スプリンターズS
有力馬診断

[7 ]スリープレスナイト
CBC賞は前に行く馬が揃い超ハイペースが想定されたが、蓋を開けて見れば前に行く馬が警戒し合って前半3F34.0秒の緩ペース。2番手から直線で早めに先頭に立ってそのまま押し切った。展開に恵まれたことは確かだが、能力を感じさせる勝ち方だった。ただし1番人気トウショウカレッジ、2着スピニングノアールというG3級のメンバーだった。カノヤザクラは0.4秒の5着も出遅れたため力関係は測れない。北九州記念は前半3F33.0秒のハイペースで2、3番手から早めに抜け出して2馬身差で楽勝。トップハンデ56キロを背負い、稍重で1分7秒5の好タイムで勝ったのだから強い。ただし内枠からロスなく立ち回った馬が有利な馬場で枠順に恵まれたことも確か。メンバーはCBC賞より弱く、G3からオープン級だった。2着のマルカフェニックスには0.3秒差をつけたが、マルカは次走セントウルSに出走して0.6秒差の7着。斤量関係を見てみると北九州記念ではスリープ56キロ、マルカ54キロに対し、セントウルSではカノヤ55キロ、マルカ57キロ。セントウルSでマルカが53キロなら単純に1キロ=0.2秒とするとカノヤに0.2秒先着。その他の条件もあるのでこれが全てではないが、スリープレスナイトの北九州記念の楽勝はそれなりに価値がある。高速決着にも対応できた。荒れ馬場、渋った馬場を苦にしないタイプで徐々に荒れてきた今の中山は合う。外の偶数枠に入ったことで出遅れる可能性は減る。超ハイペースになったときにいかに自分のペースで行けるかが鍵。鋭く切れる脚はないが、末脚はしっかりしているため、好位からでも差し切れる。メンバー、脚質、馬場など総合的に判断してこのメンバーでも力は足りる。スプリントG1は力をつけてきた馬が強い。能力も馬体もそのレベルに達したのではないか。あとは初G1制覇の懸かる上村騎手がいかに冷静に騎乗できるかに懸かっている。

[6+]ビービーガルダン
3走前のTVh杯は中団からメンバー最速の34.7秒で上がって差し切り勝ち。勝ちタイム1分8秒5は2週後の函館スプリントSに0.1秒差の好タイム。TVh杯が前半3F33.2秒でビービーガルダンの上がりは34.7秒、函館スプリントSは前半3F32.8秒でキンシャサノキセキの上がりは35.3秒。開幕週と3週目で馬場の違いはあるが、TVh杯のビービーガルダンの走りは価値がある。函館スプリントSは除外されたが、陣営は当時から重賞で通用するとみていたようだ。札幌日刊スポーツ杯は逃げて1分8秒3のレコードで楽勝。アンカツは軽く仕掛けただけだった。キーンランドCは逃げてしぶとく粘ったが、内をロスなく回ってきたタニノマティーニに差されて0.1秒差の2着。札幌日刊スポーツ杯は前半3F33.4秒、キーンランドCは33.9秒で0.6秒遅いが、走破タイムは1分8秒0でこれは自身のレコードを0.3秒上回る。タニノマティーニに差されたのは、前半の流れが遅かったため。切れより地力タイプだけにもう少し速いペースで逃げていれば勝っていたのではないか。函館スプリントSを勝ったキンシャサノキセキには0.1秒先着した。キンシャサノキセキは直線で前が詰まる不利があったが、スプリント重賞初挑戦、しかも同斤で先着したことは評価できる。春に復帰してから着実にパフォーマンスを引き上げており、ここにきて馬体に実が入り充実してきた。最終調教の動き、気配も素晴らしく、今のデキなら更にパフォーマンスを引き上げることも可能。スプリンターズSを意識してアンカツがキーンランドCで目一杯に走らせなかったことが利いている。良馬場の芝1200mでは[4-2-1-0]で複勝率100%。芝1200mで前半3F33秒台前半になったレースは2戦2勝(TVh杯、札幌日刊スポーツ杯)。アンカツはビリーヴでスプリンターズSを知り尽くしている。脚質も同じ。最後に上村騎手と経験の差が出る可能性もある。

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