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フェブラリーS
レース回顧

メイショウボーラーはハイペースで後続を引き離して逃げるとラスト2Fを12.3-12.7秒でまとめてそのまま逃げ切った。雨で脚抜きが良く、前に行った馬が残りやすい馬場状態。しかも同型ユートピアの出遅れ。ハイペースとはいえ、単騎で行けたのがかなり有利に働いた印象。ただしユートピアとアドマイヤドンが出遅れて力を出せなかったのに対し、メイショウボーラーと福永騎手は好スタートを切って自分の競馬に持ち込んだ。このコンビを褒めるべきだろう。パドックでは一時期より気合を見せなくなったが、引き続き馬体&気配は目立っていた。これでダートは無傷の3連勝でG1制覇。秋にはブリーダーズCマイル(米G1)に挑戦するプランがあるようだ。その前に同厩のアグネスデジタルが成し遂げた芝ダート両G1制覇に挑む。スピードの絶対値は高く、スプリント能力は十分。今の調子をキープできれば、高松宮記念でもかなりやれそうだ。プレシャスカフェとの対決が楽しみ。

シーキングザダイヤは3番手からしぶとく伸びて2着を確保。直線ではヒシアトラスとの壮絶な叩き合いになったが、持ち前の粘り強さを発揮して何とか凌ぎ切った。好スタートを切って前に行けたことが有利に働いた感が強いが、中央のダート初挑戦、それもG1で2着は立派。フェブラリーSと相性のいいペリエ騎手も上手く乗っている。連対した2頭はどちらも芝マイル重賞勝ち馬。こういう馬場で芝をこなすスピードが問われたのだろう。シーキングザダイヤはまだ馬体が良くなる余地があるので、これから力をつけてきそうだ。川崎記念で距離の目処を立てているのも心強い。

ヒシアトラスはシーキングザダイヤとの競り合いに負けて3着。これまで1800mを中心に使われた馬で流れに乗れるかどうかが課題だったが、好スタートを切り5番手につけた。スピード競馬に対応して最後まで伸びてきたあたり、やはり力をつけてきているのだろう。以前のヒシアトラスでは考えられないレースぶりだった。このレースに向けて月1回ずつ使われ、最終調教では絶好の動き。オープン特別を使いながら力をつけてG1で通用するところまで持ってきた中野隆調教師はさすがだ。相馬眼的な裏づけがあるので能力は確かだろう。距離は伸びても問題なので、当然秋はJCダートが目標になる。

タイムパラドックスは後方から差してきたが4着止まり。最後の直線で前の馬が寄れたことで手綱を引くロスがあったのが痛かった。あれがなければ馬券圏内に突入していたかもしれない。ただ差し馬だけに前が詰まるリスクはあるし、それを承知で内を突いたのだから仕方ないところもある。パドックではいつもより脚捌きに硬さがなく、馬体の張りが目立っていた。休みなく使われているが、それにしてもタフな馬。昨年の8月から1着と負けを交互に繰り返しているので次は勝つ番か。

アドマイヤドンはスタートで致命的な出遅れ。最後は追い込んできたが5着が精一杯だった。内枠を引いた時点で連対を外すとすれば今回とみていたが、それが現実のものとなった。ただし、あれだけ出遅れて勝ったメイショウボーラーと0.6秒差。まともにスタートを切っていたらどうだったのだろう。最後の直線で物凄い伸び脚を見せたのは王者の意地。最近はパドックでギラギラとした気合を見せなくなったように馬の気力が衰えてきているのかもしれない。今後は芝路線を進み、次走は大阪杯になる予定。

ユートピアは出遅れて後方を進んだが、直線で全く伸びずにシンガリ負けを喫した。1馬身ほどの出遅れだったが、外の馬が内に切れ込んできたことで行き場を失っていた。スピード勝負であれだけ外を回ったら苦しくなって当然。最後は横山典騎手は諦めて追うのを止めていた。メイショウボーラーに鈴をつけに行く馬の出遅れ。アドマイヤドンもそうだが、ファンが見たいのは力と力のぶつかり合い。そういう意味も含めて2頭の出遅れは非常に残念。

2005/02/22
競馬アナリストGM

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