ラジオたんぱ賞
レース回顧

ケイアイガードは離れた4番手追走から4コーナーで前を射程圏に入れると直線で鋭く伸びてレースを制した。最後はカンパニーに内からクビ差まで迫られたが、余力十分で着差以上に強い内容だった。スタートで寄れてムーンシャインに迷惑をかけたのはいただけないが、秋の重賞戦線に向けて目処を立てた感。パドックでは暑さで少し馬がダレていたが、馬体は目立っていた。相馬眼的にも高評価できる馬だけに能力は確かだろう。自在性があるのは大きな強みになる。今後は春のクラシックで好走した馬を相手にどこまでやれるのか楽しみだ。松永騎手は福島で初重賞制覇。小倉で勝てば全場重賞制覇となる。

カンパニーは中団から徐々に進出して直線で先に抜け出したケイアイガードに迫ったがクビ差の惜しい2着。4コーナーで内に押し込められたことで直線で前が詰まり、最後は立て直すロスがあった。もっとスムーズならケイアイガードを苦しめていただろう。レース自体は前が飛ばしたのでハイペースだが、後続にとっては上がりの競馬。こういう競馬が得意なタイプで、上がり3Fはメンバー最速の34.1秒。持ち味は出している。パドックではプラス16キロで少し太く見え、発汗もしていた。それでこれだけ走れるのだから能力はある。あとは前捌きの硬さをいかにクリアするかだろう。

リスティアエーデルはポツンと離れた3番手を進み、最後に前に行った2頭を差して3着に入った。アネモネS15着、スイートピーS10着と近2走は全くいいところがなく、今回はシンガリの15番人気。きんせんか賞(中山芝1600m)で3番手追走から勝ったようにこういう競馬が合うのだろう。展開が向いた感が強いが、よく走っている。この日は気温が高く、他場のレースでも牝馬の活躍が目立っていた。夏は牝馬。この時期は要注目。

コンドルクエストは中団を進んだが、直線で伸びを欠き6着に敗れた。位置取りは悪くなかったが、最近のレース同様に最後伸びなかった。現時点ではまだ非力な感じがあるので平坦の福島は合うはずだが、この内容では今後苦しいかもしれない。ただ骨折してから馬体がこじんまりと映るように調教は動いていてもまだ完全には戻っていないのだろう。馬体が変われば走りが一変する可能性があるので、その点は注意したい。

ハットトリックは出遅れて後方を進み、直線で差してきたが既にレースは決しており9着に敗れた。出遅れて流れに乗れなかった時点で終わってしまった感じ。キャリアが浅く、これまで経験のない小回り福島コース。素質だけでは対応できなかった。馬体は12キロ減の474キロだったが、細くは見えなかった。どれくらいが理想体重なのかは分からないが、今回の敗戦はデキ云々ではなさそう。東京の直線で見せた末脚はインパクトがあった。今後の成長を期待したい。

[Home]