ダービー
有力馬診断(抜粋)

[7+]ウオッカ
阪神JFの勝ちタイム1分33秒1は前日のゴールデンホイップTを1.0秒上回り、56キロを背負って最後抑える余裕があったエルフィンSの1分33秒7は1週前の京都牝馬Sの2着に相当、チューリップ賞の1分33秒7は翌日の道頓堀Sと同タイムで1週前のアーリントンCを0.2秒上回った。チューリップ賞で負かしたダイワスカーレットは中京2歳Sでアドマイヤオーラを子供扱いし、アーリントC2着のローレルゲレイロは皐月賞で0.3秒差の6着、NHKマイルCで0.1秒差の2着。NHKマイルCは阪神JF8着、桜花賞14着のピンクカメオが牡馬を打ち破り、オークスは阪神JF4着、チューリップ賞5着、桜花賞4着のローブデコルテが2分25秒3のオークスレコードで勝った。今年の3歳牝馬はレベルが高く、トップレベルは時計の裏づけがあり高レベル。その中でもウオッカとダイワスカーレットは相馬眼的に評価できる馬で能力は相当。時計の裏づけのあるレースが少ない3歳牡馬路線。3歳牝馬トップレベルのウオッカなら通用する。ウオッカが勝ったエルフィンSはハイレベル。1986年以降、3歳の5月までの芝1600mでラスト6F69.9秒以内、2F目から最後まで11秒台のラップが続いたレースを勝った馬は96年チューリップ賞・エアグルーヴ、97年NHKマイルC・シーキングザパール、07年エルフィンS・ウオッカの3頭。奇しくも3レースともラスト5Fは58.1秒。エアグルーヴはオークスを勝ち、古馬になってからは天皇賞(秋)を勝ち、ジャパンCを2年連続2着。シーキングザパールは仏G1モーリス・ド・ゲスト賞を勝ち、スプリンターズS2着、高松宮記念2着、安田記念3着。2頭とも牡馬混合G1で活躍した。ウオッカの潜在能力もそのレベル。開花するかどうかは角居調教師の腕に懸かっている。

今年はダービーを2分23秒3で勝ったディープインパクトとキングカメハメハのようなスーパーホースはいない。ウオッカの一般的に言われる課題は、長距離輸送、距離2400m、初コース。長距離輸送で大幅馬体減、極度なイレ込みがあると厳しくなるが、まずはパドックに要注目。距離2400mは黄菊賞(芝1800m)で遅い流れを経験したし、内枠スタートで馬を前に置いて進めれば折り合いはつくのではないか。母タニノシスターは短距離馬だが、ウオッカの馬体は父タニノギムレットから強い影響を受けている。ひとつ上の半兄タニノベリーニ(父フレンチデピュティ)は2400m前後をこなした。馬体の作りから見ても距離をこなす下地は十分にある。左回りは右回りで内にもたれることから合いそうだし、東京の長い直線は阪神JFで手前を替えてからガツンと伸びたことから適性は高いとみる。今の東京が高速馬場にシフトしていることは対フサイチホウオーで有利。阪神JFで馬込みで我慢する競馬を経験しており、その点でロスなく進められる内枠はプラス。有力各馬がロスのある外枠に入ったことも有利に働きそうだ。四位騎手は前2年のダービーはシックスセンスとドリームパスポートでともに3着。昨年のドリームパスパートはメンバー最速の末脚を繰り出したにも関わらず3着に終わった。一度でも騎乗してもう少し前につけていれば・・・。この経験で四位騎手はダービーでどう乗れば勝てるか分かったはずだ。牝馬によるダービー制覇。期待してみたい。

[7 ]フサイチホウオー
皐月賞前の調教では併せ馬で遅れたが、今回は余裕を持って先着。1週前より動きが良くなったし、松田国調教師が現時点でできるベストの仕上げを施している。松田国調教師は「今年は極限まで馬を追い込まないと勝てない」とコメントしている。これまで松田国調教師はタニノギムレットとキングカメハメハでダービーを2勝している。今年のフサイチホウオーはその2頭のレベルにはなく、ギリギリのところまで仕上げないと勝てないとみているのだろう。相手はどの馬を意識しているのか、ウオッカかそれともヴィクトリーか。皐月賞は最後の直線で物凄い脚を使い、多くの人がダービーはフサイチホウオーと思ったが、松田国調教師には死角が見えているのかもしれない。フサイチホウオーは昨年夏に腰を痛めたようだ。間隔を空けて大事に使っているのはそのためで、共同通信杯の後、皐月賞に直行した。ダービーを勝ったタニノギムレットとキングカメハメハはNHKマイルCを使ったが、フサイチホウオーは皐月賞からダービー直行。東京で3戦3勝なのだからそれが当然とも言えるが・・・。松田国厩舎の管理馬でG1を勝つ馬は坂路で推進力のある走りをする。最近では朝日杯FSを勝ったときのフサイチリシャールがそうだった。フサイチホウオーは過去の松田国厩舎のG1馬たちと比べると少し推進力が不足している。それでも今回はこれまでで一番動きは良かった。アンカツが自信を持つのも当然だろう。

推進力のある走りは東京コースで爆発力を生む。キングカメハメハのNHKマイルCの弾け方は半端ではなかった。フサイチホウオーにはその脚が使えるのだろうか。皐月賞は上がり3Fメンバー最速タイの33.9秒。皐月賞で上がり3F33.9秒と単純に見ると凄い数字だが、実際は後方に控えていたためスローペースで上がりだけの競馬だった。皐月賞当日の中山9R(1000万条件)では大外を回って勝ったブレーヴハートの上がり3Fは33.6秒でフサイチホウオーを0.3秒上回っている。凄い勢いに見えたのはヴィクトリーとサンツェペリンとは別のレースをしていたこともあるのだろう。勝ったヴィクトリーとの上がり3Fは2.0秒差。この差があって差し切れないのはなぜなのか。アドマイヤオーラが後ろにいたため動けなかったことだけなのだろうか。フサイチホウオーはこれまでラスト5F最速のレースは東スポ杯2歳Sの59.5秒。直線の長い東京で前半5F61.8秒のスローペースで上がりだけの競馬だった。共同通信杯はラスト5F60.1秒。後続を突き放せずインパクトがなかったのは上がりに限界があることを示しているのかもしれない。そこに死角があるのではないか。ラスト5Fの持続力勝負になったときに限界を見せる可能性がある。それでも能力は牡馬トップレベルで東京芝2400mも合うタイプ。力勝負に持ち込んで上がりがかかれば勝機も見えてくる。

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