日経新春杯
レース展望

年明け最初のG2競走。94年に別定戦からハンデ戦に変更され、人気薄の連対が増え波乱が多くなった。過去10年で1番人気は[3-1-1-5]で4連対。1番人気の斤量別では55キロ以下[2-0-0-0]、56、57キロ[0-0-1-3]、57.5キロ以上[1-1-0-1]で56、57キロの馬は不振。斤量の軽い上がり馬、実績のある重ハンデ馬以外は不振に終わることが多い。トップハンデは[4-1-0-11]で連対した5頭のうち4頭が57.5キロ以上の馬だった。53キロ以下の軽量馬は[1-2-7-38]で3着が多い。

馬連は10倍以下は1回しかなく、30〜60倍台の中穴が5回と多い。ここ2年はマーブルチーフが8、7番人気で2着し、馬連43.5倍、62.4倍と穴をあけている。馬連は3番人気以内での決着は99年の1回しかなく、本命狙いは妙味がない。京都外回りの長丁場でスローの瞬発力勝負になることが多く、過去10年の勝ち馬10頭のうち9頭が上がり3Fメンバー最速。早い上がりに対応できる馬でないと通用しにくい。京都で切れる脚を使って好走した経験のある馬に注意。

人気になるのはインティライミ、エルノヴァ、アドマイヤフジの3頭。インティライミは爪を痛めてダービー以来の出走。ダービーではディープを負かすならこれしかないという競馬をしたが、直線で外から一気に差されて5馬身差の2着に敗れた。それでも3着のシックスセンスとは2馬身半差。例年ならこんな競馬をしなくても外から差してダービー馬になっていたかもしれない。最後方から捲って勝った京都新聞杯はインパクトがあった。休み明けで仕上がりが鍵だが、能力的にこのメンバーなら勝ち負けになる。コンマ5キロ設定はハンデキャッパーの微妙なサジ加減。まずは無事に好発進を期待したい。

エルノヴァはステイヤーズSで内から鋭く伸びてデルタブルースとアタマ差の2着に入った。相手なりに堅実に走るタイプで牡馬を相手に結果を出している。前走がこれまでの最高体重だったので、当日大きく増えていないことが条件。今回は長距離輸送があるが、最近の藤沢和厩舎はゼンノロブロイ、キングストレイルなど馬体増が多い。今回は武豊騎手が初めて騎乗する。前走は最後までまじめに走ったが、叩き合いになると馬が気を抜いて止めようとするので、そのあたりを武豊騎手がどう対策してくるか。京都外回りコースは一昨年のエリザベス女王杯で3着がある。

アドマイヤフシは皐月賞5着、ダービー4着、菊花賞6着とクラシックで善戦した。春は賞金不足で余計なレースを使ったことが響いた感もあるが、自在性がなく終い一辺倒の競馬では仕方なしか。菊花賞はスローの上がり勝負では分が悪いと分かっていながらディープの邪魔をしないように後ろでじっと動かなかったことが影響したのだろう。続く古都S(1600万条件)はトップハンデ57.5キロを背負って最内から差し切った。京都外回りの下り坂は苦手だが、そこで勝ったことは評価できる。今回はインティライミとは1.5キロ差の55キロ。冬場の方がいいような感もある。

あとは2年連続2着で穴をあけているマーブルチーフ、岩田康騎手が騎乗するのが魅力のスウィフトカレント、3走前に京都芝2400mの比叡Sを勝っているトウカイトリック、昨年の3着馬で1000万条件2連勝中のストラタジェム、鳴尾記念3着のキョウワスプレンダあたりが続きそう。マーブルチーフはAR共和国杯で2着したが、ここ2年より1キロ重い55キロに止まった。京阪杯で大敗したし、陣営の思惑通りか。京都の芝コースは今週もAコース。昨年11月が8日間ともBコースで行われたことで先週は馬場のいい内を通った馬の好走が目立った。週末は天気が崩れそうなので馬場状態に注意したい。

2006/01/12
競馬アナリストGM

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