チューリップ賞
レース回顧

ブエナビスタは控えて最後方を進み、3コーナーから動いて4コーナーで先団に取りつくと逃げたサクラミモザを差し切ってレースを制した。上がり3Fはメンバー最速の34.7秒。内枠でごちゃつくことを嫌ったアンカツが不利を承知で一旦下げて大外を回したが、直線半ばで手前を替えるとガツンと伸びて一気に差し切った。一頭だけ次元の違う競馬で能力の違いを見せつける強い勝ち方。ブエナビスタの強さだけが目立つレースだった。暮れから馬体重は変わらないが、全体的にフックラして実の入りが良くなった。落ち着きもあるし、馬が騎手の指示に従順なところがいい。次走は桜花賞になるが、アクシデントがない限り、簡単には負けないだろう。エルフィンSを勝ったレッドディザイアがどこまで迫れるか。

サクラミモザはハナを切って前半5F61.3秒のスローペース。直線で後続を引き離して2着に粘った。逃げると思われたカウアイレーンが休み明け&長距離輸送で大幅馬体減、パドックで2度倒れ込む始末。内を通って前に行った馬が有利な馬場でマイペースの逃げ。かなり恵まれた印象。それでも初芝だったことを考えると内容は悪くない。地力はあるので、しぶとさを生かせるような馬場&展開なら侮れない。藤岡祐騎手は昨年のチューリップ賞でもエアパスカルを粘らせている。

ルージュバンブーは内ラチ沿いの中団を進み、直線で内から捌いて3着。直線で前が空かずにかなり脚を余しており、まともなら2着と際どかったかもしれない。未勝利勝ちの内容が良かったが、今回は1枠1番スタートからロスなく回ってきたこともあり、最後切れる脚を使った。陣営の思惑通り3着以内に入り、桜花賞出走権を確保。小牧騎手、阪神芝1600m、1枠1番というのは、アーリントンCのダブルウェッジと同じ。JRAはルージュバンブーの活躍を見込んでいるようだ。

ブロードストリートは中団を進んだが、ブエナビスタに外から被せられて位置取りが悪くなり、直線に向いたときは後方3番手。そこからしぶとく伸びてきたが、0.5秒差の4着。好位につけず、全体的にスムーズさを欠いた。最後は伸びてきただけに追い出しを待ったことが応えた印象。まだ馬体の実の入りが浅い部分があるだけに力のいる阪神が応えたか。出走権を逃したため、桜花賞は抽選になる可能性が高い。抽選での出走、馬体の成長などを考えると目標をオークスに切り替えるかもしれない。

ジェルミナルは後方からメンバー2位の35.0秒で上がって5着。直線でかなり狭いところを捌いてきた。前に行った馬が断然有利な馬場だったのにも関わらず、福永騎手はスタートした後に後方に下げていた。ブエナビスタを意識して後方に下げたと言うが、馬場傾向を考えると後方に下げる意味はない。最初から勝ちを放棄した騎乗だった。競馬は人気馬が負けることで八百長を作ることもできる。3連単は2、3番人気がぶっ飛んで24740円。特にトライアルは茶番劇が多い。

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