日本ダービー
2020/5/31 東京競馬場 芝2400m

レース展望

過去10年で1番人気は[3−1−3−3]で4連対。皐月賞馬は[2−1−2−1]。昨年は単勝1.6倍のサートゥルナーリアが4着に終わった。2番人気は[1−1−1−7]で2連対、3番人気は[3−3−1−3]で6連対。最近5年の馬連は19倍、7倍、16倍、79倍、112倍で年々波乱傾向が強まっている。昨年は12番人気のロジャーバローズが勝ち、馬連112倍、3連単1990倍の波乱になった。

連対馬15頭が前走3着以内。前走4着以下から連対した5頭は前走皐月賞4〜7着。前走8着以下は[0−0−1−50]。前走G2勝ち馬は[1−3−2−15]、2着馬は[1−0−1−17]、3着以下は[0−0−1−12]。前走G3以下は[0−0−1−13]。1枠1番に入った馬は[3−2−1−4]で5連対。7番人気以下で連対した3頭は2走以内に重賞で連対があり、3頭とも1枠1番に入っていた。

コントレイルは新馬、東スポ杯2歳S、ホープフルS、皐月賞を全て最速上がりで4連勝。東スポ杯2歳Sは1分44秒5のレコードで5馬身差で圧勝。ホープフルSは好位から抜け出して2分1秒4で優勝。前走皐月賞は12番手から外を回って押し上げ、直線でサリオスとの叩き合いを制し2分00秒7(稍重)で優勝。1枠1番から流れに乗れず位置取りが悪くなり大外をブン回したが、いい脚を長く使って差し切った。

皐月賞で大外を回って勝ったことで芝2400mをこなすメドは立ったか。コントレイルはノースヒルズ生産馬。キズナ(ノースヒルズ)に続き、社台はディープインパクトの後継種牡馬をノースヒルズに持って行かれるのか。体型的に芝2400mがベストではなさそうだが、絶対能力が高く運動神経がいい。皐月賞のように福永騎手が下手に乗っても馬が能力でカバーする可能性がある。2週連続で無敗の2冠馬が誕生するか。

サリオスは新馬、サウジアラビアRC、朝日杯FSを3連勝。サウジアラビアRCは1分32秒7のレコードで優勝。朝日杯FSは前半5F57.2秒のハイペースで3番手から抜け出し1分33秒0で優勝。前走皐月賞は好位の内から2位の35.4秒で抜け出したが、外からコントレイルに差されて半馬身差の2着。道中荒れた内を通り、直線でも内を通り、かつ逆手前のまま走っていた。勝負どころで仕掛けが遅れた感もある。

皐月賞では一杯に追って仕上げたが、馬体は2キロ減。馬体が絞れればまだパフォーマンスアップできるのではないか。サリオスがサウジアラビアRC、コントレイルが東スポ杯2歳Sをそれぞれレコード勝ちした時の上がりは33.1秒だった。昨年の日本ダービーでレーン騎手は単勝1.6倍のサートゥルナーリアで出遅れて4着に終わっている。東京芝2400mでレーン騎手は1、2番人気では[2−0−2−7]。

弥生賞勝ち馬サトノフラッグ、同2着馬ワーケア、皐月賞3着馬ガロアクリーク、共同通信杯勝ち馬ダーリントンホール、ホープフルS2着馬ヴェルトライゼンデ、青葉賞2着馬ヴァルコス、プリンシパルS勝ち馬ビターエンダー、毎日杯2着馬アルジャンナ、京都新聞杯勝ち馬ディープボンドなど。東京は土曜が曇り後雨、日曜は曇り時々晴れの予報。日曜の最高気温は27℃。時期的に暑さに強い馬の激走に注意したい。

サトノフラッグは前走皐月賞で中団の外から上がって伸び切れず1.1秒差の5着。 東京芝2000mの未勝利戦を1分59秒5のレコードで圧勝している。距離延長、左回り、良馬場、武豊騎手で一変に注意。ワーケアはホープフルS3着、弥生賞2着に終わった。1986年以降2ヶ月以上の間隔が空いた馬は[1−0−0−14]で勝ったのは1996年のフサイチコンコルド。2戦2勝の東京コースでどこまで変わるか。

