ジャパンCダート
レース展望

00年に新設されたダートの国際G1。過去7年で1番人気は[2-3-1-1]で5連対。00年の牝馬と03年の中山開催を除くと[2-3-0-0]で現在4年連続連対中。2番人気は[0-0-0-6]、3番人気は[0-1-0-6]と不振。馬連は1番人気が堅実なため、荒れても中穴止まり。東京で連対した日本馬11頭のうち8頭には東京のダート重賞で連対があった。フェブラリーSと武蔵野Sで連対経験のある馬には要注意。最近はJBCクラシックで好走した馬の活躍が目立つ。10番人気以下で連対した日本馬2頭にはダートG1で連対があった。穴で人気の盲点になったダートG1実績馬に注意。

ヴァーミリアンはダート[6-1-0-4]でG1は川崎記念とJBCクラシックを勝っている。春はドバイに遠征し、ドバイWCで世界の強豪を相手に4着に入った。復帰戦となったJBCクラシックは内から捌いて4馬身差で圧勝。東京ではフェブラリーS5着、ジャパンCダート4着に敗れているが、ダイオライト記念、川崎記念を勝ったように左回りは苦手ではない。昨年のジャパンCダートは東海Sで大幅馬体減、心房細動があった後のレースで休み明けだった。武豊騎手とは相性が良く[5-3-0-0]で連対率100%。武豊騎手はジャパンCダート、ジャパンCとも1番人気が濃厚。両方勝てば1900万円の荒稼ぎ。

フリオーソはジャパンダートダービー(不良)を2分2秒9の好タイムで楽勝。復帰戦となったJBCクラシックはヴァーミリアンに4馬身差をつけられたが好位からしぶとく伸びて2着に入った。馬インフルエンザの影響で帰厩が遅れ、乗り込みが少なかったと陣営はいう。ヴァーミリアンも休み明けだったが、4馬身差が全て実力の差ではないだろう。中央のダートは初めて。地方馬は時計の早いダートが課題になることが多いが、ジャパンダートダービーの時計ならこなせないか。鞍上は一昨年アジュディミツオーで10着に終わった内田博騎手。JRAジョッキーになる前に地方馬でJRAのG1を勝つか。

サンライズバッカスはフェブラリーSの勝ち馬。昨年秋以降は全てダート重賞に出走して[1-2-2-3]で5着以内を確保。相手なりに走るタイプで大崩れがない。JBCクラシックは4コーナーで外に振られるロスがあって3着。まともなら2着はあったか。ジャパンCダートは3年連続出走で過去2年は5着。昨年は後方から追い込んできたが、アンカツがテン乗りで流れに乗れなかったことが響いた。アンカツはそれ以来ずっと騎乗しており、馬の癖は把握できている。ベストは東京ダ1600mだが、距離2100mは守備範囲。脚抜きのいいダートになるとフェブラリーSのように末脚が唸りそうだ。タフなレースに強いタイプ。

ブルーコンコルドは地方交流G1-6勝馬。今年7歳になったが、フェブラリーS2着、かしわ記念1着、帝王賞2着、南部杯1着、JBCクラシック4着とG1で2勝を挙げた。前走のJBCクラシックは道中掛かり気味だったこと、内を通った馬が有利な馬場状態で大外を回ったことが応えた印象。仕上がり自体は良かった。昨年のジャパンCダートは直線で前が壁になってほとんど追うことができず9着。追えば伸びそうな気配はあったが、全く競馬にならなかった。続く東京大賞典は4馬身差で圧勝している。未だJRA-G1は未勝利。今回は坂路で入念に乗り込んでいるが、JRA-G1初勝利なるか。

武蔵野Sからはエイシンロンバード、ワイルドワンダー、フィールドルージュ、カフェオリンポスが出走する。エイシンロンバードは武蔵野Sを逃げ切り勝ち。東京ダートは[3-1-0-2]の巧者だが、距離2100mが課題。ワイルドワンダーは今年春に本格化してからはダート重賞で[2-2-0-0]。南部杯ではブルーコンコルドに半馬身差まで迫った。実績、体型から距離2100mは気になるところ。フィールドルージュは昨年後方からメンバー最速タイの36.0秒で追い込んで3着。位置取りとコース取りの差だけだった。武蔵野Sは例によって横山典騎手がケツから追い込んで4着。今年は昨年より機動力があるが、横山典騎手がそれをどう生かすか。

別路線からはエルムSを圧勝したメイショウトウコン、条件戦から3連勝でシリウスSを制したドラゴンファイヤー、帝王賞でブルーコンコルドを負かしたボンネビルレコード、東海S2着、シリウスS3着、アルデバランS1着と力をつけてきたワンダースピード。メイショウトウコンはフェブラリーSで11着に敗れ、左回りに不安があったが、東海Sで派手な捲くりを決め、その不安を一掃。エルムSはインパクトのある勝ち方だった。小回りコースが得意だが、広い東京で武幸騎手が持ち味を引き出せれば。ドラゴンファイヤーはダート[5-2-0-1]とまだ底を見せていない。シリウスSは内から差し切るという並の馬にはできない芸当を披露。今勢いがある。

ボンネビルレコードはJBCクラシックを除外されて出走した天皇賞(秋)はシンガリ負け。叩き2戦目、得意のダートでどこまで巻き返してくるか。ワンダースピードは東海Sでメイショウトウコンに半馬身差の2着。休み明けのシリウスSは大幅馬体減で3着に終わったが、馬体が戻ったアルデバランSは中団から差し切って3馬身半差で圧勝した。阪神ダ2000mをレコード勝ちしたようにスピードもある。外国馬はスチューデントカウンシル、キャンディデート、ジャックサリヴァンが出走する。スチューデントカウンシルはパシフィッククラシックの勝ち馬でジャパンCダートを勝てば1億円のボーナスが支給される。外国馬は馬体、調教の動きから東京のダートの適性を見抜きたい。

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