オールカマー
レース回顧

エアエミネムは好位から徐々に進出して4コーナーで前を射程圏に入れると最後は力強く抜け出してレースを制した。超スローペースで行きたがるシーンもあったが、直線では危なげなく抜け出して完勝。今の中山の力のいる馬場も合っていたが、札幌記念のときより馬体に柔らかみが出て良化していたのも見逃せない。今回はメンバーがそれほど強くはなかったが、余裕を持って勝てたことは馬にとって大きな自信だろう。まだ上積みがありそうなので今後も楽しみだ。ただ外国産馬で賞金的に秋天には出走できそうにないのが残念。単純な問題ではないが、システムの改善を望みたい。

ファストタテヤマは最後方から大外を捲くって伸びたが、直線では内にもたれ気味で0.1秒差の2着。超スローで追い込みにくい展開だったが、早めに動くと終い切れないのでギリギリまで我慢した安田康騎手の好プレー。デビュー以来ずっと騎乗しているようにこの馬の特徴は完璧に掴んでいる。パドックでは馬体が大きく変わった感じはなかったが、若干トモに力強さが出たきた印象。元々使われて調子を上げるタイプなので次はさらに良くなりそうだ。展開に注文はつくが、G1でも一発の魅力を秘めている。

メジロランバートは後方を進み、直線で猛然と追い込んで3着に突っ込んだ。もっと前に行くとみていたが、終い勝負に徹したのは陣営の作戦か。8歳馬で最近は以前ほど調教で動かなくなっているが、まだ馬体は若いし、パドックでの気配も悪くない。距離はもう少しあった方がいいので、AR共和国杯に出走してきたら面白そうだ。3連複には絡めておきたい馬。

グラスエイコウオーは4コーナー最後方から追い込んで2着に0.2秒差の4着。AJC杯と同じようなレースで最後の伸び脚は目立ったが、さすがにこのペースではこれが精一杯だろう。休み明けだったが脚元がゴツゴツした感じもなかったし、これだけ走れれば今後も楽しみはある。馬が完全に追い込み競馬を覚えているのもいい傾向。

マイネルアムンゼンは好位からしぶとく伸びたが最後切れがなく5着に敗れた。この馬自身35.3秒で上がっているが、上位に来た馬はみな34秒台で上がっているだけに切れ負けした印象。馬体に少し余裕があったようにこのひと叩きで次は良くなってきそうだ。ただスケールはそれほど大きくはないので、G3クラスの馬という感じがしないでもない。

ダイヤモンドビコーは2番手から見せ場なく6着に敗れた。パドックではイレ込まなかったし、馬体が絞れて良くなっていただけにもう少し抵抗して欲しかったというのが正直な印象。調教で少し迫力に欠けていたので、次走もそのあたりが改善されないと苦しかもしれない。能力はあるので馬が走る気になれば一変しても不思議でないがどうだろう。藤沢和厩舎がエリザベス女王杯に向けてどう対策してくるか注目したい。

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