ガロアクリークはスプリングSを勝ち、皐月賞は0.7秒差の3着。キンシャサノキセキ産駒で距離の克服がカギ。川田騎手に乗り替わる。ダーリントンホールは共同通信杯を勝ち、皐月賞は1.1秒差の6着。飛びの大きい大型馬で東京向き。ニューアプローチ産駒には青葉賞2着馬ベストアプローチがいる。鞍上はMデムーロ騎手。ヴェルトライゼンデは皐月賞で1.2秒差の8着。初の左回り、距離延長でどこまで変わるか。ヴァルコスは青葉賞で2分23秒0で走ってクビ差の2着。過去10年で青葉賞2着馬は[0−0−1−9]。


レース回顧

2020年 5月31日(日) 2回東京12日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第87回東京優駿
3歳・オープン・G1(定量) (牡・牝)(国際)(指定)  芝 2400m   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  5  コントレイル       牡 3 福永祐一  57  2.24.1 34.0  1 460 (栗)矢作芳人
2 6 12  サリオス           牡 3 レーン    57  2.24.6 34.1  2 528 (美)堀宣行
3 3  6  ヴェルトライゼンデ 牡 3 池添謙一  57  2.24.9 34.7 10 486 (栗)池江泰寿
4 1  1  サトノインプレッサ 牡 3 坂井瑠星  57  2.24.9 34.3  9 482 (栗)矢作芳人
5 7 13  ディープボンド     牡 3 和田竜二  57  2.25.0 35.1  8 484 (栗)大久保龍
6 6 11  ガロアクリーク     牡 3 川田将雅  57  2.25.0 34.6  7 498 (美)上原博之
7 4  7  ブラックホール     牡 3 石川裕紀  57  2.25.0 34.1 17 424 (美)相沢郁
8 2  3  ワーケア           牡 3 ルメール  57  2.25.1 34.8  3 490 (美)手塚貴久
9 7 14  マイラプソディ     牡 3 横山典弘  57  2.25.2 35.4 11 500 (栗)友道康夫
10 4  8  ビターエンダー     牡 3 津村明秀  57  2.25.2 34.6 13 464 (美)相沢郁
11 7 15  サトノフラッグ     牡 3 武豊      57  2.25.3 34.7  4 488 (美)国枝栄
12 5 10  コルテジア         牡 3 松山弘平  57  2.25.4 35.5 14 458 (栗)鈴木孝志
13 5  9 $ダーリントンホール 牡 3 M.デム  57  2.25.5 34.7  5 520 (美)木村哲也
14 8 17  ヴァルコス         牡 3 三浦皇成  57  2.25.5 35.5  6 498 (栗)友道康夫
15 2  4  レクセランス       牡 3 石橋脩    57  2.25.7 34.6 18 480 (栗)池添学
16 8 16  マンオブスピリット 牡 3 北村友一  57  2.26.0 34.9 16 492 (栗)斉藤崇史
17 8 18  ウインカーネリアン 牡 3 田辺裕信  57  2.26.2 36.1 15 490 (美)鹿戸雄一
18 1  2  アルジャンナ       牡 3 浜中俊    57  2.26.3 36.0 12 454 (栗)池江泰寿
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LAP :12.6-11.3-12.9-12.6-12.3-11.8-12.2-12.3-11.8-11.3-11.3-11.7
通過:36.8-49.4-61.7-73.5  上り:70.6-58.4-46.1-34.3  平均:1F:12.01 / 3F:36.02
単勝   5 \140 
複勝   5 \110 / 12 \140 / 6 \520 
枠連   3-6 \240 (1) 
馬連   05-12 \270 (1) 
ワイド 05-12 \170 (1)/ 05-06 \790 (8)/ 06-12 \1830 (22) 
馬単   05-12 \350 (1) 
3連複 05-06-12 \2480 (5/816) 
3連単 05-12-06 \5140 (9/4896) 

