毎日王冠
レース展望

過去10年で1番人気は[2−1−1−6]で3連対のみだが、古馬混合G1で連対があれば[2−1−1−1]で複勝率80%。今年1番人気になるウオッカは古馬混合G1で4勝を挙げている。2番人気は[2−1−1−6]、3番人気は[1−2−2−5]で各3連対。連対馬20頭のうち16頭が5番人気以内。10番人気以下の連対はない。最近6年の馬連は56倍、9倍、97倍、15倍、146倍、8倍で隔年で荒れている。連対馬20頭のうち14頭が2ヶ月以上の休み明け。実績馬は休み明けで結果を出しているが、天皇賞(秋)の前哨戦のため仕上がり面に注意したい。連対馬20頭のうち12頭が4コーナー5番手以内につけていた。開幕週で前に行った馬が残りやすいため、ある程度前に行ける馬を重視したい。穴で休み明けと前走着順が嫌われて人気が落ちた春のGTから直行した馬に注意。

ウオッカは牝馬初の10億円ホース。G1をもう1勝するとシンボリルドルフ、ディープインパクトの7勝に並ぶ。今秋の天皇賞(秋)とジャパンCでG1最多勝利記録を塗り替える可能性がある。ヴィクトリアMは直線で馬なりのまま抜け出し、2着に7馬身差で圧勝。一頭だけ次元の違う競馬だった。安田記念は直線で前が壁になって武豊騎手いわく「おじさんの満員電車に乗り、降りたくても降りられない状態」になったが、ラスト100mで馬群を割って追い出すとディープスカイを並ぶ間もなく差し切った。これまで33秒台〜34秒台前半の上がりで勝ってきた馬がハイペースの消耗戦で上がり3F35.7秒で勝ったのだから強い。切れと底力を秘めたスーパーホース。東京芝1600mでは雨が降らない限り、死角はほとんどない。

昨年の毎日王冠は逃げてラスト5Fを56.9秒の高速ラップでまとめたが、スーパーホーネットに差されて頭差の2着。武豊騎手は鞭を使って目一杯に追っておらず、本番に向けて少し余裕を持たせていた。それが天皇賞(秋)の勝利に繋がった感もある。角居厩舎はG1を勝つことを最大目標にしている厩舎。これまでG2では[4−7−7−50]で勝率5.9%、連対率16.2%、単勝回収率21%、1番人気[2−3−2−6]で勝率15.4%に対し、G1では[14−6−9−38]で勝率20.9%、連対率29.9%、単勝回収率180%、1番人気[6−3−2−3]で勝率42.9%。今回はG2だが、メンバーに古馬混合G1で連対経験のある馬はいない。今年も57キロを背負うが、レースはヴィクトリアMのようなイメージか。

ヤマニンキングリーは現在6戦連続連対中。父アグネスデジタル譲りのスジ力があると相馬眼的に注目してきた馬が本格化してきた。前走の札幌記念はブエナビスタと通ったコースが違うが、自在に立ち回れるからこその勝利。馬体が大きく減っていたが、今は戻っているようだ。芝1800mは[3−1−1−3]で重賞では小倉大賞典2着、きさらぎ賞3着がある。58キロは楽ではないが、また強い牝馬を相手にアッと言わせるか。スマイルジャックは京王杯SC、安田記念と不利が続いたが、関屋記念ではメンバー最速の32.5秒で差し切り勝ち。不利を受けたり、掛かって自滅することが多いが、あらためて能力を証明した。切れる脚を使って勝ったことは今後に繋がる。芝1800mは[1−1−2−0]。開幕週の馬場で三浦皇騎手がどう乗るか。

カンパニーはG2[4−2−0−5]のG2キラー。G1では昨年秋から4戦連続4着が続いている。東京芝は[0−0−1−9]だが、一昨年の天皇賞(秋)で3着、昨年の天皇賞(秋)ではタイム差なしの4着がある。毎日王冠は05年7着、06年5着、昨年5着と結果が出ていないが、昨年は馬体が16キロ減ってガレていた。開幕週の前が止まりにくい馬場で横山典騎手がひと工夫してくるか。サンライズマックスは前走天皇賞(春)4着。1枠1番スタートから内ラチ沿いをロスなく回ってきたことが功を奏したが、初の長丁場でこの4着は立派。芝1800m[2−0−1−1]でエプソムCではヒカルオオゾラを差し切り、小倉大賞典ではヤマニンキングリーを完封している。昨年の毎日王冠は見せ場なく14着。気性的に休み明けが鍵になる。

アドマイヤフジは中山金杯を連覇したが、その後は尻つぼみ。寒い時期に走るタイプだけに仕方ない。母がステイヤーズS2着のアドマイヤラピスで長丁場を使われたこともあったが、中距離が合うタイプ。芝1800mでは[0−0−4−0]で全て重賞で3着。昨年の毎日王冠は3番手からしぶとく粘って10番人気で穴をあけた。前に行くと切れないが、後ろからでは届かない。川田騎手が流れに合った位置で進められれば。ナムラクレセントは夏に復帰して条件戦を連勝。阿賀野川特別は58.5キロを背負い、逃げて5馬身差で圧勝。西宮Sは中団から鋭く伸びて1分44秒8の好タイムでスマートギアを完封した。菊花賞3着の実力馬。重馬場の阪神大賞典で激走した反動が癒えて完全に復調した。前2走の走りから東京芝1800mは合うかもしれない。

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