エリザベス女王杯
レース展望

3歳馬と古馬が争う女王決定戦。過去10年の1番人気は[1-3-1-5]で4連対、2番人気は[5-3-0-2]で8連対、3番人気は[2-0-0-8]で2連対。連対馬20頭のうち18頭が5番人気以内と人気馬が堅実。毎年1、2番人気のどちらかが必ず連対している。2番人気は現在6年連続で連対中。最近6年は同年の秋華賞馬が1番人気になっており、テイエムオーシャン5着、ファインモーション1着、スティルインラブ2着、スイープトウショウ5着、エアメサイア5着、カワカミプリンセス1位降着。1位入線の2頭は5戦5勝だった。

馬連は万馬券決着はなく、荒れても中穴止まり。10倍台までが5回と堅く収まることが多い。連対馬20頭のうち17頭に牝馬限定G1で連対があり、残る3頭にはG2またはG3勝ちがあった。G1でレベルが高く重賞実績のない馬では通用しない。ステップレースの秋華賞と府中牝馬Sは5着以内に好走していることが条件。過去10年で2年連続して連対した馬が5頭と多く、最近はこの傾向が強い。外枠に入った極端な脚質の馬が穴をあけることが多いので注意。

秋華賞2着のレインダンスは熱発のため回避。秋華賞で極限の末脚を使ったベッラレイアは体調が整わず登録しなかった。昨年の最優秀3歳牝馬カワカミプリンセスは休養中。この3頭が出走がないのは残念だが、今年はレベルの高い3歳牝馬ウオッカvsダイワスカーレットの対決が見もの。ウオッカは64年ぶりに牝馬によるダービー制覇を達成したが、ダイワスカーレットは桜花賞と秋華賞でウオッカに勝ち3戦2勝で勝ち越している。現役最強牝馬はどちらか。勝った方は年度代表馬の可能性もありそうだ。

ウオッカは[5-2-1-1]で雨で馬場が悪化した宝塚記念以外は3着以内を確保。ダービーで3馬身差2着のアサクサキングスは菊花賞を制した。秋華賞は3着に敗れたが、縦長の隊列で後方からの馬には厳しい展開。ラップが早くなった3コーナーで大外から追い上げてメンバー2位の33.2秒で上がったところにむしろ底力を感じさせた。今回は叩き2戦目、直線の長い外回りコースと条件は好転する。この条件でダイワスカーレットに負けたら・・・。楽勝なら中1週でジャパンCに向かうか。

ダイワスカーレットは[5-2-0-0]で連対率100%。上がり3Fメンバー最速は一度もないが、2戦目以降全て33秒台でまとめている。秋華賞は道中ラップが12.8秒、13.6秒と落ちたことが有利に働いたが、前に行った馬はみな失速しており、その中でラスト3Fを33.9秒でまとめたのだから展開が恵まれただけではない。相当な底力がある。昨年の牝馬クラシックとエリザベス女王杯は全てハイペースの消耗戦。今回消耗戦なら真価が問われそうだ。あっさりクリアするようなら現役最強牝馬。

スイープトウショウは秋華賞、宝塚記念、エリザベス女王杯を制しているG1-3勝馬。牝馬による宝塚記念制覇は39年ぶりだった。エリザベス女王杯は一昨年1着、昨年繰り上がり2着。京都は[6-0-1-3]、芝2200mは[2-0-1-1]と条件は揃っている。追い切りができず京都大賞典を回避し、スワンSに出走したが馬体18キロ増で4着。馬場の悪い内から捌いてきたレースぶりは悪くなかった。昨年は力負けした感もあるが、大外を回ったこともある。一昨年のようにロスなく進めたい。

アサヒライジングはクイーンSで重賞初制覇。昨年はオークス3着、アメリカンオークス2着、秋華賞2着、エリザベス女王杯4着とG1で善戦。カワカミプリンセスには先着できなかったが、全て0.3秒差以内に踏ん張っている。クイーンSは前半5F60.2秒の緩い流れだったが、ラスト5Fを58.6秒でまとめたようにレベルは低くない。府中牝馬Sは2着に敗れたが、テン乗りの北村宏騎手が外枠から控える競馬をしたもの。当初から叩き3戦目のここが目標。ウオッカとダイワスカーレットは強いが、完封する流れはないか。

昨年の覇者でルメール騎手が騎乗するフサイチパンドラ、G1で善戦しているアドマイヤキッス、武豊騎手が騎乗するディアデラノビア、距離が課題も府中牝馬Sでパフォーマンスを引き上げたデアリングハート、横山典騎手でケツから行きそうなディアチャンスが人気面で続きそう。秋華賞でダイワスカーレットに33秒台でまとめられて勝たれた騎手たちはどんな思いだったか。今回はダイワスカーレットの勝ちパターンの流れになるのか興味深い。京都は今週もBコースで行われる。見た目は荒れているが上がりは早い。

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