札幌2歳S
レース展望

札幌開催の2歳王者決定戦。ジャングルポケット、サクラプレジデント、アドマイヤムーンなどの活躍馬を出している。過去10年で1番人気は[4-1-2-3]で5連対。最近3年はダンツキッチョウ2着、アドマイヤムーン1着、ナムラマース1着と堅実。2番人気は[1-0-2-7]、3番人気は[0-1-1-8]でともに1連対と不振。1番人気と2、3番人気での決着はない。馬連は10倍以下は1回しかなく、20〜40倍台が3回、万馬券3回と荒れている。最近3年の連対馬は全て前走札幌芝1500m以上を勝った馬。前走が札幌、函館以外だった馬は[0-0-1-9]と不振。穴でオープン好走が評価されなかった馬と初勝利直後の馬に注意。

サブジェクトは池江郎厩舎の素質馬。札幌芝1800mの新馬戦は後方からメンバー最速の34.4秒で差し切り勝ち。重心の低いフットワークでスピードに乗ると最後はアンカツが持ったまま楽々と突き抜けた。勝ちタイム1分50秒5は開幕週だったこともあるが、今年の札幌2歳戦の最速タイム。流れは違うが、上がり34.4秒は同日のクイーンS4着のアドマイヤキッスと同タイムだった。末脚はかなり切れる。ノースヒルズマネジメントvsサンデーレーシング。陣営がポルトフィーノにぶつけてきたのは自信の表れか。キャリア1戦、メンバー強化、速い流れと課題はあるが、クリアする下地はある。JRAの馬場設定と枠順に注意。

ポルトフィーノは母エアグルーヴで半姉にアドマイヤグルーヴがいる角居厩舎の良血牝馬。6月の阪神開幕週の芝1600mでデビューし、レースでは逃げて直線で武豊騎手が軽く仕掛けると後続を引き離して5馬身差で圧勝。ラスト3Fを11.1-11.6-11.7秒でまとめ、最後はまだ余裕があった。このレベルの良血馬が6月にデビューするのは異例だが、角居調教師は使いながら仕上げていく方針のようだ。過去10年の札幌2歳Sで札幌・函館以外から参戦した馬は[0-0-1-9]で連対なし、牝馬は[0-3-4-19]と不振だが、データを覆すか。デビューから3ヶ月して馬体がどのレベルにきたか注目したい。

ウイントリガーは未勝利、クローバー賞を連勝。阪神芝1600mの未勝利戦は中団からメンバー最速の34.0秒で差し切り勝ち。クローバー賞でもメンバー最速の34.4秒で内から突き抜けた。レースのラスト3Fは道中の流れが緩んだこともあるが、12.1-11.4-11.3秒で尻上がり。ここは評価したい。サブジェクトとポルトフィーノがキャリア1戦に対し、ウイントリガーはキャリア3戦。色々なレースを経験してきた強みを生かしたいところ。藤田騎手&山内厩舎のコンビは今年の札幌・函館で[7-5-3-10]で勝率28%、連対率48%、複勝率60%と高確率。札幌の調整ルームで負傷した藤田騎手は今週から復帰する予定。

ヤマカツオーキッドは母ヤマカツスズランで半兄にヤマカツブライアンがいる良血馬。札幌芝1500mの未勝利戦を逃げ切ると続くコスモス賞も逃げ切った。コスモス賞は前半5F66.9秒のスローペースで展開が向いた感が強いが、未勝利戦の1分29秒6は今年の札幌2歳戦の最速タイム。コスモス賞の内容だけで軽視するのは危険かもしれない。抽選出走組ではネオスピリッツ。藤沢和厩舎のシンボリクリスエス産駒で母の半兄にフサイチコンコルド。札幌芝1800mの新馬戦を3着に敗れた後に中山芝1800mの未勝利戦を逃げて3馬身半差で楽勝し、再度札幌入りする異例のローテーション。藤沢和厩舎は札幌5勝で現在リーディングトップ。

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