ヴィクトリアマイル
2020/5/17 東京競馬場 芝1600m

レース展望

過去10年で1番人気は[2−3−0−5]で5連対。最近6年は[0−2−0−4]で未勝利。2番人気は[1−0−1−8]、3番人気は[0−1−2−7]で各1連対のみ。6〜9番人気は5連対、10番人気以下は4連対。8年で6番人気以下が連対している。最近5年の馬連は368倍、35倍、427倍、40倍、37倍で全て中穴以上の決着。本命狙いは妙味なし。軸を決めたら手広く流して中穴以上を狙うのが妙味。

前走芝重賞勝ち馬は[0−1−2−24]で1連対のみ。5番人気以内は[0−0−1−10]で連対がない。前走6〜9着と前走10着以下が各5連対。前走重賞なら着順不問。前走重賞で惨敗したG1実績馬の巻き返しに注意。阪神牝馬Sが芝1600mに変更された16年以降、連対馬8頭のうち5頭が阪神牝馬S組。連対した馬は阪神牝馬S2、2、3、5、9着で1、6、1、8、7番人気だった。穴で阪神牝馬S組に注意。

アーモンドアイは[8−1−1−1]でG1を6勝。前走有馬記念は折り合いを欠いて9着。今年はドバイに遠征したが、レースが中止になってきた。ひと息入れてどこまで仕上がってくるか。芝1600mは[3−0−1−0]。昨年の安田記念はスタート後に不利があり、メンバー最速の32.4秒で追い込んでクビ+ハナ差の3着。1分30秒9で走っている。昨年の天皇賞(秋)は好位から抜け出して1分56秒2の好タイムで3馬身差で圧勝。ダノンプレミアムを相手にしなかった。牝馬同士なら簡単には崩れないか。鞍上はルメール騎手。

サウンドキアラは京都金杯、京都牝馬S、阪神牝馬Sを3連勝。前走阪神牝馬Sは5番手からメンバー2位の33.7秒で抜け出して1分32秒9で優勝。好位から抜け出す盤石のレースぶりだった。2勝クラスを勝った直後に格上挑戦で出走した昨年のヴィクトリアマイルは1分31秒7で走って0.7秒差の7着。ディープインパクト産駒で好位につけて高速ラップでまとめられるタイプ。松山騎手では[4−0−0−0]。今年のマイル重賞で松山騎手は3番人気以内なら[3−0−0−0]。アーモンドアイより前で進めて粘らせるか。

昨年のオークス馬ラヴズオンリーユー、昨年のヴィクトリアマイル勝ち馬ノームコア、同2着馬プリモシーン、前走阪神牝馬S2着のスカーレットカラー、同4着のビーチサンバ、同5着のダノンファンタジー、ターコイズS勝ち馬コントラチェック、東京新聞杯2着馬シャドウディーヴァ、昨年の桜花賞2着馬シゲルピンクダイヤなど。ラヴズオンリーユーはデビュー4連勝でオークスを優勝。エリザベス女王杯は2番手から粘って0.2秒差の3着。ドバイ遠征明けでどこまで仕上がってくるか。マイルの高速決着に対応できるかがカギ。

ノームコアは国内芝1600m[3−0−0−0]でヴィクトリアマイル、富士Sを優勝。昨年のヴィクトリアマイルは7番手からメンバー3位タイの33.2秒で差し切り1分30秒5のレコードで優勝。前走高松宮記念は15着。昨年のヴィクトリアマイルはレーン騎手。今年は横山典騎手が騎乗する。プリモシーンは芝1600m[4−3−1−5]で重賞3勝。昨年のヴィクトリアマイル(福永騎手)は最速の33.0秒で伸びてクビ差の2着。今年の東京新聞杯は好位から抜け出して1分33秒0で優勝。テン乗りのレーン騎手が騎乗する。


