NHKマイルC
2020/5/10 東京競馬場 芝1600m

レース展望

過去10年で1番人気は[5−0−0−5]で5連対。最近5年は5、1、17、12、5着。前走桜花賞に出走した牝馬は[1−0−0−2]で1連対のみ。2番人気は[2−3−1−4]で5連対、3番人気は[1−1−1−7]で2連対。6〜9番人気は2連対、10番人気以下は4連対。最近5年の馬連は28倍、9倍、172倍、31倍、172倍。17年は13番人気、昨年は14番人気が2着に来て大波乱になった。

連対馬11頭が前走3着以内。前走4着以下から連対した9頭のうち7頭が2走前に重賞で3着以内を確保していた。前走4着以下に負けた馬は2走前の成績に注目。前走負けたことで人気の盲点になる。ニュージーランドT勝ち馬は[1−0−0−8]、2着馬は[1−1−0−6]、3番人気以内ではそれぞれ[1−0−0−3]、[0−0−0−3]で不振。中山と東京はコース形態が全く違う。人気で不振に終わる馬が多い。

レシステンシアは阪神JFを1分32秒7の2歳&レースレコードで5馬身差で圧勝。前走桜花賞は重馬場で2番手から12位の38.2秒で伸びて0.2秒差の2着。デアリングタクトに差されたが、2歳女王がハイペースで飛ばして地力を見せた。先週土曜の1勝クラスは1分32秒1。高速決着必至か。レシステンシアは初の左回り、直線の長い東京で粘り切れるかどうか。前走重馬場の桜花賞で激走した反動がないことが条件。

タイセイビジョンは[3−2−0−0]で重賞2勝。京王杯SCは中団から最速の33.5秒で差し切り1分20秒8のレコードで優勝。朝日杯FSは後方から3位の35.3秒で上がり0.4秒差の2着。勝ったサリオスは皐月賞で2着に入った。前走アーリントンCは後方2番手から最速の36.2秒で内から差し切り2馬身差で圧勝。近親にアロハドリーム、ユートピアがいる。届く位置で進めて高速決着に対応できるかがカギ。

毎日杯勝ち馬サトノインプレッサ、ニュージーランドT勝ち馬ルフトシュトローム、スプリングS3着馬サクセッション、ファルコンS勝ち馬シャインガーネット、同2着馬ラウダシオン、アーリントンC2着馬ギルデッドミラー、ニュージーランドT3着馬ウイングレイテストなど。サトノインプレッサは新馬(重)、こぶし賞(重)、毎日杯(稍重)を最速上がりで3連勝。矢作厩舎のディープインパクト産駒で母はサプレザ。過去10年のNHKマイルCで武豊騎手は[0−0−0−6]。1分32秒前後の高速決着に対応できるかがカギ。

ルフトシュトロームは中山芝1600mの新馬、1勝クラス、ニュージーランドTを3連勝。前走ニュージーランドTは出遅れて後方から外を回って最速の34.2秒で差し切った。東京芝1600m重賞でキンシャサノキセキ産駒は[0−0−0−7]。初の左回りがどう出るか。鞍上はレーン騎手。ギルデッドミラーは芝1600m[1−2−1−0]で3着以内を確保。前走アーリントンCは中団から3位の36.8秒で伸びて0.3秒差の2着。タイセイビジョンに切れ負けした。過去10年で福永騎手は[0−0−2−7]で3着止まり。


レース回顧

2020年 5月10日(日) 2回東京6日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第25回NHKマイルカップ
3歳・オープン・G1(定量) (牡・牝)(国際)(指定)  芝 1600m   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 6 11  ラウダシオン       牡 3 M.デム  57  1.32.5 34.4  9 494 (栗)斉藤崇史
2 2  3  レシステンシア     牝 3 ルメール  55  1.32.7 34.7  1 476 (栗)松下武士
3 3  6  ギルデッドミラー   牝 3 福永祐一  55  1.32.8 34.2  6 468 (栗)松永幹夫
4 1  2  タイセイビジョン   牡 3 石橋脩    57  1.32.8 34.5  2 468 (栗)西村真幸
5 7 14  ルフトシュトローム 牡 3 レーン    57  1.33.0 34.0  4 482 (美)堀宣行
6 3  5  シャインガーネット 牝 3 田辺裕信  55  1.33.1 34.5  7 464 (美)栗田徹
7 8 18  ウイングレイテスト 牡 3 横山武史  57  1.33.1 33.7  8 486 (美)青木孝文
8 5  9  ラインベック       牡 3 武士沢友  57  1.33.1 34.6 11 468 (栗)友道康夫
9 6 12  ボンオムトゥック   牝 3 田中勝春  55  1.33.4 34.9 12 450 (栗)高橋亮
10 7 15  ソウルトレイン     牡 3 藤井勘一  57  1.33.5 34.5 15 462 (栗)西村真幸
11 4  7  メイショウチタン   牡 3 吉田豊    57  1.33.5 34.7 18 454 (栗)本田優
12 8 16  ストーンリッジ     牡 3 松田大作  57  1.33.5 35.2 13 456 (栗)藤原英昭
13 8 17  サトノインプレッサ 牡 3 武豊      57  1.33.7 34.7  3 482 (栗)矢作芳人
14 4  8  サクセッション     牡 3 横山典弘  57  1.33.8 35.1  5 514 (美)国枝栄
15 2  4  プリンスリターン   牡 3 原田和真  57  1.33.9 35.4 10 450 (栗)加用正
16 1  1  シャチ             牡 3 木幡育也  57  1.34.1 35.2 16 456 (美)小桧山悟
17 5 10  ハーモニーマゼラン 牡 3 大野拓弥  57  1.34.3 35.5 14 510 (美)牧光二
18 7 13  ニシノストーム     牡 3 江田照男  57  1.34.7 35.4 17 486 (美)杉浦宏昭
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LAP :12.3-10.4-11.4-11.9-12.0-11.3-11.2-12.0
通過:34.1-46.0-58.0-69.3  上り:69.8-58.4-46.5-34.5  平均:1F:11.56 / 3F:34.69
単勝   11 \2960 
複勝   11 \810 / 3 \180 / 6 \440 
枠連   2-6 \3020 (14) 
馬連   03-11 \4200 (15) 
ワイド 03-11 \1570 (18)/ 06-11 \6240 (59)/ 03-06 \1230 (11) 
馬単   11-03 \11900 (41) 
3連複 03-06-11 \19620 (69/816) 
3連単 11-03-06 \152750 (460/4896) 

