中山牝馬S
レース回顧

オースミコスは中団で折り合いをつけて、直線で外に出すと最後はスパッと伸びてレースを制した。坂を上がってからひと伸びしたのは底力の証明。これまで牡馬と戦ってきたことはやはりだてではなかった。昨年休まずに11戦使われて、今年はこのレースが4戦目。それにしてもタフな馬。最終調教のときに小倉大賞典当時より馬体を大きく見せていたのだから驚く。体重は420キロ台で少し細く見えるときがいいようだ。

ハッピーパスは後方2番手から直線で内から伸びて2着に突っ込んだ。外枠だったが、内に入れてロスなく進めたことが最後の伸びに繋がった。ただハイペースで前が止まる展開が嵌った感もある。絶好調ではなかったが、55.5キロで牝馬同士ならこれくらいはやれて当然か。これで引退することになるが、いい子供を産んでもらいたい。

フラワーチャンプは最後方から猛然と追い込んで3着。3走前の古都Sでチアズメッセージを負かしたが、そのときの斤量関係が逆転して51キロになったのはやはり有利だった。展開が嵌った感もあるが、馬も力をつけている。得意とはいれない中山コースでしかもこの時計で走れたことは今後に向けて大きい。

メイショウバトラーは3番手からしぶとく伸びて4着。最後も止まっていないので、藤田騎手がもう少し強気に乗っていれば2着はあったか。当日は若干テンションが高かったが、中山初コースだったのが微妙に影響したのかもしれない。昨年6月のデビュー以来ずっと使われているが、馬体は維持できているし、この馬もタフな馬。最近は前に行っているが、差す競馬もできる。

チアズメッセージは3コーナーから積極的に上がって行ったが5着止まり。本田騎手が強気な競馬をしたが、最後は一杯になったように現時点ではマイルがベストなのだろう。輸送はクリアできたが、関東に来ると結果が出ないは全兄のチアズブライトリーと同じ。馬は充実してきているが、輸送競馬のときは少し注意したい。

ローズバドは最内から押し上げて直線で見せ場を作ったが6着。直線に向いたときの手応えは絶好だったが、そこからが伸びなかった。絶好調なら突き抜けていたはずだが、今回はそこまでの状態ではなかったのだろう。今回が引退レース。これまでハラハラ、ドキドキさせてくれた馬だが、究極の切れ味をぜひとも子供に伝えて欲しい。

スマイルトゥモローは出遅れて後方から追い上げたが7着まで。大逃げをすれば面白いとみていたが、不完全燃焼の競馬になってしまった。レース後に引退することが決まったようだ。オークスの末脚はついに封印されたままだった。府中牝馬Sの大逃げも忘れられない。

ピースオブワールドは後方から見せ場なく12着。展開的に差してきていいはずだが、全くいいところがなかった。レース後に引退することが決まったようだ。阪神JFのパドックで見せた雰囲気が今も忘れられない。色々な面でこの馬に教わったことも多い。復活を待ち望んでいただけに残念でならないが、いい子供を出して欲しい。名前も楽しみだ。


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