神戸新聞杯
レース展望

菊花賞トライアルで3着まで優先出走権が与えられる。00年に京都新聞杯が春に移動し、菊花賞の最終トライアルとなった。過去10年で1番人気は[4-2-2-2]で連対率60%。00年以降は[3-1-1-0]でエアシャカールが3着に敗れた以外は連対を確保している。昨年はダービー馬キングカメハメハが力の違いを見せつけた。00年以降、馬連は10倍以下が3回、10倍台が2回と波乱はない。最終トライアルになりメンバーのレベルが高くなったため、人気になった実績馬が結果を出す傾向が強まっている。

人気になるのはディープインパクト、かなり離れてストーミーカフェ、シックスセンス、アドマイヤジャパン、ローゼンクロイツあたり。ディープインパクトはダービーを名前通りレースぶりで5馬身差で楽勝。一頭だけ次元の違う末脚で最後まで勢いは衰えなかった。上がり3Fはメンバー最速の33.4秒。この極限の上がりを楽々と繰り出すのだから凄い。ダービの時点でパフォーマンスは既に世界レベル。世界的名馬になる可能性を秘めている。夏を無事に過ごし、栗東に帰厩後も順調にきた。無敗の3冠を目指す陣営にトライアルという甘えはない。おそらく単勝は1.0倍。能力は断然だが、果たして死角はないのだろうか。

ストーミーカフェは無事なら皐月賞でディープインパクトに真っ向勝負を挑むはずだった。仕切り直しの一戦だが、骨折明けのハンデはやはり気になる。相馬眼的に評価できる馬で心肺機能も高いが、今回はどこまで仕上がってくるか。鞍上はシックスセンスの主戦・四位騎手。ディープの強さはよく知っている。シックスセンスは上村騎手に乗り替わる。厳しいレースになると力を発揮するタイプで、春はG1で好走した。阪神芝2000mのたんぱ杯と若葉Sはともに4着。ディープが強い競馬をすれば皐月賞のように突っ込んでくるか。休み明けはイレ込むのでパドックに注意。

アドマイヤジャパンは弥生賞でディープにタイム差なしまで迫った馬。皐月賞は3着に善戦したが、ダービーは10着に敗れた。直前に坂路でしかやれなかったように体調面に何かあったのだろう。今回はリフレッシュされてその点はクリアできるはず。秋を迎えて馬はどこまで完成されてくるか。横山典騎手は対ディープでどういう乗り方をするのだろう。ローゼンクロイツは皐月賞9着、ダービー8着とG1ではひと息だったが、阪神芝2000mはたんぱ杯2着、毎日杯1着の実績がある。ローズバドの全弟。秋を迎えて本格化してくるか。鞍上は阪神芝2000mの鬼・アンカツ。4コーナーでのコース取りが上手い。

あとは2戦2勝のマチカネキララ、プリンシパルSを勝ったエイシンニーザン、天の川Sで2着したトウカイトリックが続きそう。マチカネキララはセントライト記念を回避。セントライト記念は藤沢和厩舎の2頭が1、3着で菊花賞の権利を獲ったのだから厩舎的には正解だったのだろう。ただそれよりマチカネキララのこの1週間の良化度が半端じゃない。1週待てばもっと良くなるとコメントしていた藤沢和調教師の采配が見事に当たった感。キャリア2戦で春の実績馬相手は楽ではないが、どんな競馬を見せてくれるのだろう。母ケイウーマンは3歳秋に武豊騎手が騎乗してセントウルS、サファイアS、ローズSでともに2着と重賞で好走した。母の父はラストタイクーン。阪神で激走する血が騒ぐかもしれない。鞍上は先週の中山メインを連勝した北村騎手。今勢いに乗っている。

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