競馬アナリストGM
スプリンターズS
レース展望

秋のスプリント王決定戦。過去10年で1番人気は[3-4-1-2]で7連対。着外に敗れたゼンノエルシドはG1と芝1200mが初めて、サニングデールは直線で不利があった。1番人気はセントウルS連対馬、前走好走のG1馬なら信頼度高い。2番人気は[1-3-4-2]で4連対、3番人気は[1-2-1-6]で3連対。秋開催になった00年以降の連対馬16頭のうち14頭が5番人気以内と人気馬が堅実だが、時々極端な人気薄が激走して大波乱が起きる。連対馬20頭のうち13頭が前走3着以内。前走4着以下から巻き返した7頭のうち6頭はG1連対経験があった。前走4着以下は、G1実績がないと巻き返すのは難しい。

スリープレスナイトは4月に復帰して4連勝中。芝のCBC賞と北九州記念を連勝した。CBC賞は2番手から楽に抜け出して快勝。前残りの展開に恵まれたのは事実だが、久々の芝で早め先頭から横綱相撲の競馬で勝ったことは評価できる。北九州記念は2、3番手追走から直線で後続を突き放して2馬身差で楽勝。内枠からロスなく立ち回った馬が有利な馬場だったが、稍重で勝ちタイム1分7秒5は早く、懸念された高速決着に対応できた。トップハンデ56キロを背負ってこの勝ち方は強い。以前は馬体が少し薄く見えたが、冬にひと息入れてから馬体が増えてかなり逞しくなった。

芝を使った新馬、未勝利で2、3着に終わり、3戦目のダ1200mを10馬身差で圧勝したこと、クロフネ産駒ということもありずっとダートを使ってきたが、前2走で芝適性の高さを証明した。芝ダート問わず1200mでは[8-1-0-0]。スタートが決まったレースは全て勝っている。中山では京葉S(ダ1200m)を1分9秒1の好タイムで勝っており輸送は問題ない。スタートが課題だが、展開的な紛れの少ない脚質は魅力。母ホワットケイティーディドはヒシアマゾンの半姉。ヒシアマゾンはクリスタルCで凄い脚を使って勝っている。レース当日は橋口調教師の誕生日。勝てばJBCスプリントで芝ダートG1制覇の偉業達成も十分に考えられる。

ビービーガルダンはキーンランドC2着。ハナを切ってしぶとく伸びたが、内をロスなく回ってきたタニノマティーニに差された。ラスト3Fは全て11秒台で走ったようにバテてはいない。札幌日刊スポーツ杯は前半3F33.4秒、キーンランドCは33.9秒。切れより地力タイプだけに前半の流れが遅かったか。春に復帰してから一戦ごとに着実にパフォーマンスを引き上げており、ここにきて馬体も充実してきた。芝1200mは[5-3-1-1]だが、良馬場では[4-2-1-0]で複勝率100%。中山で1分7秒台の決着になったときが課題だが、前2走は札幌でレコードで走っている。直線でスリープレスナイトとの叩き合いに持ち込みたい。

カノヤザクラはサマースプリントシリーズ優勝。アイビスSDは大外枠から直線で馬群を捌いて差し切り勝ち。06年のサマーシリーズでヴィータローザに重ハンデを課したJRAは今夏、橋口厩舎の管理馬を有利な枠に入れていた。セントウルSは好位から差し切り勝ち。小牧騎手は直線で後ろを振り返る余裕があった。2F目から10秒台のラップが3F続いたが、最初の1Fが12.5秒と遅く前半3F33.5秒。このラップと開幕週の馬場で前残りになった。それでも昨年より2キロ重い55キロを背負って時計を0.6秒詰めたことは評価できる。トモが発達した馬格のある牝馬。中山のフェアリーSでかなりイレ込んだため、当日の気配に注意。

スズカフェニックスは昨年の高松宮記念勝ち馬。今年の高松宮記念はスタートで躓く致命的なロスがあったが、メンバー最速の32.7秒で3着まで追い上げた。セントウルSは出遅れて最後方を進み、メンバー最速タイの33.1秒で追い込んだが8着。前に行った馬が残る流れ&馬場で出遅れは致命的だった。昨年のスプリンターズSは9着に終わったが、馬体がガレで本調子ではなかった。前走のセントウルSでも馬体が8キロ減っていたように北海道からの輸送で馬体が減るのか、秋緒戦は良くないようだ。叩き2戦目は[2-1-3-0]で複勝率100%。今回は横山典騎手だけに追い込む競馬か。少し展開の助けが欲しい。

ファイングレインは今年の高松宮記念勝ち馬。淀短距離Sでは最内、シルクロードSでは大外、高松宮記念では馬群を捌いて差し切りと全て違ったレースで勝ってきた。高松宮記念は最終週でも時計の早い馬場。持ち時計がなく高速決着が課題だったが、1分7秒1で勝ち、見事に課題をクリアした。セントウルSは休み明け、初の59キロ、実績のない阪神コース、外枠とかなり厳しい条件だったこともあるが、直線で伸び切れず9着に終わった。幸騎手は7分のデキで59キロは厳しいとコメント。今回は叩き2戦目、57キロと条件は好転する。中山はニュージーランドTで2着があるが、直線の急坂は少し気になる。

キンシャサノキセキは芝1200m[2-1-2-0]で複勝率100%。高松宮記念は好位からタイミング良く抜け出したが、ファイングレインに差されてクビ差の惜しい2着。函館スプリントSは3番手から直線で抜け出して重賞初制覇。距離はマイルくらいまでこなすが、スピードがあり過ぎるため、現時点では折り合える芝1200mが合うようだ。キーンランドCは内ラチ沿いの中団からメンバー最速タイの33.7秒で上がったが、最後に狭くなり少し脚を余して3着。岩田騎手はここが本番ではないといった感じの騎乗だった。1週前に併せ馬で遅れたのは少し気になるが、日曜にも追っている。どこまで仕上がってくるかが鍵。

ジョリーダンスはセントウルS4着。中団からメンバー3位タイの33.2秒で上がったが、0.4秒差の4着に終わった。上がり3Fは勝ったカノヤザクラと同じだったように位置取りの差が出た印象。カノヤザクラは夏場使われたが、ジョリーダンスは休み明け。元々休み明けは走らないタイプだけにその差もある。昨年2月の韓国馬事会杯(中山芝1200m)は中団から馬群を捌いて差し切り勝ち。前半3F32.7秒でハイペースの消耗戦になったが、最後は凄い勢いで伸びてきた。休み明けを除き中山芝は[2-2-0-0]で連対率100%。今年はペリエ→岩田→アンカツの豪華リレーで今回は内田博騎手。7歳牝馬だが、穴の匂いがする。

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