マイルCS
レース展望

3歳馬と古馬が激突する秋のマイル王決定戦。過去10年で1番人気は[4-1-0-5]で5連対。G1馬は[4-0-0-2]で勝率67%。連対を外した2頭は6歳馬。G1勝ちのある4、5歳馬は信頼度高い。G1勝ちのない馬は[0-1-0-3]と不振。2番人気は[1-2-2-5]で3連対、3番人気は[1-2-1-6]で3連対。最近4年は5番人気以内の決着でそれほど荒れておらず、馬連は20倍前後の中穴が多い。過去10年で天皇賞(秋)組は[3-4-2-18]で連対率26%。一昨年は7着のハットトリックが勝ち、昨年は1着のダイワメジャーが勝ち、6着のダンスインザムードが2着。最近は天皇賞(秋)をステップにした馬の活躍が目立つ。

天皇賞(秋)からは2着アグネスアーク、3着カンパニー、9着ダイワメジャーが出走する。アグネスアークは骨折を挟み、デビューから4連勝した素質馬。夏に力をつけて札幌記念、毎日王冠、天皇賞(秋)で2着に激走。毎日王冠ではかなり外を回ってチョウサンに1馬身差。内容は勝っていた。天皇賞(秋)は直線で挟まれる大きな不利があったが、最後は根性で伸びてきた。使い詰めで馬体の維持が課題だが、今回は輸送が短い京都。毎日王冠で時計勝負に対応できたし、前走の反動がなければ好勝負。天皇賞(秋)の返し馬で見せた軽やかでかつ推進力のある走りは父アグネスタキオンを彷彿させた。

カンパニーは東京では[0-0-0-5]だったが、天皇賞(秋)で初めて馬券に絡んだ。直線ではコスモバルクが内→外→内に寄れたことで立て直す大きなロス。まともなら2着があったかもしれないが、アグネスアークも不利を受けている。福永騎手の「もうG1で乗らないで欲しい」という強烈なコメントが印象的。カンパニーは叩き2戦目[2-1-0-2]で京阪杯と産経大阪杯を勝っている。休み明けでいきなり激走した反動が気になるが、仕上がり次第で狙い目はある。一昨年の京阪杯(京都芝外1800m)は同年のマイルCSとほぼ互角のパフォーマンス。ベストは1800mだが、マイルの関屋記念では大外から弾けた。

ダイワメジャーは昨年3連勝でマイルCSを制したが、今年は毎日王冠3着、天皇賞(秋)9着。毎日王冠は59キロを背負って前に行った馬に厳しい展開だったが、これまで出走した1600〜1800mで2F目から10秒台のラップが2回続いたのは毎日王冠が初めて。先行馬としての死角を見せた可能性はないか。天皇賞(秋)は直線で内からぶつけられる不利があったが、不利がなくても馬券圏内があったかどうかは微妙なところ。外枠スタートから行き切らなかったため、道中ずっと外を回ったことが応えた。この中間、調教は手控えているが、叩き3戦目、得意のマイル[4-3-0-2]で変わるか。

別路線からはスワンSを勝ったスーパーホーネット、スプリンターズSから直行したスズカフェニックス。スーパーホーネットは重賞[0-1-1-8]、オープン特別[4-0-0-0]のオープン大将だったが、スワンSで重賞初制覇。後方から上がり3Fはメンバー最速の33.9秒で先に抜け出したフサイチリシャールを差し切った。これまで流れが緩んだレースで好走してきたようにハイペースに強いタイプではないが、自分のペースで後方を進んだことが良かったのだろう。これまで馬体減に悩まされた馬が、調教をビッシリやってプラス10キロ。ようやく充実してようだ。昨年は1枠2番から荒れて内を通って9着。藤岡祐騎手がどう捌いてくるか。

スズカフェニックスはスプリンターズSで後方のまま見せ場なく9着。パドックでは馬体が細く映り、レースでは本来のフットワークではなかった。馬インフルエンザの影響で帰厩が遅れ、急ピッチで仕上げたが、G1は甘くはなかった。きっちり仕上げて天皇賞(秋)からマイルCSの方が良かったか。高松宮記念を勝ったが、ベストは[2-1-2-2]のマイルで春には東京新聞杯を勝っている。春はかなりいい状態だったが、一度使ったことでどこまでその状態に近づけるか。直線で自分のスペースを確保できればいい脚を長く使う馬。京都外回りコースは合っている。武豊騎手はマイルCS[0-4-2-11]で未勝利。今年は決めるか。

富士Sの勝ち馬マイネルシーガル、阪急杯と京王杯SCの勝ち馬エイシンドーバー、スプリンターズS4着のキングストレイル、牝馬は安田記念3着のジョリーダンス、ヴィクトリアMの勝ち馬コウイタ、NHKマイルCの勝ち馬ピンクカメオなど伏兵は多士済々。ペリエ騎手で3戦3勝のサクラメガワンダーは除外対象。ローエングリンは今回がラストランになる予定。外国馬はウッドバインマイルの勝ち馬ベラックスが出走予定。1分32秒6の持ちタイムがある差し追い込みタイプ。今の京都にマッチするかよく見極めたい。穴でトウショウカレッジはないか。名牝シラオキに繋がる母系はエリザベス女王杯を取り消したウオッカと同じ。池添騎手はデュランダルでマイルCSの勝ち方を知っている。

マイルCSは京都連続開催によって馬場の内側が荒れる傾向が強く、最初から馬場の悪い内を通る内枠の馬は不利。過去10年では1枠[0-0-2-17]、2枠[0-0-1-18]で内枠の馬の連対はない。過去5年はBコースで行われたが、今年は今週からB→Cコースに変更される。これは来週3日間開催があることを考慮しての措置なのだろう。今年はCコースで内側の荒れた部分がカバーされると例年と傾向が変わる可能性があるので注意したい。例年は1、2枠に人気馬が入ると波乱になるが、今年は内枠の馬が波乱を演出する可能性がある。まずは土曜の競馬で馬場傾向を掴みたい。

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