キーンランドC
レース展望

サマースプリントシリーズの第4戦として昨年新設されたスプリント重賞。昨年は大外から追い込んだチアフルスマイルが好位から早めに抜け出したシーイズトウショウを差し切って優勝。3着には内から馬群を割って伸びたビーナスラインが入った。勝ちタイムは1分8秒4。勝ったチアフルスマイルの上がり3Fは33.9秒。直線の短い小回りコースで基本的に前に行った馬が有利だが、ハイペース&外差し馬場なら決め手のある馬の突っ込みがある。ただし今年は馬インフルエンザの影響で先週中止になったため、実質は開催2週目で馬場の回復も見込める。時計の出方、連対馬の脚質など、まずは土曜の競馬をチェックしたいところ。

アグネスラズベリは函館スプリントSで重賞初制覇。内を通った馬が有利な馬場で内枠スタートから内をロスなく回ったことが功を奏した。少し嵌った感はあるが、一瞬の切れ味があるからこその勝利といえる。重賞では渋った馬場に泣かされてきた馬が、今年は阪神牝馬S2着、CBC賞3着と渋った馬場で結果を出した。6歳牝馬だが、今が充実期なのだろう。札幌芝1200mは2着が1回あるが、休み明けで大きく出遅れたもの。コースをこなす下地はある。今回は速い流れで追走に苦労しないかどうかがポイント。角田騎手は函館スプリントSと北九州記念を勝ち、現在サマージョッキーズシリーズのトップ。

クーヴェルチュールはバーデンバーデンCを1分7秒3の好タイムで勝ち、続くアイビスSDは不利な内枠スタートから前に行って3着に粘った。この2戦で古馬相手のスプリント戦線に目処を立てた。アイビスSDは外枠なら勝っていたかもしれない。芝1200mは実質[5-0-0-1](すずらん賞は1位降着)。直線に急坂のある中山のフェアリーS以外は勝っている。札幌芝1200mは500万条件1着、すずらん賞1位入線とコース適性は十分。すずらん賞を降着で降ろされた塚田騎手は後にもう一度騎乗したいとコメントしていた。JRAからは発表はないが、塚田騎手の意識は戻ったようだ。鞍上は横山典騎手。燃えない訳がない。

函館スプリントSで上位に入ったサープラスシンガー、ブラックバースピン、ワイルドシャウト、札幌日刊スポーツ杯を勝ってオープン入りしたシンボリウエスト、芝1600m以下[1-5-2-0]の3歳馬ローレルゲレイロ、シルクロードSの勝ち馬エムオーウイナー、スプリント戦で堅実なサチノスイーティー、昨年の3着馬ビーナスラインあたりが人気面で続きそう。サープラスシンガーは芝1200m[2-3-0-0]。01年から05年の札幌日刊スポーツ杯と昨年のキーンランドCで500キロ以上の大型馬は[0-0-0-14]と不振だが、今のデキなら何とかならないか。ブラックバースピンとワイルドシャウトは時計の早い決着が鍵。シンボリウエストは札幌芝2戦2勝。今のスプリント戦線のレベルなら通用しても驚けない。

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