毎日王冠
レース回顧

バランスオブゲームは4番手から直線で抜け出し2着に2馬身半差をつけてレースを制した。正攻法の競馬で後続を突き放す強い内容。調教の動きが重く、当日も絶好という感じはなかっただけに鉄砲駆けする馬の怖さを思い知らされた感。このひと叩きで良くなってきそうだが、欲を言えばもう少し馬体の張りが欲しい。金鯱賞で好走した馬の活躍が目立っているので注意したい。

トーホウシデンは中団を進み、直線で激しい叩き合いを制して2着を確保。ストロークが小さいため、どちらかと言うと中山向きだが、各馬横一線から最後ひと伸びしてきた勝負根性を評価したい。プラス10キロで馬体が回復していたが、まだ少し余裕があった。その点で次走は更なる上積みが期待できそう。今回のように一気に離されてしまうと辛いが、叩き合いになれば持ち味が出せる。

エイシンプレストンは5番手から直線でしぶとく伸びて3着。プラス16キロで馬体が太く仕上がり途上だったが、それで3着するのだから地力を見せたと言っていいだろう。馬が走りに前向きだし、このひと叩きで次は良くなってきそう。今回は59キロを背負っていたことも考慮しておきたい。

カンファーベストは5番手から直線の叩き合いに敗れて4着止まり。スタートで出遅れて好位に取りつくまでに脚を使ったのが最後響いた印象。調教の動き、パドックでの気配からかなり調子が良かっただけに悔やまれる。ただ絶好調のときは逆にこういうことが良くあるのも競馬。出遅れたものの、江田照騎手なりに上手く乗っている。G1では正攻法で真っ向勝負だと辛いのでひと工夫欲しい。

テンザンセイザは後方から追い込んで2着と0.1秒差の5着。直線での伸び脚は良かったがラスト1Fから内にもたれてまともに追えなかったのが痛かった。このあたりは左回りの経験不足が影響しているのだろう。直線の坂も苦にしなかったし、馬体にも実が入って良くなっているので5着とは言っても侮れない。調教で前捌きが鋭いうちは注意したい。

マイネルアムンゼンは中団からしぶとく伸びたが6着まで。雨が降ったところまでは良かったが、レースまでに馬場が回復し過ぎたのが誤算だろう。ラスト3F34秒台の瞬発力勝負になるとどうしても見劣ってしまう。ただし馬場が荒れたり、馬場が渋れば話は別。条件が揃ったときに狙いたい。

ファインモーションは前半5F58.7秒で逃げて直線では見せ場なく失速して7着。これくらいのペースなら直線でもっと粘れていいが、道中突っ張った走りで息が入らなかったのだろう。心肺面のキャパシティの大きい馬でもこういう走りだと苦しい。パドックでは馬体の張りが戻り、これまでにないくらい落ち着いていた。相変わらずハミを噛んで首を小刻みに振る動作はしていたが、馬体や気配は明らかに前走より良く見えた。

有馬記念で逃げて5着に敗れ、クイーンSでは折り合いに専念した結果、抜け出すのに苦労して2着。今回はスタートダッシュが速く逃げたが、有馬記念とクイーンSで学んだことが一体何だったのか疑問に思えてくる。レース後に武豊騎手は無理にでも抑えた方がいいかなと話したようだが、それは有馬記念で分かっていることではなかったか。ファインモーションは6連勝のあと3連敗。武豊騎手でなければ乗り替わりになっても不思議でない。今後、伊藤雄師がファインモーションをどのように仕上げ、どう対策してくるか、とにかく注目していきたい。「牝馬の河内」は馬と信頼関係を築けていたということを付け加えておく。

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