高松宮記念
レース展望

春のスプリント王決定戦。過去10年の1番人気は[1-2-2-5]で3連対。前年のスプリンターズS勝ち馬に限定すると[0-1-1-3]で1連対のみ。中山と中京はコース形態が全く違う。1番人気に限らずスプリンターズS好走馬の過信は禁物。コース適性を見抜く必要がある。2番人気は[2-2-1-5]で4連対、3番人気は[3-2-0-5]で5連対。最近5年の連対馬10頭のうち9頭は4番人気以内で人気馬が結果を出す傾向。馬連は10倍以下は2回しかなく、30倍前後の中穴が多い。過去10年の連対馬の騎手は全てリーディング上位騎手。騎手の腕も加味したい。

今年の出走馬にスプリントG1馬は不在。G1勝ちがあるのは、03年のNHKマイルCを勝ったウインクリューガーと05年の桜花賞とNHKマイルCを勝ったラインクラフトの2頭しかいない。どちらも3歳限定G1。2着まで広げると03年桜花賞2着のシーイズトウショウ、05年高松宮記念2着のキーンランドスワンの2頭。デュランダル、アドマイヤマックス、カルストンライトオのG1馬が引退してスプリント路線は混戦模様。昨年からスプリント重賞で2勝を挙げた馬はいない。高松宮記念はG1だが、今年は実質G2レベルのメンバーではないか。勝つチャンスはどの馬にもありそうだ。3連単は超大穴が飛び出すかもしれない。

ラインクラフトは2週後の阪神牝馬Sと出走を迷っていたが、最終調教の動きを見て陣営は出走を決断した。昨年のマイルCSは古馬牡馬の一線級と戦って0.2秒差の3着。今回のメンバーなら能力は十分に通用する。スプリント戦は初めてだが、スピードがあるので無様なレースはしないだろう。流れに乗って最後にひと伸びできれば栄冠を手にできる。瀬戸口調教師は週中に「放牧先での乗り込みが少し足りない気がする」とコメント。これは一体何を意味するのだろう。放牧先のグリーンウッドで何があったのか。そこが少し気になる。

シンボリグランは中京芝1200mのCBC賞で初重賞制覇。ファルコンS3着の実績もある。芝1200mは[2-1-2-0]で全て3着以内を確保。オーシャンSは3着に敗れたが、致命的な出遅れがあったし、最も重い58キロを背負っていた。最内を突いたとはいえ、上がり3Fはメンバー最速の34.2秒。休み明けで馬体の輪郭ははっきりしていなかったが、凄い切れ味だった。本番前のレースとしては上々の内容。3走前のオーロCではスピードの絶対値の違いを見せつけてインパクトのある勝ち方をした馬。鞍上はデムーロ騎手。渾身の騎乗が見られそうだ。

マルカキセキはスプリンターズSで自分から動いてサイレントウィットネスを負かしに行き、0.3秒差の4着に善戦した。前3走は人気で不振に終わっているが、いずれも明らかな敗因がある。中京芝1200mは4戦して5着が最高だが、上がり3Fはメンバー最速が3回、2位が1回と切れる脚を使っている。昨年の小倉で強い勝ち方をしたように平坦コースは得意。陣営は前走馬体が大きく減ったことを気にして弱気なコメントをしているが、冬場に馬体が絞れずに苦慮していたのは一体何だったのか。陣営は中京が得意な吉田稔騎手を確保した。

スプリント重賞3勝のシーイズトウショウ、シルクロードSを勝ったタマモホットプレイ、オーシャンSを勝ったネイティヴハート、同2着コパノフウジン、同3着マイネルアルビオン、CBC賞3着があるリミットレシビッド、昨年の2着馬キーンランドスワンなど、伏兵を挙げたらきりがない。芝1200mは初めてだが、プリサイスマシーンとオレハマッテルゼにも注意は必要だろう。プリサイスマシーンは中日新聞杯2勝と中京コースと相性が良く、G1で善戦してきた実績からここでも格負けしない。鞍上は岩田騎手。オレハマッテルゼは前半5F56.6秒のハイペースになった京王杯SCで2着した実績が光る。左回りは[4-4-2-2]と得意にしている。

ここに名前を挙げなかった馬にも展開や馬場次第でチャンスがある。それくらい今年は混戦という見立て。スプリントG1で好走するにはスピードの絶対値の高さと底力が必要。実質はG2レベルのメンバーかもしれないが、多頭数で抜け出すにはそれ相応の実力が問われる。シンボリグランがオーロCでスピードの絶対値の違いを見せつけたが、他にもスピードの絶対値が高い馬がいる。各馬の末脚の威力と展開を加味すると穴馬が浮かび上がってくる。最終調教はいつも一杯に追うギャラントアローの軽めは何を意味するのか。

2006/03/23

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