競馬アナリストGM
青葉賞
レース展望

ダービートライアル。最近はシンボリクリスエス、ゼンノロブロイ、ハイアーゲーム、アドマイヤメインなど、勝ち馬がダービーで好走している。レッドシューターの春全休は残念だが、今年も強い競馬をする馬がいればダービーが楽しみになる。過去10年で1番人気は[6-0-1-3]で6連対。単勝オッズ2.5倍以下は[5-0-0-1]で勝率83.3%。2番人気は[2-3-2-3]で5連対、3番人気は[2-0-2-6]で2連対。馬連は10倍台までが6回と堅い決着が多い。雨で馬場が渋った昨年は3-15番人気の決着で馬連321.4倍の波乱になった。連対馬20頭のうち前走連対馬は9頭のみ。皐月賞の前哨戦で負けた馬が巻き返すことが多い。

マゼランは未勝利、500万条件を2連勝。前走は東京芝2400mを2分25秒7の好タイムで快勝。東京開幕日で時計の出やすい馬場だった。レースのラスト3Fは11.8-11.7-11.7秒でラスト1Fが尻上がり。その後、2着ダイワワイルドボアは新緑賞、3着ドットコムは山藤賞、4着レッドアゲートはフローラSを勝っている。半姉のディアデラノビアとは馬体、走りが全く異なり、父クロフネが色濃く出た印象。それほど切れる脚はないが、いい脚を長く使え簡単にバテない。大型馬でズブさを感じさせたが、春を迎えて馬がどこまで成長したか、最終調教に注目したい。持ち時計はあるが、時計勝負に課題がありそう。

アドマイヤコマンドは新馬戦を7馬身差で圧勝し、キャリア1戦で臨んだ毎日杯で2着に好走した。勝ったディープスカイには2馬身半差をつけられたが、直線で外から寄られて狭くなり、馬群を捌くのに苦労したぶんもある。キャリア1戦で前走からタイムを2.4秒詰め、厳しいレースで馬群を割って伸びてきたことは評価できる。母トコアは短距離馬で血統、走法から今回は距離が課題になりそう。橋田厩舎はアドマイヤメインが距離を克服して勝ったが、どう対策してくるか。青葉賞で毎日杯組は[3-4-2-6]で複勝率60%。青葉賞で3番人気以内なら[3-2-1-0]で複勝率100%。データは後押しするが・・・。

ファビラスボーイは新馬、セントポーリア賞を連勝。前走後ひと息入れたが、どこまで仕上がってくるか。父ジャングルポケット、母ファビラスラフインという良血馬。馬体は華奢な部分があるが、底を見せていない不気味さがある。後藤騎手と堀井厩舎の詳しい事情は知らないが、今回は吉田隼騎手に乗り替わる予定。アルカザンは新馬、京都2歳Sを勝った後、きさらぎ賞6着、スプリングS5着に終わった。目標のダービーに向けてそろそろ本領発揮か。ダンスインザダーク産駒にしては良質の切れ味があるが、前2走は休み明け、直線の急坂でその切れ味が封印されている。昆厩舎は今年G1をいくつ勝つか。

クリスタルウイングは未勝利、500万条件を連勝。どちらも厳しい競馬になったが、最後に一気に差し切った。この経験はこれから生きてきそうだ。トゥザヴィクトリー、サイレントディールの半弟。馬主・山本氏&藤沢和厩舎はレッドシューターと同じ。ここで素質が開花するか。これまで[2-3-0-1]で出遅れた若葉S以外は崩れていないモンテクリスエス、未勝利と水仙賞を連勝したオリエンタルヨーク、2歳時に東京芝2000mをレコード勝ちし、前走山吹賞で2勝目を挙げたニシノエモーション、前走鼻出血明けで大敗も京成杯3着が光るアイティトップ、山藤賞を勝ったドットコム、相手なりに走るトレノクリスエスあたりが人気面で続きそう。

過去10年の青葉賞で8枠は[0-1-0-26]で1連対のみ。5番人気以内は[0-0-0-7]。データ、コース形態から8枠は割り引きが必要だが、同じように過去10年で8枠が[0-1-2-17]で1連対と不振だったダービー卿CTは、大外16番のサイレントプライド(社台RH)が逃げ切った。マイル重賞で大外枠の馬がスローペースで逃げ切った事実をどう解釈すべきか。例年レースのラップが落ちにくい皐月賞は、スローペースでキャプテントゥーレ(社台RH)が逃げ切り勝ち。社台の馬が前にいると騎手たちは金縛りになる。先週のフローラSでシングライクバード(社台RH)が5着に終わり、オークスの出走権を逃したのは何があったのか。

青葉賞には社台RHからの出走はないが、社台系生産馬が多数いる。色々な意味を含めて、KY、騎手の奮起でレースが正常化されることを期待。これから力を出し切っていない馬たちの逆襲が始まる。自分が強いと思った馬が結果を出せなかったとしても弱いと判断するのは早計。負けたときほど、レースをよく分析して敗因の分析に時間をかけるべきである。競馬には我慢が必要なときがある。それを乗り越えたとき、至福の時間が訪れるはずだ。昨年のダービーは牝馬のウオッカが本命。負けたら馬鹿にされるのは覚悟の上。それでも勝負したかったのである。

★2007年ダービー

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