平安S
レース回顧

タイムパラドックスは3番手につける積極的な競馬。直線に向き目一杯に追うとしぶとく伸びてクイーリンガーを頭差交わしてレースを制した。この日のダートは前が止まりにくい状態で、平安Sでも5番手以内につけた馬が5着までを独占した。好スタートから前に行った安藤光騎手の騎乗がこの日のダートにマッチしたが、タイムパラドックスの行きっぷりがトパーズSを勝ったあたりから変わっていたことも見逃せない。昨年のアンタレスSでは後方を進み、全く勝負にならなかったが、馬が充実してきたのだろう。こういうレースができたことは今後に向けて大きい。パドックで前捌きがぎこちないが、それが解消されればまだ強くなる。馬場が渋ると末切れるので注意したい。

クーリンガーは2番手から直線で抜け出してしぶとく粘ったが、最後はタイムパラドックスに差されて2着。昨年の2着馬だが、休み明けで最終調教の動きがひと息だったこともあり、当日は8番人気の低評価。1週前調教で一杯に追っていたが、最終調教が軽めで目立たないと人気になりにくいので注意したい。昨年2着したときも調教の動きは目立たなかったが、実戦では全く違う走りを見せた。左回りは不得意だが、右回りの激しい戦いになると地力を発揮するタイプ。条件が揃ったときは今後も注意したい。

ビワシンセイキは5番手からしぶとく伸びたが3着止まり。調子は悪くなかったが、最後は手前を替えずに伸びを欠いていた。1800mだと最後伸び切れないことが多いので、もっとペースが上がって消耗戦になった方がいいのだろう。昨年のフェブラリーS以降に2勝したが、いずれも地方交流G3の1400m。ベストはやはり1400mか。距離が長いと勝ち切れないので馬単の2着づけに妙味がありそう。

イサオヒートは1枠からスタートして道中は内々をロスなく進んだが、直線で伸び切れずに4着。道中は内でスムーズに進めてかなり有利に映っただけに現時点では力負けか。ただ輸送してプラス6キロと多少馬体に余裕があったことも確か。時計勝負に対応できたように今後の目処は立った。

スマートボーイはいつものように逃げたが、直線入り口で一気に来られて伸びを欠き5着止まり。抜かれてからもしぶとく粘ったが、3連覇ならなかった。パドックでは外めをキビキビと周回し、とても9歳馬には見えなかったが、いいときはもっと4コーナーで引き離せるので絶好調ではなかったのだろう。馬は元気なので、まだまだやれそう。今後も果敢な逃げを見せて欲しい。

ミツアキタービンは5番手を進み、4コーナーで絶好の手応えのまま先団に並びかけたが、そこから伸びを欠き6着に敗れた。最後は逃げたスマートボーイを交わせなかったように現時点では力負けか。ただし、終始外を回るロスがあったし、初の京都コースということも若干影響した印象。今回は負けたが、こういう経験は馬を強くする。まだ良くなる余地が多分にあるので、今後が楽しみな馬。いずれ中央重賞を勝てるだろう。


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