レース回顧

2020年 5月17日(日) 2回東京8日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第15回ヴィクトリアマイル
4歳以上・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定)  芝 1600m   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 6 12  アーモンドアイ     牝 5 ルメール  55  1.30.6 32.9  1 486 (美)国枝栄
2 8 18  サウンドキアラ     牝 5 松山弘平  55  1.31.3 33.8  4 460 (栗)安達昭夫
3 8 16  ノームコア         牝 5 横山典弘  55  1.31.3 33.2  5 466 (美)萩原清
4 7 13  トロワゼトワル     牝 5 三浦皇成  55  1.31.4 34.7 12 466 (栗)安田隆行
5 4  7  ダノンファンタジー 牝 4 川田将雅  55  1.31.5 33.5  6 466 (栗)中内田充
6 2  4  シゲルピンクダイヤ 牝 4 和田竜二  55  1.31.6 33.2 11 456 (栗)渡辺薫彦
7 1  1  ラヴズオンリーユー 牝 4 M.デム  55  1.31.8 33.5  3 466 (栗)矢作芳人
8 3  5  プリモシーン       牝 5 レーン    55  1.32.0 33.4  2 496 (美)木村哲也
9 1  2  ビーチサンバ       牝 4 福永祐一  55  1.32.0 33.4  9 468 (栗)友道康夫
10 2  3  シャドウディーヴァ 牝 4 池添謙一  55  1.32.2 33.4 10 472 (美)斎藤誠
11 7 15  アルーシャ         牝 5 北村宏司  55  1.32.3 33.2 15 442 (美)藤沢和雄
12 3  6  トーセンブレス     牝 5 柴田善臣  55  1.32.3 33.3 13 474 (美)加藤征弘
13 6 11  サトノガーネット   牝 5 吉田豊    55  1.32.4 33.5 16 428 (栗)矢作芳人
14 8 17  コントラチェック   牝 4 武豊      55  1.32.4 35.4  8 466 (美)藤沢和雄
15 7 14  スカーレットカラー 牝 5 石橋脩    55  1.32.8 34.5  7 482 (栗)高橋亮
16 5 10  メジェールスー     牝 5 岡田祥嗣  55  1.33.3 35.6 14 474 (栗)藤原英昭
消 5  9  セラピア           牝 4 田辺裕信  55  ------ ---- -- --- (栗)藤岡健一
消 4  8  ディメンシオン     牝 6 松田大作  55  ------ ---- -- --- (栗)藤原英昭
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LAP :12.0-10.9-11.3-11.4-11.1-11.2-11.1-11.6
通過:34.2-45.6-56.7-67.9  上り:67.7-56.4-45.0-33.9  平均:1F:11.32 / 3F:33.97
単勝   12 \140 
複勝   12 \110 / 18 \220 / 16 \300 
枠連   6-8 \390 (1) 
馬連   12-18 \750 (3) 
ワイド 12-18 \390 (2)/ 12-16 \530 (6)/ 16-18 \1530 (17) 
馬単   12-18 \950 (3) 
3連複 12-16-18 \2960 (9/560) 
3連単 12-18-16 \7340 (15/3360) 

アーモンドアイはスタートを決めて好位につけ、メンバー最速の32.9秒で抜け出して4馬身差で圧勝した。勝ちタイムは1分30秒6。トロワゼトワルが逃げて前半3F34.2秒、5F56.7秒。昨年はアエロリットが逃げて前半3F33.7秒、5F56.1秒で勝ちタイムは1分30秒5のレコード。昨年より流れが緩んで前残りになった。前半5F56.7秒は普通ならハイペースだが、同日の1勝クラスの芝1400mが前半5F56.0秒だったように今の東京は極端に時計が速い。アーモンドアイは直線で軽く仕掛けただけで最後は流す余裕があり、ルメール騎手は後ろを振り返っていた。香港遠征取りやめ、有馬記念9着、ドバイ中止と色々あったが、あらためて能力が現役最強レベルということを示した。次走は安田記念または宝塚記念か。安田記念は中2週になるが、これまで間隔を詰めて使ったことがない。社台は使い分けを含め、どう判断するか。

サウンドキアラは大外枠から3番手につけ、メンバー12位の33.8秒で上がって0.7秒差の2着。直線でアーモンドアイが来るのを待って追い出したが、アッという間に突き放された。外枠からトロワゼトワル、コントラチェックが内に切れ込んで前に行ったことで内に馬が殺到して内がごちゃつき、結果的に外枠からスタートした馬が有利になった。メンバー12位の上がりで差されてもおかしくないが、昨年より緩い流れ、内がごちゃついて隊列が縦長になったことがプラスに働いている。馬体が充実しており、走っているときに他馬より大きく見せていた。勝ったアーモンドアイが強過ぎたが、重賞で3連勝してきたことがダテではないことを示した。レースが上手く、今後も牝馬同士なら簡単には崩れそうにない。

ノームコアは出遅れた後に中団に押し上げ、メンバー2位タイの33.2秒で伸びて2着にクビ差の3着。もう少しスムーズなら2着だったかもしれない。前走高松宮記念は15着に惨敗したが、リピーターが強いレースで昨年レコード勝ちした馬が3着を確保。前走は馬体が11キロ増えて太かったが、今回は12キロ絞れてパドックで馬体、気配が良くなっていた。これで東京芝1600mは[2−0−1−0]。今後は休養して昨年と同様に富士Sで復帰することになりそうだ。

ラヴズオンリーユーは中団の内につけ、メンバー9位の33.5秒で上がって1.2秒差の7着。道中内でごちゃつき、直線でもスムーズさを欠き伸び切れなかった。結果的に1枠1番がアダになったが、適性を考えるとマイル戦で1分30秒台の高速決着では厳しかった。

プリモシーンは少し出遅れて中団の後ろからメンバー6位タイの33.4秒で伸びて1.4秒差の8着。昨年は最速の33.0秒で2着に入ったが、今年は伸び切れなかった。レーン騎手はパンパンの馬場を気にしていたとコメント。レーン騎手はG1で出遅れが続いている。

アルーシャは最後方からメンバー2位タイの33.2秒で伸びて1.7秒差の11着。外枠スタートから前半内に入れたことで位置取りが悪くなり、直線でもごちゃついてまともに走れなかった。メンバー2位の上がりを繰り出して能力を少し見せている。

スカーレットカラーは中団から伸び切れず2.2秒差の15着。道中大外を通って頭を上げて掛かって上がって行き、直線で全く伸びなかった。乗り慣れた岩田、太宰騎手以外では[0−0−0−4]。テン乗りの石橋脩騎手で難しい面を見せ、全く走らなかった。



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