エルムS
レース展望

夏場唯一のダート重賞。例年だといかにも夏のローカル重賞という感じだが、昨年はG1馬アドマイヤドンが9馬身差で圧勝。このレースを足掛りに南部杯、JBCクラシックを制し、ジャパンCダートでハナ差の2着に入った。今年は現在ダート6連勝中のウインデュエルが出走する。ダート重賞は初挑戦だが、今の勢いなら楽に突破か。対するは重賞3勝のタイムパラドックス。ダート王アドマイヤドンと同厩で陣営としてはウインデュエルに負かしたいところだろう。岡部騎手(55歳)とアンカツ(44歳)の熱い戦い。名手の手綱捌きに注目したい。

ウインデュエルはダート6連勝で一気にオープンに昇り詰めた。6連勝で2着につけた着差は何と25馬身。目一杯走らないでこの着差をつけるのだから能力が違うのだろう。函館ダ1700mの未勝利戦で1.9秒の大差勝ちをしたように元々ダートの適性は見せていた。全兄にキングオブサンデー、ウインマーベラス、ロイヤルキャンサーがいて、しなやかでバランスのいい馬体はいかにも芝向き。陣営が芝路線にこだわったのも当然だろう。

ただし芝で決め手不足を露呈したことでダート路線に戻ってきた。それでこの連勝。まだ芝の望みは捨てていないが、現状はダートでどこまで行けるのかぜひとも見せてもらいたい。今回はダートでの初重賞挑戦になるが、前走のマリーンSの勝ちタイム1分43秒5から時計の裏づけは十分。格上のタイムパラドックスより器用さがあるし、相手が58キロなら十分やれそうだ。岡部騎手は、シンボリルドルフMがあった先週は[2-2-2-8]で人気馬をきっちり上位に持ってきていた。復帰後、初の重賞制覇なるか楽しみ。

タイムパラドックスは今年、平安S、アンタレスS、ブリーダーズGCと重賞3勝。昨年は差す競馬で展開や馬場に左右されることが多かったが、今年の平安Sで好位から抜け出して勝った当たりから自在性が出て崩れなくなった。長い距離をこなすようになったし、底力が充填されてきたのだろう。ダート1700mは中京の1000万条件で2戦2勝。良馬場でも走れるが、馬場が渋ると強烈な決め手を発揮するタイプ。58キロは楽ではないが、アンカツがウインデュエルをどうやって負かしに来るか。

ウインデュエルとタイムパラドックスにかなり人気が被るので、どちらかが崩れれば馬連でもまずまずの配当になりそう。アドマイヤドンが勝った昨年は2番人気イーグルカフェ、3番人気トシザボスが崩れて、2着に6番人気、3着に7番人気が入り、馬連28.1倍、3連複124.2倍ついた。今年は3連単があるので、例え人気馬同士でもそれなりの配当が見込めそう。3連単が買えない方はどう買えばいいのかをシミュレーションしておけば全国発売のときに役立つはず。

話を本題に戻すが、2頭に割って入れる馬がいるのかどうかというのが今回の焦点。ユニコーンSを勝ったトップオブワールド、同3着のパーソナルラッシュ、1000万条件を3連勝したマルブツトップ、前走カラ馬に絡まれる不利があったブラックパワーあたりが候補だろう。最終調教の動きと気配からどの馬が狙えるのかを詰めていきたいところ。展開も大きな鍵を握りそうだ。今週も相馬眼を最大限に生かした予想をお届けしたい。

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