競馬アナリストGM
阪神JF
レース展望

2歳女王決定戦。以前はコース的に紛れがあったが、06年の阪神改装に伴い、外回りコースに変更された。06年の勝ち馬ウオッカはダービーを制し、昨年の勝ち馬トールポピーはオークスを制している。今年もクラシックに繋がるレースになりそうだ。過去10年で1番人気は[3-1-2-4]で4連対。01年以降は全てファンタジーSの勝ち馬が1番人気になっているが、[1-1-1-4]で2連対のみ。スイープトウショウは5着、ラインクラフトは3着に終わっており、3〜5着に敗れるケースが目立つ。ちなみに1番人気がファンタジーS組でなかった99年のヤマカツスズラン(ききょうS1着)と00年のテイエムオーシャン(札幌3歳S3着)の2頭はともに勝っている。

2番人気は[0-0-5-5]で連対なし、3番人気は[2-2-0-6]で4連対。人気馬の信頼度は低い。最近5年の連対馬10頭のうち6頭が6番人気以下の人気薄。馬連は10倍以下は1回しかなく、50倍以上が2回、万馬券が4回と大荒れ。外回りコースに変更された06年は4-1番人気で馬連9倍と堅く収まったが、昨年は3-8番人気で54.4倍と荒れた。連闘[1-0-0-7]、中1週[0-0-0-15]、前走未勝利戦[0-0-0-14]、前走東京を使った関東馬[1-0-0-19]、420キロ以下の小柄な馬[0-0-2-21]は不振傾向。外回りコースに変更されたことで以前ほど荒れなくなったが、思い切った馬券作戦が有効。

ブエナビスタはアンライバルドが勝った新馬戦で後方からメンバー最速の33.5秒で追い込んで3着。2着のリーチザクラウンはその後、未勝利、千両賞を好タイムで楽勝している。2戦目の未勝利戦は中団の後ろを進み、直線で外に出すと気合をつけただけで一気に差し切り3馬身差で圧勝。上がり3Fはメンバー最速の34.5秒で、レースのラスト3Fは12.0-12.0-11.4秒で持続&尻上がり。走る馬独特のフットワークで一頭だけ次元の違う末脚だった。父スペシャルウィーク、母ビワハイジで半兄にアドマイヤジャパン、アドマイヤオーラ。過去10年で前走未勝利戦[0-0-0-14]だが、人気になった馬はいない。アンカツは今年G1未勝利。

ジェルミナルは未勝利、黄菊賞を連勝。未勝利戦は直線で馬なりのまま弾けるように伸びて2馬身差で楽勝。レースのラスト3Fは11.5-12.3-11.3秒でラスト1Fが尻上がり。馬なりのまま、こんな脚を使える馬はそうはいない。黄菊賞は中団からメンバー最速の34.4秒で上がってアラシオヨブオトコにクビ差で辛勝。レースのラスト3Fは11.6-11.7-11.6秒でラスト1Fが尻上がり。ウオッカとトールポピーは黄菊賞2着をステップに阪神JFを制したように牡馬を相手に芝1800mを経験したことは大きい。藤原英厩舎のアグネスタキオン産駒。藤原英厩舎はファンタジーSで単勝1.6倍の断然人気に支持されたワイドサファイアを引っ込めた。

ダノンベルベールは福島芝1200mの新馬戦を後方からメンバー最速の34.9秒で差し切り勝ち。芙蓉Sは2コーナーで他馬に寄られる不利があり位置取りが悪くなったが、直線でしぶとく伸びてクビ差の2着。まともなら勝っていたか。赤松賞は後方からメンバー最速の33.9秒で差し切り勝ち。勝ちタイム1分36秒1は平凡だが、追って味のある馬で最後までしぶとく伸びた。こういうタイプは直線の長い阪神外回りは合うのではないか。今回は輸送リスクを軽減するため、栗東入りして調整している。高額の駄馬ばかり掴まされているダノックス。社台ファーム生産のアグネスタキオン産駒でG1制覇のチャンスか。

ミクロコスモスは東京芝1600mの新馬戦を2番手からメンバー最速タイの33.4秒で上がって逃げたカウアイレーンとの競り合いをクビ差で制した。2着のカウアイレーン(ピンクカメオの半妹)は次走東京芝1600mを逃げて1分34秒7のレコードで楽勝している。ミクロコスモスは角居厩舎の管理馬で武豊騎手が騎乗し、単勝2.2倍の1番人気だった。レースのラスト3Fは11.2-10.8-11.4秒。カウアイレーンがラスト2F目に10秒台のラップで引き離したが、それを差したのだから大したもの。角居厩舎はウオッカ、トールポピーで阪神JFを連勝中。ノーザンファーム生産の新種牡馬ネオユニヴァース産駒。武豊騎手から乗り替わる鮫島良騎手が普通に乗れれば。

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