セントウルS
レース回顧

アルティマトゥーレは大外枠からジワッと押し上げて道中は3番手。直線でコスモベルを交わして先頭に立つと後続を引き離して2馬身半差でレースを制した。前半1Fが12.2秒と遅く、前半3F33.8秒で前残りの展開。内隣のコスモベルが押して前に行ったため、楽に好位置を取れたこと、重賞としては緩い流れに恵まれた感もあるが、パドック診断で「馬体のバランスが良くなり本格化気配」と書いたように馬体、気配が一変していた点は見逃せない。これで芝1200m[4-1-0-0]で現在4連勝中。半兄キャプテントゥーレは土曜の朝日CCを制したが、この一族は独特のしぶとさがある。次走はスプリンターズSでG1獲りを目指す。これまで最も速い前半3Fは33.8秒。ハイペースで揉まれる競馬になったときに課題がある。中2週でのレースのため、まずはいい状態をキープできるかが鍵。土日の3重賞は全て社台系馬主の馬が1着。春は社台のサンデーRの馬が大活躍だったが、この秋も社台系の馬に要注意。キャプテントゥーレ、ザレマにしてもJRAが好枠に入れている感がある。

スリープレスナイトは好位からしぶとく伸びて2着。道中は流れが遅く少し行きたがったが、最後はきっちり伸びて2着を確保。休み明けで大幅馬体増、57キロを背負い、次に本番が控えているため、上村騎手は無理をしなかった。休み明けで馬体が22キロ増えていたが、元々細めに映った馬でそれほど太くは映らなかった。最終調教の動きが少し重く映ったように多少重めだったのは確かだが、本番を考えると馬体もレースぶりも丁度良かったのではないか。芝&ダートの1200mでは[9-3-0-0]で連対率100%をキープ。次走のスプリンターズSは中山最終週で馬場が荒れていることが多い。今回使った反動が出ず、想定外の高速馬場にならなければ、連覇の可能性が高そうだ。

コスモベルは外枠スタートから佐藤哲騎手が押して前に行き、直線でしぶとく粘って3着。アルティマトゥーレには引き離されたが、2着のスリープレスナイトに0.1秒なら悪くない。外枠で前半脚を使わされたが、結果的に佐藤哲騎手の強気な先行策が功を奏した印象。使いながら良化するタイプで調教診断で1位評価したように調子も上向いていた。アイビスSDは初の直線1000m、北九州記念は不利な外枠で着外に終わったが、実力的にこれくらいは走れる馬。馬券は実力より人気が落ちたときが狙い目で今回のコスモベル(11番人気、複勝1,110円)はまさにそれだった。

カノヤザクラは中団からメンバー3位タイの33.9秒で鋭く伸びてきたが4着止まり。流れが緩く馬が密集して追い出しが遅れたことが響いた。スタート後に外の前に同厩のスリープレスナイトがいたため少し控えたが、それによって位置取りが悪くなったことも響いている。それでも4着で4ポイントを加算しトータル20点でサマースプリントシリーズの連覇を決めた。ここを目標に坂路で攻めて、見事に目標を達成した。次走はスプリンターズSになるが、今回目一杯走らなかったことがプラスに出る可能性がある。昨年7着はスタート直後に両サイドから挟まれて位置取りが悪くなったことが敗因。

ローレルゲレイロは逃げて直線で失速し14着に終わった。高松宮記念の勝ち馬があまりに情けない負け方だった。ただし負けるときはトコトン負けるのが、この馬の特徴。今回は休み明けで馬格のない馬が59キロを背負っていたのだから仕方ない面もある。次走のスプリンターズSは高松宮記念の勝ち馬でもこの惨敗で人気は落ちそう。まずは中2週で昆調教師がどこまで仕上げてくるか注目したい。

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