宝塚記念
レース展望(3)

ロブロイとタップ以外は実力は拮抗しており、人気はかなり割れそうだ。古馬混合G1実績ではシルクフェイマス。昨年の宝塚記念は4コーナーで抜群の手応えでタップを射程圏に入れ、四位騎手は後ろを振り返る余裕があったが、直線で差を詰められずに2馬身差の2着に敗れた。当日は馬体が12キロ減り、パドックでは発汗が目立っていた。暑さに弱い馬で夏負けの兆候が出ていたのだろう。前走から調教での走り過ぎを防ぐため、坂路で調整し上手くセーブできている。前走の金鯱賞は59キロのタップに完敗。昨年以上の仕上がりが求められる。

コスモバルクは昨年皐月賞とJCで2着した。JCはロブロイに完敗だったが、直線でポリシーメイカーを差し返す勝負根性を見せた。折り合えばしぶとい脚を使える。日経賞は途中で掛かって自滅し6着、チャンピオンズマイルは出遅れて強引に上がって行き10着に惨敗した。岡田氏の指示に従わなければ次がない。鞍上は相当なプレシャーだろう。今回も作戦を公開したが、ガチガチの指示を出すのだろうか。バルクは小細工できるタイプではないのだが・・・。昨年のセントライト記念は2分10秒1でレコード勝ち。今回の条件は悪くない。阪神の馬場設定に注目。

ビッグゴールドは03年と04年は大不振に陥ったが、昨秋に右前の球節炎で休養すると今年になって一変した。大阪-ハンブルクCでは逃げてラスト5Fを58.6秒でまとめてスズカマンボを完封。前走の春天では2番手から直線で後続を突き放しあわやのシーンを作った。4コーナーで一瞬のうちにシルクを抜き去ったときはある意味インパクトがあった。春天でのあの手応え。タップ陣営は気になるはずだ。今回は中7週でG1というこれまでになかったVIP待遇で馬は元気一杯。和田騎手はタップを負かすために何かをしてくるはずだ。ポイントは内ラチか。

トウショウナイトは京都記念2着、日経賞2着、春天4着と重賞で好走。春天は出遅れて後方を進んだが、メンバー最速の34.1秒で4着まで追い上げた。心肺機能の高い馬で消耗戦に強いタイプ。持ち時計がないので、時計の掛かる馬場が理想。最後まで諦めない勝負根性は魅力。リンカーンは昨年の3着馬。春天は流れに乗れずに位置取りが悪くなり、最後に追い込んできたが6着に敗れた。今回は有馬記念2着と宝塚記念3着がある叩き3戦目。今年G1を4勝している福永騎手がどんな手綱捌きを見せるか。

サンライズペガサスは屈腱炎を克服して大阪杯を優勝。前走の春天は見せ場がなかったが、今回は[4-1-0-0]で連対率100%の阪神コースに替わる。02年の大阪杯1着と秋天3着のパフォーマンスを求めるのは酷かもしれないが、G1を勝つとすれば阪神のここか。鞍上は松永騎手。ハーツクライはダービー激走の反動が癒えてきたようでここ2走はレースぶりが良くなった。母アイリッシュダンスは新潟記念を勝つなど夏場に活躍した。この時期は合うかもしれない。鞍上は横山典騎手。イメージは03年の宝塚記念で追い込んで2着したツルマルボーイか。

スイープトウショウは安田記念で香港の怪物サイレントウィットネスを差して2着。牡馬相手に全く怯まなかった点は強調できる。昨年のエ女王杯はメンバー最速の33.2秒で上がったが、前残りの展開で5着。距離はこなすので、末脚が生かせる展開になれば。アドマイヤグルーヴは太め残りで近走不振だが、今回は馬体が絞れてきそう。少しガレて見えるくらいのときに走るので当日の馬体重とパドック気配に注目したい。スティルインラブは休み明けの前走イレ込まなかったし、レースで前向きさを見せた。復調してきているので、あとは力関係か。

阪神は先週から開幕したが、JRA発表の芝丈は洋芝14〜18cm、野芝6〜10cmで、昨年の洋芝10〜14cm、野芝7〜10cmより洋芝が長かった。見た目も芝丈が長く、昨年より時計が掛かっていた。昨年の2週目は1週目と同じだったが、今週はどんな設定にしてくるのだろう。芝を刈り込むと時計が早くなり先週とイメージが変わるので、まずは土曜の競馬でよくチェックしたい。各馬の走法と馬場とのマッチングを重視する必要がある。G1は狙って獲るもの。宝塚記念を目標に仕上げてきた底力のある馬を狙いたい。

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