函館スプリントS
レース回顧

シーイズトウショウは4番手追走から直線できっちり抜け出してレースを制した。仕掛けられてからの反応が抜群で全く危なげのない勝利。高松宮記念ではサニングデールと2キロ差だったが、今回は4キロ差。中京より直線の短い函館コースというのも有利だった。ただし、パドックで馬体が目立っていたようにここにきて充実してきているのも事実。時計勝負にも対応できるし、何より前に行けるので紛れがないのがいい。スプリンターズSに向けて好発進。平坦巧者だが、パワーアップした今なら中山の急坂もこなしそうだ。

ゴールデンロドリゴは後方を進み、直線で大外に出して追い込むと逃げたカルストンライトオをギリギリ交わして2着に入った。上がり3Fはメンバー最速の35.1秒。休み明けで絶好調という感じではなかったが、体型的に函館の力のいる馬場が合うのだろう。横山典騎手は5年連続連対。このコースを知り尽くしており、今回も好騎乗が光った。

カルストンライトオは前半33.7秒のハイペースで逃げてしぶとく粘ったが、最後に交わされて惜しい3着。内ラチ沿いをロスなく逃げてこの馬の競馬はできたが、シーイズトウショウに好位からあの脚を使われては苦しい。福島遠征後に栗東に戻って中1週での函館への直前輸送。調子を崩してもおかしくないケースだが、馬体は増えていた。それだけ馬がしっかりしてきた証拠だろう。この時期走る典型的な夏馬。アイビスSDが楽しみだ。

ブルーショットガンは中団を進み、直線に向くと外から伸びてきたが、最後は前と脚色が一緒になり4着。直線では見せ場たっぷりだったが、まだ1600万条件に出走できる条件馬。さすがに重賞ではこれが精一杯か。パドックでは前走少し細く見えた馬体がフックラし、馬に覇気が戻って一変していた。よほど函館が合うのだろう。自己条件に戻ればすぐにチャンスが来そうだ。藤岡騎手はこの函館開催で5勝。トップが横山典、藤田、四位騎手の6勝。単勝回収率109%はこの4人の中ではトップだ。

ウインラディウスは好位につけたが、直線で伸びを欠き5着。久々の1200mで位置取りが悪くなることが不安材料だったが、結果的にハイペースで前に行き過ぎて終いの脚をなくした印象。もう少しじっくり乗れば終いの伸びは違ったかもしれないが、馬群を捌くリスクもあるので微妙なところ。調子は悪くはなかったが、最後はダービー卿CTのときと同じような走りだった。

サニングデールは1番人気に支持されたが、好位から伸び切れずに6着に敗れた。最近はスタートダッシュが鈍かったため位置取りが悪くなることを懸念して早めの競馬をしたが、それが裏目に出てしまった感じ。道中外から来られて下がる不利があったし、急がせる競馬は本質的に合わないのだろう。マイルCSのサイドワインダーと同じような競馬だった。福永騎手は上手くフォローしていたが、58キロというのも響いたのだろう。現時点での課題は見えたので、スプリンターズSに向けてどう乗るか。福永騎手に期待したい。

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