函館記念
レース展望

サマー2000シリーズの第2戦。荒れるハンデ戦として有名なレース。過去10年で1番人気は[2-1-1-6]で3連対。連対したエアエミネムとファインモーションには芝2000MのG2勝ち、エリモハリアーは前年の勝ち馬で函館巧者だった。1番人気はこのレベルでないと通用しない。2番人気は[2-2-1-5]で4連対、3番人気は[0-1-1-8]で1連対のみ。人気馬の信頼度は低く、10番人気以下が5連対と多い。馬連は10年のうち5年が万馬券決着だが、最近5年は荒れても中穴止まり。トップハンデは[2-0-0-8]で人気になって不振に終わる傾向。01年以降6年の連対馬は全て54キロ以上。53キロ以下の軽量馬は3着止まり。

アドマイヤフジはトップハンデ57.5キロ。昨年の有馬記念で復帰して3戦不振に終わったが、ひと息入れて臨んだ目黒記念は3着、宝塚記念は4着に善戦した。昨年の日経新春杯の勝ち馬でトップハンデが示す通り実績は最上位。宝塚記念は58キロだったので57.5キロ自体はこなせるが、他馬が軽いのはやはり気になるところ。母アドマイヤラピスは函館の条件戦で[1-1-1-0]と力のいる芝をこなした。アドマイヤフジは函館初めてだが、阪神が得意なことからこなす下地はありそう。器用な馬ではなく小回り向きとは言えないが、いい脚を長く使えるので福永騎手がそこを上手く生かせれば。

ナムラマースは皐月賞とダービーはクラシック&コース経験の少ない藤岡祐騎手でまともなレースができず、ぞれぞれ11着、8着に敗れた。あの走りが馬の本当の力ではないだろう。函館はデビューから芝1200mで4戦して[0-3-0-1]。馬場は違うが、札幌芝18000mは3戦3勝で洋芝をこなす下地はある。距離は[4-1-0-0]の1800mに実績があるが、直線で不利のあったラジオNIKKEI杯2歳Sで最後にひと伸びしたように2000mもこなす。ハンデは貰えなかったが、53キロはデビュー以来最も軽い斤量。札幌2歳Sのように好位から決め手を生かすレースができれば面白い。今回は秋山騎手に乗り替わる。

マチカネキララはエプソムCを除外されて臨んだ巴賞は直線で伸び切れず4着。乗り込んでいたが、ノドの手術明けで10キロ増と太めが残っていた。芝2000mは[5-0-1-1]のベストの距離。前走負けて1キロ増の56キロは有利ではないが、叩き2戦目&藤田騎手2戦目で上積みがあれば。サクラメガワンダーは関西圏では[4-0-1-2]と堅実だが、輸送に弱いタイプで中山と東京では[0-0-0-6]で馬券圏内がない。北海道は初めてだが、滞在できる函館は合う可能性がある。最近は1600mを使われているが、ラジオNIKKEI杯2歳Sでアドマイヤムーンを差し切ったように2000mも守備範囲。岩田騎手が持ってくるか。

シルクネクサスはAJCC3着、中京記念2着と重賞で善戦し、前走の巴賞で初めてのオープン勝ち。パドックで馬体、気配が目立ったように今体調がいいのだろう。ムラな面はあるが、ハンデG3なら力は通用する。斤量は巴賞と同じ56キロ。四位騎手とは2戦2勝と相性がいい。メイショウオウテは巴賞をひと叩きされて今回が本番。前走最後方から末脚を測った横山典騎手が今度は届く位置&タイミングから差し切りを狙うのだろう。半兄メイショウカチドキは北海道の洋芝巧者。エリモハリアーは函館記念3連覇に挑む。毎年1キロずつ増えて今年は57キロ。巴賞はシンガリ負けだったが、激変の可能性はなくはない。

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