ラウダシオンは2番手につけ、メンバー4位の34.4秒でレシステンシアを交わしてレースを制した。勝ちタイムは1分32秒5。レシステンシアが逃げて前半3F34.1秒、5F58.0秒。5F目に12.0秒に緩んでラスト3Fが11.3−11.2−12.0秒。Mデムーロ騎手とルメール騎手が騎乗した社台の2頭が前残りの展開を作り出し、そのまま粘り込んだ。前走ハイペースになった重賞である程度前につけて2着に入った馬が1〜3着を独占した。ラウダシオンは前走ファルコンSでハイペースで先行してシャインガーネットに差されたが、他馬より重い57キロを背負っていた。今回はシャインガーネットとは3→2キロ差。これまで前半5F57秒台では[0−1−1−1]、58秒以上では[3−0−0−0]。流れが緩むと高速ラップでまとめる持ち味をフルに発揮した。今年初年度のリアルインパクト産駒が初めて重賞を制した。父リアルインパクトはNHKマイルC3着の後に安田記念を制している。今後は休養して秋のマイルCSを目指すことになりそうだ。

レシステンシアは前半3F34.1秒、5F58.0秒で逃げ、メンバー9位タイの34.7秒で上がって0.2秒差の2着。マイペースに持ち込んだが、ラスト1F12.2秒に落ち、ラウダシオンに切れ負けした。もっと飛ばしてスピードの絶対値の高さを生かし切れれば勝てたかもしれないが、ルメール騎手はテン乗りだっただけに無謀なことはせず、崩れない乗り方をしたのだろう。桜花賞は8枠17番だったが、今回は2枠3番で楽にハナを切れたことも良かったのだろう。今後は休養して秋に備える予定。スピードはあるが、決め手がないことがネックになるかもしれない。馬体が成長してマッチョ化するとスプリンターになる可能性がある。今年の牡馬混合3歳マイル重賞は4レース行われたが、シンザン記念は1着サンクテュエール、ニュージーランドTは2着シーズンズギフト、アーリントンCは2着ギルデッドミラー、NHKマイルCは2着レシステンシアが牝馬。朝日杯FSを勝ったサリオス(牡馬)がマイル路線に来なかったことで牡馬のレベルが低いのではないか。

ギルデッドミラーは好位の内からメンバー3位の34.2秒でしぶとく伸びて0.3秒差の3着。レシステンシアの上がりを0.5秒上回ったが、交わすところまでいかなかった。ハイペースでひと脚使えるタイプだけにもっと流れが速くなっていれば勝ち負けできたのではないか。前走アーリントンCは外を回って内を通ったタイセイビジョンに2馬身をつけられたが、今回は2頭とも内を通ってギルデッドミラーがハナ差先着した。まだ完成度は高くなくこれから成長する馬。来年のヴィクトリアマイルに向けて注目していたい。

タイセイビジョンは1枠2番からラチ沿いの3番手につけ、メンバー5位の34.5秒で上がって0.3秒差の4着。前走アーリントンCで2馬身差をつけたギルデッドミラーに先着された。前に行ったぶん伸び切れなかったが、いつものように控えていたら流れを考えると届かなかったのではないか。マイルでも結果を出しているが、ベストは芝1400m以下。今後はひと息入れて立て直す予定。

ルフトシュトロームは出遅れて後方からメンバー2位の34.0秒で追い込んで0.5秒差の5着。前残りの展開で出遅れて位置取りが悪くなり、直線で前が詰まって追えたのはラスト1Fだけ。上がりは勝ち馬を0.4秒、2着馬を0.7秒上回っている。もう少しまともなレースができれば上位争いできたのではないか。まだ能力に馬体が追いついていない。相馬眼的に秋になって馬体がパンとすればG1を狙える馬になる。本格化を楽しみに待ちたい。



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