函館スプリントS
レース回顧

ビリーヴは好スタートから好位を進むと4コーナーで先頭に並びかける横綱相撲の競馬。直線では楽々と抜け出すと2着に2馬身差をつけてレースを制した。アンカツが抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。最後はステッキで気合をつけたが、馬なりのまま後続を突き放したスピードはこのメンバーでは一枚違っていた。函館入り直後に軽いせん痛(腹痛)を発症したようだが、パドックでは馬体の張り、毛づやとも良く、調子は悪くはなかった。今後は状態次第でセントウルSに向かい、スプリンターズSを最後に引退する予定。ショウナンカンプが引退した今、ビリーヴのG1連覇は濃厚か。スピードと能力で対抗できる馬の出現を期待したい。

アグネスソニックは後方を進み、直線で外に出して追い出すと内で粘るアタゴタイショウをハナ差交わして2着を確保した。滞在競馬で落ち着くかと思われたが、パドックではいつものように気の悪さを出していた。ハイペースだと前にいけないあたり、本質的にスプリンターではないが、それでも2着に来たのは能力の証。メンバー次第になるが、G3はそのうち勝てるだろう。横山典騎手はこれで4年連続で函館SS連対。タイキトレジャーの3年連続連対が注目されていたが、横山典騎手が手綱を取っていたことに注目して正解だった。それにしても横山典騎手は重賞2着が多い。本人には悪いが、馬単2着流しという作戦もありそうだ。

アタゴタイショウは好位を進み、直線で内から抜け出して2着とハナ差の惜しい3着。調教でも動いていたし、パドックでも仕上がりの良さが目立っていた。時計勝負になると辛いだけに前日の雨で少し時計のかかる馬場だったのが良かったのだろう。重馬場も苦にしないので、馬場が渋ったときは特に注意したい。

テイエムサンデーは離れた最後方を進み、直線大外から追い込んだが2着と0.2秒差の4着まで。直線に向いたときの手応えから2着はありそうだったが、追われてから内にもたれたのが痛かった。秋山騎手によると高松宮記念がピークだったようだが、パドックでは馬体の張り、毛づやともに良く、かなり目立っていた。以前より地力が強化しているのでコースが合えば怖い存在。京都芝1400mのスワンSがベスト条件なので状態が良ければ注目したい。

タイキトレジャーは後方から徐々に進出したが、最後はいつもの伸びがなく7着。3コーナーあたりからかなり急がせていたが、結果的にそこで脚を使ったことで伸び切れなかった印象。ここ2年が後方で脚を溜めて差す競馬。積極的に勝ちに行く競馬をしたことで惨敗する結果になった。年齢とともに除々にズブくなっているので今は1400mがベストかもしれない。スムーズさを欠くとすぐに頭を上げるので、道中いかにスムーズに進められるかがポイントになる。


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