京王杯SC
レース回顧

ウインラディウスは内々の後方を進み、直線で内からスパッと抜け出すと最後はテレグノシスの追い込みを凌ぎ切ってレースを制した。渋った馬場で上がり3F33.8秒。1400mのペースも合うのだろうが、それにしても凄い弾け方だった。馬場の内側はかなり荒れて見えたが、芝の根付きがいいのだろう。この点は今後も注意したい。次走は安田記念になるが、東京コースでのパフォーマンスを考えると十分やれそうだ。相馬眼的にも相当なレベルに来ていることを付け加えておく。鞍上の田中勝騎手は92年の安田記念をヤマニンゼファーで勝って以来、現在JRAのG1レース99連敗中。00年の安田記念では藤沢和厩舎のスティンガー(1番人気)で4着に敗れている。今年も人気になりそうだが、どんな騎乗を見せてくれるか楽しみだ。

テレグノシスは後方で脚をためて直線に向くと大外から豪快に伸びて2着に突っ込んだ。昨年の上がり3F33.6秒を上回る33.4秒の切れ味。多頭数によるロスはあったが、こういう競馬が合うタイプで力は出し切った印象。ハイペースで底力が問われたのも良かったのだろう。休み明けで調教は冴えなかったが、パドックでは馬体、気配とも悪くなかった。昨年よりトモの張りが良くなっている。このひと叩きで次はさらに良くなりそう。昨年の安田記念は仮柵を外した馬場に泣いたが、今年も安田記念の週にCコースからAコースに変更される。ただ昨年はAコースが1ヶ月未使用だったが、今年は中2週。その違いはある。

フィートソーファストは内々の中団を進み、直線で外に出して追い出すとマチカネアカツキを交わして3着を確保した。追われてから一瞬鋭く伸びたが、坂を上がってから止まったように距離はもう少し短い方が良さそう。馬体的にももっと短い距離に適性があるように映った。本場馬調教で豪快なフットワークで好時計を出していたにも関わらず、8番人気の低評価だったのは競馬新聞の印の影響か。このレベルの馬で3着なら陣営も目処は立ったことだろう。これを足掛りに今後はUAEから参戦が増えそうだ。

マチカネアカツキは好位から抜け出す正攻法の競馬をしたが、直線で伸びを欠き4着に敗れた。追われてからハミに舌を越してしまったようだ。直線ではバテたという感じではなく、まじめに走らなかったという印象の方が強い。安田記念に向けて大事なレースだったが、力を出し切れずに自滅した感じ。パドックでは馬体、気配ともかなり目立っていた。1400mでも走れなくはないが、ベストは1600m以上の中距離だろう。安田記念への出走は厳しそうだが、出走したら注目したい。オリヴァー騎手は藤沢和厩舎の馬で今年[5-3-1-3]で勝率41.7%、連対率66.7%の好成績。単勝と複勝の回収率は100%を超える。腕は確かだ。

ジョウテンブレーヴは中団から伸びて5着。初の1400mだったが、力のあるところを見せた。調教で変にイレ込まずに動きがスムーズになってきたし、馬体もいいときのバランスの良さが戻ってきている。徐々に完調に近づいているのは間違いないので、そろそろ復活がありそうだ。02年に勝っているエプソムCに出走してくれば面白そう。

オーゴンサンデーは最後方から追い込んで6着。休み明けだとパドックで発汗するが、それでも走れるタイプ。いつものように追い込む競馬で力は出し切った印象。これから夏にかけてさらに調子を上げてきそうなので注目したい。今年はローカルのG3で好勝負できるだろう。好走と凡走を繰り返すタイプなので、その点は注意したい。

ギャラントアローは外から強引にハナを切りに行って前半3F33.8秒のハイペース。直線では見せ場なく13着に敗れた。スタートしてエースインザレースが行く気を見せたのと外枠のロスでかなり強引に行ったのが響いた印象。スムーズならもう少しやれるが、上がりが速くなる東京コースではよほど展開が恵まれないと苦しそうだ。人気が落ちてマークが緩くなったときに狙いたい。

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