあった。坂のある阪神でも切れる脚を使えるが、直線が平坦な京都ならもっと切れる脚を使える。内枠に入ったため、馬自身が行く気を見せなければ、後方に控え大外から捲くって追い込むレースになりそう。今回もブエナビスタのスタイルを貫くのだろう。小回りの芝2000mの札幌記念で大外を捲くって直線でひと伸びしたことで安藤勝騎手は外を回っても勝てると自信を掴んだのではないか。小細工するレッドディザイアと小細工しないブエナビスタ。勝負事では概して後者に軍配が上がることが多い。追い込み馬がこれだけ堅実な成績を挙げられるのは、末脚の威力もあるが、賢い馬で馬自身が競馬をよく知っているため。馬体細化、いつもと違うテンションなどの異常な変化がなければ、ブエナビスタらしい末脚を見せてくれるはずだ。

[7+]ブロードストリート(3位評価)
ローズSをレコードで走った反動が気になったが、最終調教を見る限り、反動どころか馬体に丸みが出て調子を上げている。まだ馬体に成長の余地はあるが、今の時点での力を発揮できる状態に仕上がっている。スイートピーSでもローズSでも直線で追い出すと一瞬のうちに抜け出してきた。この推進力のある走りは走る馬独特のもの。馬体のしなりと脚捌きの鋭さに注目して相馬眼ニュースに取り上げた馬が予想通り化けてきた。現時点では芝1800mの方が合っているかもしれないが、忘れな草賞で馬場の荒れた内を通って2着まで追い上げたように芝2000mをこなす下地はある。自在性があり、馬込みで進められるため、直線入り口まで手応え良く進めて直線でスパッと抜け出したい。レッドディザイアがスムーズさを欠いたり、縦長の展開でブエナビスタが物理的に届かない位置取りになると勝つ可能性が高まる。末脚の威力はブエナビスタ、レッドディザイアの方が上。2頭の末脚を完封するためには上手く立ち回ることが条件。

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