クイーンS
レース展望

夏の牝馬重賞クイーンS。古馬に開放されて今年で5年目になる。過去4年で目立つのは逃げ馬と3歳馬。トゥザヴィクトリー、ヤマカツスズラン、オースミハルカの3頭が逃げて切っている。昨年はオースミハルカがスローで逃げてファインモーションの追撃を凌ぎ切った。平坦小回りコースで直線が短く、しかも馬場のいい開幕週。逃げ馬が好走する下地は十分にある。過去4年の連対馬8頭全てが4コーナーで5番手以内につけていた。差し馬でも4コーナーで前に取りつけないと苦しい。

3歳馬は[1-1-2-5]で2連対だが、2頭以上が出走するようになった01年以降は最低1頭が3着以内に入っている。とにかく52キロで出走できるのが大きい。昨年はテイエムオーシャンが59キロ、ファインモーションが58キロに対し、勝った3歳馬オースミハルカは52キロ。今年最も背負うのはオースミコスモで57キロ。昨年ほどでないにしても3歳馬とは5キロ差ある。あとは人気面をみると1番人気は[2-2-0-0]で連対率100%。相手に4〜7番人気が来て中穴になるのが例年のパターンだ。

今年の1番人気は牝馬重賞で活躍しているオースミコスモかチアズメセージか。オースミコスモはひと息入れた後の北九州記念で牡馬相手に56キロを背負って0.4秒差の4着。小倉コース得意な牝馬メイショウバトラーに先着を許したが、久々を考えれば内容は悪くなかった。最近は馬体減りがなくなり思うように調整ができているし、体重は変わらないが全体的にパワーアップした印象。斤量は不利だが、福島牝馬Sで57キロを背負って勝っている。前走より調子を上げているようなら狙えそうだ。

チアズメッセージは都大路S1着、愛知杯2着、マーメイドS2着とかなり堅実。札幌は初コースだが、前に行ってしぶとさを発揮するタイプなので脚質的に合いそう。ここ2戦2000mをこなしたように1800mも守備範囲。状態さえまともなら今回も堅実に走りそうだ。ただし昨年11月から休みなく使われているし、長距離輸送をすると馬体が減るタイプ。昨年12月の中山・ターコイズSは12キロ減だった。今回は既に函館入りして調整されているが、札幌への輸送がある。最終調教で馬体、気配を特にチェックしたい一頭。

3歳馬はヤマニンシュクルとウイングレットが参戦。ヤマニンシュクルはこれまで8戦して[3-1-3-1]と堅実に走るタイプ。札幌芝1800mはコスモス賞1着、札幌2歳S3着があり、コースを経験しているのは強み。最近は後方から終いを生かす競馬をしているが、開幕週の馬場を考えるとその点が少し気になる。このあたりを四位騎手がどう対策してくるか。ウイングレットは芝1800mのスイートピーSを好タイムで勝っている。先行力があるので開幕週の馬場は向きそうだ。2頭ともオークス以来だが、この2ヶ月でどこまで成長しているか。最終調教で馬体を確認して相馬眼的に狙えるかどうか判断したい。

あとは昨年逃げ切ったオースミハルカ、マーメイドS4着のマイネヌーヴェル、1000万条件で牡馬相手に揉まれてきたエルノヴァなど、狙って面白そうな馬が多い。春から使われてきた馬はそろそろ疲れが出る時期。3歳馬はこの時期に一気に成長する馬が多い。夏競馬の基本だが、とにかく状態面の見極めが第一。昨年はあのファインモーションが2着に敗れた。今週も相馬眼を最大限に生かした予想をお届けしたい。

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