コントレイルは内枠スタートから内ラチ沿いの3番手につけ、メンバー最速の34.0秒で抜け出して3馬身差でレースを制した。勝ちタイムは2分24秒1。ウインカーネリアンが逃げて前半5F61.7秒のスローペース。後半5F58.4秒、ラップは12.3−11.8−11.3−11.3−11.7秒。流れが緩んでラスト4Fの持続力勝負になった。コントレイルは直線で外に寄れながら遊びながら走って3馬身差で圧勝。強い馬が内ラチ沿いの好位につけてロスなく回ってきた。JRAが3枠5番に入れた時点で勝負あったか。道中社台のヴェルトライゼンデに外からマークされたが、勝負どころで振り切り、直線では追い出しを待つ余裕があった。サリオスが10番手の外に控えたことで直線で仕掛けを待つことができたことも大きかった。デビューから全て最速上がりで5戦5勝、無敗で皐月賞、日本ダービー制覇は父ディープインパクトと同じ。これまでの名馬とは馬体の造りが全く違うが、心肺機能の高さを父ディープインパクトから受け継いだのだろう。今後はひと息入れて菊花賞で無敗の3冠を目指すことになりそうだ。ジャパンCでアーモンドアイ、デアリングタクトと対決が実現して欲しい。

サリオスは10番手の外からメンバー2位タイの34.1秒で伸びて0.5秒差の2着。これまで5番手以内につけていた馬がコントレイルより後ろで進めて差すレースになった。社台はヴェルトライゼンデにコントレイルをマークさせてサリオスが外から差す作戦だったのか。コントレイルが簡単にはバテないことを考えるとサリオスは前につけてコントレイルとガチンコ勝負をした方が良かったのではないか。レーン騎手は前に行くと崩れる可能性があると考えたのか、コントレイルに勝たれたら仕方ないという乗り方だった。まだ少し太いが、一戦ごとに馬体が絞れて少しずつ引き締まってきている。まだ馬体はゴロンとしてマイラーっぽい感じはあるが、奥手のハーツクライ産駒。これからどう成長していくのか注目したい。ハーツクライ産駒のリスグラシューは5歳になって本格化しG1を3勝連勝している。

ヴェルトライゼンデは5番手からメンバー8位タイの34.7秒で伸びて0.8秒差の3着。勝負どころでコントレイルに競り負けて外に振られるロスがあったが、最後までしぶとく伸びて10番人気で激走した。これまで全て重い馬場で走っており、距離延長、軽い馬場で一変する可能性があるとみて穴馬で狙ったが、その通りになった。萩S(稍重)で騎乗したスミヨン騎手は硬い馬場が合うタイプとコメントしている。半兄ワールドプレミアは菊花賞を制している。2冠馬コントレイルは強いが、距離3000mでどこまで差を詰められるか。

サトノインプレッサは1枠1番スタートから11番手を進み、メンバー4位の34.3秒で内から伸びて0.8秒差の4着。3着とは頭差で馬券圏内まであと一歩だった。やはり1枠1番は有利なのだろう。脚捌きが硬いのが気になるが、それが解消されれば1800mあたりで走ってきそう。道悪巧者だけに来年のエプソムCに出走したら要注意か。内から捌けるため、岩田康騎手が合いそう。

ワーケアは内枠スタートか8番手につけ、直線でコントレイルを追ったが引き離され1.0秒差の8着。上がりはメンバー11位の34.8秒。これまで外から差すレースをしていたため、馬群を割るレースで馬が戸惑った面もあるか。最後は狭くなってルメール騎手は追っていなかった。ルメール騎手は流れが速くならなかったことでスタミナを生かせなかった、瞬発力に欠けるとコメント。デビューから2戦を最速上がりで圧勝したように強烈な決め手があるが、中山の重い馬場を使って地力タイプに変貌したのか。奥手のハーツクライ産駒。まずはどこかで重賞を勝って賞金を加算しておきたい。



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