ステイヤーズS
レース回顧

ダイタクバートラムは最後方を進み、2周目の3コーナーから大外を一気に捲くるとあとは一人舞台。メンバー最速の33.9秒の切れ味で2着に3馬身差をつけて圧勝した。別定の57キロで能力の違いを見せつけた印象。叩き3戦目で仕上がりも良かった。3000m以上のレースは昨年の天皇賞(春)以来だったが、やはり長距離適性は相当なものがある。馬体の作りはいかにも長距離向き。坂路で時計が出ないのは長距離馬に多く見られること。来年は天皇賞(春)に再チャレンジだろう。次走は有馬記念。今年のメンバーなら見せ場以上があるかもしれない。

グラスポジションは後方から追い込んで2着を確保。4コーナーで外に振られる不利があったが、最後凄い脚で伸びてきた。この馬も叩き3戦目。前走は調教をやり過ぎたようだが、馬は走りに前向き過ぎるところがあるので少しセーブするくらいの方が良さそうだ。父はリアルシャダイ。初の3000m以上のレースだったが、スタミナのあるところを見せた。脚質的に東京コースの方が合うので、ダイヤモンドSに出走してくれば面白そうだ。

テイエムジェネラスは好位からしぶとく伸びて3着に粘った。昨年のステイヤーズSは見せ場なく7着に敗れたが、1000万条件を勝ち充実期を迎えた今年は善戦した。ただ4コーナーで後続に大きな不利があったことが見方したのも事実。重賞で連対するには馬場が渋るなどのアドバンテージが欲しい。まだ1000万条件に出走できるが、徐々に気配が落ちてきているので次走は自己条件でも過信禁物。

チャクラは後方から少し追い上げただけで9着に敗れた。昨年の覇者で距離&コースの適性は証明済みだが、4コーナーで不利があったとはいえ、まだ調子は戻り切っていないようだ。ただパドックではここ2走よりは良化が見られた。馬体が増えたのも好材料で、もう少し張りと毛づやが良くなれば復活がありそうだ。

メイショウカチドキは後方を進んだが、直線で内にもたれて全く競馬にならず11着惨敗。前走16キロ減った馬体がさらに6キロ減。極端に細いという感じはなかったが、北海道当時のボリューム感は薄れていた。前走の内容からもっとやれていい馬だが、体調が伴っていなかった。まだ体質が弱く、滞在競馬の方がいいタイプ。来年の北海道のオープン特別あたりが狙い目か。馬体が回復すれば春に使いそうだが、いずれにしても輸送競馬では馬体減に注意したい。

[Home]