スプリンターズS
レース展望(3)

次にセントウルS以外の路線だが、北海道で順調に使ってきたアグネスソニックがビッシリ追って仕上げてきた。函館スプリントSでビリーヴに完敗したが、それほど器用なタイプではないので広い中山に変われば少しは差を詰められるだろう。パワー型なので、中山の急坂も苦にしない。高松宮記念で0.5秒差の6着だったが、17番ゲートからのスタートでロスがあったことを付け加えておく。内枠を引けば差は詰まるはずだ。

中山芝1200mで3勝しているサーガノヴェルが復活してくれば面白いが、前走のレースぶりからG1で一変するかどうかはやや微妙。当日の気配が良ければ買ってみたいが、陣営がどこまで仕上げてくるか注目したい。ゴッドオブチャンスは復帰2戦は7着、5着と見どころはなかった。ただ調教の動きは前走より上向き。相馬眼的にスピードの絶対値はビリーヴにも劣らないことを付け加えておく。

そろそろ本題に入る。今回の注目馬はレディブロンド。デビューとなった6月の1000万条件で最後方から追い込んでレースの上がりを1.7秒上回る34.1秒の切れ味で全馬を差し切った。初戦のインパクトも凄かったが、鳥肌が立つインパクトだったのが4戦目のTVh賞。2番手から後続を楽々と突き放す姿は条件馬のそれではなかった。馬体も一戦ごとに実が入ってきたようにデビューしてまだ3ヶ月だが充実期を迎えている。

前走のセプテンバーSは当然のように勝ったが、直前の調教をセーブしてレースでも最後は抑えて今回に備えた。前走の調教の動きを見ると少し脚捌きが硬いのが気にならなくもないが、レースではそういうところを見せない。セプテンバーSの勝ちタイムは1分8秒2。もっと追って0.2秒、今回1キロ減で0.2秒とすると1分7秒8。この時計でも55キロのビリーヴにはおそらく敵わない。これ以上詰められるかどうかはレディブロンドの底力にかかっている。ストレスの多いG1でそれができるのかどうか。相馬眼はイエスと言っているが果たしてどんなレースを見せてくれるか。

5歳牝馬ビリーヴは27戦目の今回が引退レース。00年11月にデビューして以来約3年の現役生活に別れを告げようとしている。レディブロンドも5歳牝馬。今年6月にデビューして以来ノンストップでG1に挑戦するまでに駆け上がってきた。2頭にとって最初で最後の対決となるスプリンターズS。名牝vs名牝の熱い対決を目に焼き付けたい。

2003/10/02
競馬アナリストGM

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