スプリンターズS
レース展望(2)

ビリーヴを負かす馬はどの馬か。まずはセントウルS組だが、ビリーヴが57→55キロで2キロ減になるのに対し、テンシノキセキは54→55キロ、デュランダルとアドマイヤマックスは56→57キロで1キロ増になる。見るからに不利な条件だが、3頭とも斤量自体はこなせるので大きく割り引く必要はないだろう。対ビリーヴで考えた場合は不利でも自分の力は出し切れる斤量という位置づけになる。

テンシノキセキは坂路でテレビ愛知オープンを1分6秒9で勝ったあたりから坂路の動きが変わってきた。それに伴い馬体のバランスが良くなり、今がまさに充実期。前走は坂路で49秒台を出してかなり仕上げたので、どこまで調子をキープできるかがポイントになる。ただし、どちらかというと時計の早い馬場の方が合うタイプなので、今の力のいる中山の馬場で終い切れるかどうかという課題もある。

デュランダルはメンバー最速の33.3秒の切れ味で0.2秒差の3着。休み明けでも仕上がっていたが、今回の坂路の動きは明らかに前走以上。出遅れやダッシュ不足で後方からの競馬で、しかも前に馬がいると気にするため大外を回すことになるので届くかどうかは展開次第だが、昨年の白秋Sで33.3秒の切れ味で勝ったように中山の馬場適性はある。陣営が弱気なコメントを連発しているのは、前に行く有力馬にデュランダルの切れ味を意識させないためのもの。見た目以上にパワーがあるので一発の魅力はある。あとは中山1200mで実績のない池添騎手がどう捌くか。

アドマイヤマックスは初のスプリント戦で0.4秒差なら悪くない内容。パンパンの良馬場での切れ味勝負より、力のいる馬場で底力勝負になった方がいいので、今の中山は合いそうだ。相馬眼的にもう少しトモがしっかりして全体的なバランスが良くなって欲しいが、安田記念で2着したようにG1級のパフォーマンスを秘めている。鞍上の武豊騎手は過去10年でスプリンターズSに5回騎乗して[1-3-0-1]で連対率80%。ビリーヴのことも良く知っているので秘策があるかもしれない。

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