フェブラリーS
レース展望

ダートマイル王決定戦。過去10年で1番人気は[5-1-0-4]で現在5連勝中。勝った5頭はG1連対のある4〜5歳の関西牡馬。これに当てはまる1番人気は信頼度が高い。関東馬、6歳以上、初ダート、前走ダ1200mの馬は不振傾向。2番人気は[1-3-2-4]で3連対、3番人気は[0-2-0-8]で2連対。過去10年のうち9年で1、2番人気のどちらかが連対しており、00年以降7年の馬連は全て5番人気以内での決着。人気馬が堅実で馬連は10倍台までが7回と堅く収まることが多い。ダートのG1馬が揃うハイレベルな争いでダート重賞実績馬でないと通用しない。穴で人気の盲点になったダートG1実績馬に注意。

ブルーコンコルドは昨年、南部杯、JBCマイル、東京大賞典を勝ち、地方交流G1で3勝を挙げた。昨年の最優秀ダートホースはジャパンCダートを制したアロンダイトに決まったが、ブルーコンコルドが最優秀という声は多い。中央G1初制覇に向けてここは力の入る一戦。今回は坂路で50〜51秒台を4本とハードに乗り込んでいる。東京ダートは[1-0-0-6]でフェブラリーSは04年5着、06年4着。左回りは内にもたれる面があるが、昨年は左回りの南部杯とJBCマイルを制した。今なら東京コースをこなすか。フェブラリーSで7歳以上馬は99年以降連対がない。東京大賞典を4馬身差で圧勝した馬。底力でデータを打ち破るか。

シーキングザダイヤはダートG1[0-9-1-2]で東京ダートは全てG1で[0-4-0-0]。フェブラリーSは前2年2着と涙を呑んでいる。コース、距離、馬場、展開などに左右されないが、とにかくG1で勝てない。前走の東京大賞典は横山典騎手が勝ちに行ったが、早めの競馬をしたぶん最後に止まって3着に敗れた。今回は陣営が調子の面で強気ではないが、武豊騎手が騎乗した最終調教の動きは悪くなかった。ただ武豊騎手の体重が軽いということがあるのかもしれない。これまでG1で2着に踏ん張っていた馬が、昨年は南部杯で4着、東京大賞典で3着に崩れた。そこと調子をどう考えるか。

サンライズバッカスは昨年秋から武蔵野S2着、ジャパンCダート5着、平安S2着と重賞で善戦してきた。平安Sはメイショウトウコンに追い比べで負けたが、14キロ増と重めが残っていた。東京ダ1600mは武蔵野Sでカネヒキリを負かした得意コース。乗り難しい馬だが、2回騎乗したアンカツは手の内に入れている。アジュディミツオーは東京大賞典5着、川崎記念6馬身差の2着と前2走は迫力を欠いている。叩き3戦目で川島調教師がどこまで仕上げてくるか。昨年のかしわ記念(船橋ダ1600m)ではブルーコンコルドを完封している。昨年のフェブラリーSは出遅れて7着。最初の芝でスムーズにスピードに乗れるかが鍵になる。

シーキングザベストはダート[9-7-0-1]で連対率94.1%。距離は1400mがベストだが、1600mも守備範囲。昨年は武蔵野を制している。初G1挑戦でこれまでとはメンバーは違うが、自在性のあるレース巧者でスピードもある。乱ペースに巻き込まれるようなことがなければ善戦以上があるかもしれない。メイショウトウコンはダート[4-1-0-0]の上がり馬。平安Sはメンバー最速の35.1秒でサンライズバッカスとの叩き合いを制した。これまでダート5戦は全てメンバー最速という切れ者で直線の長い東京コースはいかにも合いそうタイプ。ただし芝で左回りは[0-0-1-6]。これまでと違う流れと左回りで末脚が鈍らなければ。

武蔵野SとジャパンCダート3着のフィールドルージュ、根岸Sを勝ったビッググラス、JBCマイルで2着があるメイショウバトラーあたりが人気面で続きそう。フィールドルージュはエンジンのかかりが遅いがいい脚を長く使えるので、展開が嵌るか、ルメール騎手のひと工夫があれば。平安Sは勝負どころでメイショウトウコンに被せられて仕掛けが遅れた。ビッググラスは心肺機能の高い馬で叩き合いに強いタイプ。前走のように流れに乗ってタイミング良く抜け出せれば。メイショウバトラーは陣営がペリエ騎手を確保したのが不気味。ペリエ騎手はフェブラリーS[2-3-1-2]で現在3年連続2着。7歳牝馬と馬鹿にしたら痛い目に逢いそうだ。

予想は能力、距離&コース適性、調子、馬場状態、展開などを含めて総合的に判断する必要がある。東京は土曜、日曜に雨が降りそうなので、特に馬場状態に注意したい。雨が降って脚抜きが良くなると適性の差が出て着順が大きく変わる。どういうダートが得意なのか、各馬の特性をきっちりと把握しておかないといけない。あとは今年の東京ダートの傾向を加味する必要がある。枠順にも注意。今年最初のG1レース。相馬眼的な評価を含め、最終決断を下したい。最後まで粘り強く予想した人に勝利の女神が微笑むはずだ。

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