高松宮記念
レース展望

春のスプリント王決定戦。過去10年の1番人気は[2-2-1-5]で4連対。前年のスプリンターズS好走馬が不振に終わることが多いが、今年は1〜3着馬の出走はない。2番人気は[2-3-2-3]で5連対、3番人気は[2-1-1-6]で3連対。最近5年の連対馬10頭のうち8頭は4番人気以内。人気馬が結果を出す傾向が強いが、昨年は13番人気のペールギュントが激走した。馬連は10倍以下は2回のみ。30倍前後の中穴決着が多い。最近5年の連対馬10頭のうち7頭が阪急杯組。06年から阪急杯は距離が1400Mに変更されたが、3着のオレハマッテルゼとスズカフェニックスが制したように関連性は強い。昨年の上村騎手を除き、連対した騎手はリーディング上位の騎手。小回りコースで行われる多頭数の激戦。騎手の腕も考慮したい。

昨年唯一スプリント重賞で3勝を挙げたサンアディユはオーシャンSの翌日に心不全で亡くなった。昨年のスプリンターズSを勝ったアストンマーチャンは体調が整わず回避。スプリント路線はレベルの低いレースが続いており、勝ち馬は日替わりの状態。今年は真のスプリンターといえる馬の出走が少ないが、高松宮記念は流れが緩むとマイラータイプの差し馬が活躍する傾向がある。最近2年の連対馬4頭はマイル重賞で連対があり、高松宮記念が初めての芝1200mだった。今年もマイラータイプが活躍するのだろうか。今年の中京は10日間開催で今週最終週。普通に考えれば、例年より馬場は荒れそうだが、A→Bコースに変更された先週は500万条件の芝1200mで1分7秒9の好タイムが出た。時計の出方、馬場傾向も例年とは違うので注意したい。

スズカフェニックスは昨年の勝ち馬。中団から早めに進出して直線に向くと外から一気に突き抜けて2着に2馬身半差をつけた。9Rの3歳500万条件の前半3Fが33.6秒に対し、それより0.2秒遅い33.8秒。流れが緩むとマイラータイプの差し馬が活躍する傾向がズバリ嵌まった形。重馬場で勝ちタイムが1分8秒9と遅かったことも良かったか。スプリンターズSは調整に失敗し、馬体がガレて本来の力を発揮できず9着に終わったが、立て直した後はマイルCS3着、阪神カップ1着、阪急杯2着と堅実に走っている。今回は主戦・武豊騎手がドバイ遠征のため、テン乗りの福永騎手に乗り替わる。1986年以降のG1で武豊騎手から乗り替わって1番人気になった馬は[1-3-3-2-0]で勝率11.1%、連対率44.4%、複勝率77.8%。

ファイングレインは重賞を使うには賞金が足りず、オープン特別の淀短距離Sを使ったところ、内からメンバー最速の33.4秒の末脚で一気に差し切った。続くシルクロードSは最後方からメンバー最速の34.0秒で大外から一気に突き抜けて快勝。NHKマイルC2着の実績からマイル前後を使われていたが、芝1200mで素質が開花した。札幌芝1200mの新馬戦を勝っており、芝1200mは3戦3勝。一気に高松宮記念の有力馬に踊り出た。母の父がDanzig系のPolish Precedent。血統的に距離短縮で変わる可能性は秘めていた。先週の馬場傾向からシルクロードSのように大外一気では厳しいかもしれないが、淀短距離Sでは内から鋭く捌いてきた。当日の馬場状態にもよるが、枠順、勝ちタイム、スタートが鍵になりそうだ。

ローレルゲレイロは新馬戦を勝った後、重賞で2着5回と勝ち切れないレースが続いたが、阪急杯で逃げて4着に粘ったのをきっかけに東京新聞杯と阪急杯を逃げて連勝した。前走の阪急杯はオースミダイドウカが抑えたことで道中マイペースで進められたこと、開幕週で前が残りやすい馬場、スズカフェニックスより2キロ軽い57キロが有利に働いたことは確かだが、最後まで実にしぶとかった。当初はマイラーズCから安田記念に向かう予定だったが、サンアデュユ、アストンマーチャンのリタイアでこのメンバーなら勝負になると出走を決めたようだ。芝1200mはラベンダーS3着、函館2歳S3着、キーンランドC11着。エムオーウイナーとの兼ね合いはあるが、自分のペースで逃げられればしぶとく粘りそう。最終調教は珍しくやたらと軽かったが・・・。

スーパーホーネットはオープン特別4戦4勝のオープン大将だったが、昨年秋に本格化してスワンSを制し、続くマイルCSではダイワメジャーのクビ差2着に突っ込んだ。今回は休み明け、初の芝1200m、初の中京コースと課題は多いが、地力は見劣らない。当初は出走する予定はなかったが、ローレルゲレイロと同様にサンアデュユ、アストンマーチャンのリタイアで出走に踏み切ったようだ。休み明けは[1-0-0-3]で3走前にポートアイランドSを楽勝している。どこまで仕上がってくるか。キンシャサノキセキは京都金杯、阪急杯と折り合いを欠いて自滅したが、流れが速くなる芝1200m、平坦コースなら見直す余地はある。京都の桂川Sと新潟の谷川岳Sは強い勝ち方だった。この中間は挫石があり2日間調教を休んだようだ。陣営は岩田騎手を乗せてきた。

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