札幌記念
レース回顧

ヤマニンキングリーは内ラチ沿いの好位から直線で少し外に出して抜け出すと最後は外から伸びたブエナビスタを完封しレースを制した。雨の影響が残った切れ味の削がれる少し緩い馬場でブエナビスタが大外を回ったのに対し、内ラチ沿いをロスなく回ってきたことが功を奏した。内枠からスタートを決めて終始ロスなく回ってきた柴山騎手の手綱捌きも光った。札幌芝2000mが得意な柴山騎手を呼び寄せた陣営の戦略が見事に嵌った印象。馬体が20キロ減ってパドックでは目立たなかったが、札幌の洋芝が合うこともあるのだろう。父アグネスデジタルからスジ力を受け継いだと相馬眼的に注目してきた馬がようやくG2制覇。今後は毎日王冠から天皇賞(秋)でG1獲りを目指す。

ブエナビスタは後方から捲くってメンバー最速タイの35.1秒で上がったが、クビ差の惜しい2着。ラスト100mからひと伸びして地力を見せた。3、4コーナーでマツリダゴッホに外から先に動かれれて追い出しが遅れたことが応えた印象。あそこがもう少しスムーズなら差し切っていたのではないか。勝ちタイムが土曜のポプラS(1600万条件)より0.4秒遅いのは、馬場が少し緩んでいたため。馬体は8キロ増えて実の入りが良くなり、全体的にしっかりとしていた。パドックでは牡馬と一緒でも全く動じる気配なし。ただしレースでは前半少し行きたがっていた。負けたため凱旋門賞には向かわず、次走は秋華賞に直行する予定。陣営は週中にひと言必要だったのではないか。

サクラオリオンは後方から馬群を捌いて内から突っ込み3着。上がり3Fはメンバー3位の35.3秒。道中はかなり後ろにいたが、マツリダッゴとブエナビスタが外から捲くったことで内の馬群がバラけて捌きやすくなっていた。馬場が緩んで時計、上がりが掛かったことも良かったのだろう。ここにきて馬体のバランスが良くなり力をつけているが、札幌以外の良馬場では過信禁物。

ドリームサンデーはハナを切って前半5F60.2秒の平均ペースで逃げたが、直線半ばで一杯になって0.5秒差の7着。早めに来られたこともあるが、スムーズな競馬で力は出し切った印象。もう少し緩い流れで上がりの競馬に持ち込めれば結果は違ったかもしれないが、後続が早めに動く展開で楽をさせてもらえなかった。[4−4−6−2]で複勝率87.5%の芝1800mでは要注意。

マツリダゴッホは後方から早めに捲くったが、直線で一杯になって9着。ブエナビスタの外から強引に捲くっていたが、直線では全く伸びなかった。馬体は好調時と比べると落ちる印象があったし、まだ完調ではなかったのだろう。外を回って脚を使い切るのは、昨年の有馬記念と同じ負けパターン。気のいい馬だけに最初から馬を前に置ける内枠の方が成績がいい。

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