宝塚記念
有力馬診断

[8 ]ゼンノロブロイ
かなり乗り込まれて太め感なく仕上がっている。昨年の有馬記念前は激戦続きでかなりセーブした内容だったが、そのときより今回の方が攻めた内容でしかも動き、気配とも良くなっている。力を出せる仕上がりとみる。03年に同じステップで臨んだシンボリクリスエスは5着に敗れたが、当時は4歳(キャリア11戦)で関西への輸送は2回目だった。ロブロイは4歳(キャリア10戦)の昨年は4着に敗れた。今年は5歳(キャリア15戦)で関西への輸送は7回目。クリスエスは4歳で引退したが、現役を続行していれば昨年の宝塚記念はどうだったのだろう。ロブロイは昨秋に本格化してG1を3連勝。過去10年休み明けで連対した馬はいないが、クリスエスで経験した藤沢和厩舎なら克服できるとみる。今回は手探りの調整ではない。ロブロイは昨年の有馬記念でタップに真っ向勝負を挑んで負かした。タップが海外遠征後で絶好調ではなかったが、ロブロイもG1連戦のストレスがあった。ロブロイはまだ5歳馬でのびしろがある。前を見ながら進められる自在性があることも強調材料。4コーナーでタップを射程圏に入れられれば有馬記念の再現は十分。黒鹿毛で暑さが少し心配だが、テンションが高かったクリスエスとは違い無駄なところで力を使わない。パドックを見るのが楽しみ。

[8 ]タップダンスシチー
昨年の同様のステップで金鯱賞を使われて、陣営の思惑通り調子を上げている。叩き2戦目は[3-2-0-0]で連対率100%。JCと宝塚記念を勝ったのも叩き2戦目だった。馬体は4、5歳馬と比べれば若くはないが、昨年と比較して馬体の張りは落ちていないし、金鯱賞のレースを見ても衰えはなさそう。馬が競馬を覚えて自在性が出てきたのも強調材料。馬体の大きな増減、イレ込み&発汗、出遅れなどがなく、昨年くらい走れれば勝ち負けだろう。気になるのはコスモバルクとビッグゴールドの存在。昨年は逃げたローエングリンを子供扱いしたが、今年も同じように軽くあしらえるのだろうか。外枠を引いたので2頭の出方を見ながら行けるのはいいが、タップがハナを切った後にバルクが掛かって競い合いになったり、ビッグゴールドが執拗にマークしてくるようなことも考えられる。今のタップなら跳ね返すかもしれないが、前に行く馬は道中ストレスがかかると意外にモロいもの。土曜の競馬を見ると前が残りやすいし、前に行くタップが抜けた1番人気(昨年の宝塚記念は3.5倍で1番人気、ロブロイが3.9倍で2番人気)なので、各騎手の意識は自然と前に行く。ステップや仕上がりを加味してこの評価にしたが、変な競馬になって負けるケースも考えられる。

[7 ]ハーツクライ
最終調教は今年(この馬自身)の最高タイムをマーク。攻め駆けするタイプだが、これだけやれるのはよほど調子がいいのだろう。昨秋はダービーで激走した反動で馬体がガレていたが、今年は馬体が戻り徐々に実が詰まってきている。叩き3戦目でそろそろ激走がありそうだ。直線の長い東京と京都外回りがベストとみていたが、京都外回りは3、4コーナーの下りでバランスを崩すのであまり良くないようだ。阪神は若葉S1着、神戸新聞杯3着、大阪杯2着と全て好走している。3コーナーからの下りがなだらかで直線の最後に坂があるのがいいのだろう。今回はそのあたりの認識を改めた。現時点でタップとロブロイに真っ向勝負を挑んで勝つまでの底力はなさそうなので、互角以上に戦うには展開の助けが必要。タップにバルクとビッグが絡んで、さらにロブロイが早めにタップを負かしに行けば展開が嵌りそう。今の馬場に走法がマッチする点も強調材料。G1で決め打ちをする横山典騎手。一発ないものか。

[7 ]スイープトウショウ
最終調教は坂路で一杯に追われて前走と同じような走り。馬体はキープできているし、前走のデキはありそうだ。安田記念2着は正直なところ驚かされた。直線に向いてテレグノシスが早めに外から来たので、仕掛けて行かざるを得なかったが、もう少しためていれば差し切れただろう。牝馬は牡馬の一線級とやると怯んだりするものだが、そういう点を全く見せなかった。初の牡馬混合G1で2着したのだから素直に評価したい。ここまで12戦して全て掲示板を確保し、上がり3Fはメンバー最速が8回、メンバー2位が4回。終いの切れ味はデュランダルに迫るものがある。今回は距離が2200mになるが、2000mの秋華賞を1分58秒4で勝っているし、2200mのエリザベス女王杯ではメンバー最速の33.2秒で上がって5着に入った。後方でためれば距離はこなせるとみる。4コーナーで馬群が圧縮される展開になれば後方からでも届く。展開次第のところはあるが、今の馬場に走法はマッチするので狙ってみたい。

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