函館記念
レース展望

荒れるハンデ戦として知られる函館記念。ハンデ戦で行われた過去8年のうち5年が馬連万馬券。最近3年は万馬券にはならかったが、馬連36.1倍、馬連87.5倍、馬連9.5倍と堅く収まったのは昨年のみ。97年から5年間連続で万馬券が出たことで最近は万馬券を狙う人が増え、オッズが異常になっている。いくら荒れるといっても闇雲に万馬券を狙うことだけは避けたい。オッズに惑わされて自分のスタイルを崩してはいけない。

過去10年で1番人気は[1-1-1-7]で2連対。連対したのはG2-2勝のエアエミネムとG1-2勝のファインモーション。G3クラスの馬は不振に終わっている。前走負けた馬が巻き返すのがパターンで、前走1着馬は[2-1-5-23]、2着馬は[1-0-1-11]と前走好走した馬は不振傾向。特に巴賞で連対を外した馬が巻き返すケースが目立つ。過去8年のトップハンデは[2-0-0-6]で2連対のみ。トップハンデが今年のように57キロ以下の年は2回あるが、どちらも馬連万馬券だった。

人気になるのはエアセレソン、ウイングランツ、グランリーオ、ワイルドスナイパーあたり。エアセレソンは新潟大賞典で重賞初制覇。前走の巴賞は不良馬場で伸びを欠いて4着に敗れたが、馬体が8キロ増えていたことが影響した印象。巴賞で目一杯の競馬をすると中1週の函館記念では不振に終わる。陣営の目標は最初から函館記念。今回は仕上げてくる。ハンデは新潟大賞典のときより1.5キロ重い56.5キロ。G2実績はないが、このメンバーなら何とかするか。鞍上は先週イマイチだった藤田騎手。

ウイングランツは3走前のダイヤモンドSで初重賞制覇。前走の目黒記念では直線で猛然と伸びてオペラシチーとクビ差の2着に入った。直線の長い東京コースの長丁場がベストだが、函館芝2000mは[1-1-0-1]で2連対。時計の掛かる函館なら2000mもこなすが、時計の早い決着になったときに少し不安がある。今年重賞実績を積み上げてきたが、ハンデはまだ55キロ。前走4コーナーで外に膨れた松岡騎手が今回はどう捌いてくるか。藤田騎手を完全マークしてくるようなら面白い。

グランリーオは昨年ノドの手術をしてから本格化。巴賞は直線で失速し7着に敗れたが、馬体が10キロ増えていたように余裕残しの仕上げだった。今回は[0-0-0-4]と実績のない2000m。東京芝1800mをこなせば、ローカルの2000mは何とかなるか。ワイルドスナイパーは函館芝[3-3-1-0]の函館巧者。唯一連対を外したのは昨年の函館記念で、勝ったクラフトワークとは0.2秒差だった。ハンデは昨年と同じ53キロ。一戦ごとの馬体減が少し気になるが、昨年の上位2頭がいないメンバーなら。

あとは巴賞2着で横山典騎手を乗せてきたブルートルネード、格上挑戦の巴賞を勝ったエリモハリアー、巴賞3着で芝に目処を立てたマチカネメニモミヨが続きそう。巴賞で連対した馬は過去10年連対がなく不振だが、99年のゴールドサンデー以降、巴賞の勝ち馬が出走していないのも事実。データにこだわるなら軽視だが、今年は果たしてどうだろう。そのあたりがひとつのポイントになりそうだ。函館は今週もBコース。函館コースの適性はもちろん馬場状態に対しての適性も考慮したい。

[Home]