オールカマー
レース展望

過去10年で1番人気は[4−0−1−5]で4連対。古馬混合G2勝ちのある4、5歳馬なら[4−0−0−0]で勝率100%。それ以外は連対なく不振。2番人気は[2−3−0−5]で5連対、3番人気は[1−3−1−5]で4連対。連対馬20頭のうち17頭が4番人気以内。人気馬が堅実なため、馬連は9回が10倍台までに収まっている。連対馬20頭のうち18頭に重賞で連対があり、残る2頭にはG3で3着があった。G2でレベルが高く、重賞実績のない馬では通用しない。時期的に夏競馬の延長戦で夏場の重賞で好走した馬の活躍が目立つ。中山芝2200mは適性の問われるコース。セントライト記念やAJCCなど中山芝2200m重賞で好走実績のある馬に要注意。

ドリームジャーニーは宝塚記念の勝ち馬。メンバー最速の34.3秒の末脚でディープスカイを並ぶ間もなく差し切った。2歳時に朝日杯FSを勝った馬だが、5歳になってから着実にパフォーマンスを引き上げており、完全に本格化している。中山は[2−1−1−3]で阪神の次に実績のあるコース。今回は休み明けで59キロと条件は楽ではないが、過去10年のオールカマーで59キロを背負った馬はコスモバルク2着、マツリダゴッホ1着と連対を確保している。420キロ台の小柄な馬だが、58キロで宝塚記念を勝ったように斤量はこなしている。これまで9月は崩れたことがなく[4−0−0−0]で重賞2勝。天皇賞(秋)、暮れの香港国際競走に向けて好発進を期待したい。

シンゲンは白富士S、新潟大賞典、エプソムCを3連勝。これまでそれほど切れる脚を使えなかった馬が3戦とも上がり3Fメンバー最速。4歳春に相馬眼ニュースで取り上げた馬が折り合って切れる脚を使えるようになり本格化した。新潟大賞典とエプソムCはどちらも過去5年で最高レベルのパフォーマンス。その点でG2でも通用する下地は十分にある。ただし左回りは[7−0−0−3]に対し、右回りは[1−1−0−2]で実績のない中山に少し不安がある。[5−1−0−1]と相性のいい藤田騎手がどう乗りこなすかがポイント。エプソムCのパドックではイレ込んで発汗していたようにまだイレ込みは解消されていない。パドックではイレ込みの度合いをチェックしたい。

マツリダゴッホは大阪杯7着、金鯱賞を鼻出血で取り消し、札幌記念は9着と今年はまだ好走がない。中山は[7−1−1−2]の巧者で重賞5勝。中山芝2200mは[3−0−0−1]で落馬したセントライト記念以外は勝っており、今年はオールカマー3連覇が懸かる。今年は昨年より1キロ軽い58キロ。得意コース、叩き2戦目でどこまで変わってくるか。鞍上は前走に続き横山典騎手。エイシンデピュティは昨年の宝塚記念の勝ち馬。今回は脚部不安明けで宝塚記念以来のレースで中山も初めてと条件はかなり厳しいが、プールと坂路で入念に調整されている。緩い馬場が得意なフレンチデピュティ産駒で芝の稍重、重馬場では[3−0−1−1]だが、今のところ週末は晴れ予報。

マイネルチャールズは中山[3−2−1−0]の巧者。中山芝2200mではセントライト記念2着がある。前走の函館記念は1番人気で12着に終わったが、休み明けだったし、北海道の洋芝が合わないこともあるのだろう。得意の中山で真価が問われるレースになる。ダンスアジョイは小倉記念の勝ち馬。前走の新潟記念は内から伸び切れず0.2秒差の7着。左回りの直線の長いコースに実績があるが、小回りの小倉記念を勝ったようにこういうタイプは意外に小回りの方が向く馬が多い。松永幹厩舎の管理馬らしい馬体の造りで8歳馬でも今が充実期。初の中山で新味を出すか。鞍上は中山巧者の蛯名騎手。人気馬同士で決着することが多いレースだが、今年は全く人気がないあの馬にも注目している。

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