桜花賞
2020/4/12 阪神競馬場 芝1600m

レース展望

牝馬クラシック第一弾。過去10年で1番人気は[2−2−1−5]で4連対。。前走良馬場で上がり3F1位は[1−1−0−1]だが、2位以下は[0−0−1−4]で不振。2番人気は[4−3−0−3]で7連対、3番人気は[1−2−3−4]で3連対。6〜9番人気が4連対、10番人気以下は[0−0−2−86]で3着止まり。最近5年は78倍、9倍、170倍、4倍、44倍。隔年で人気薄が連対して荒れている。

連対馬17頭が前走3着以内。前走重賞で好走した馬が活躍している。前走4着以下から連対した3頭は前走チューリップ賞で4、7、11着だった。チューリップ賞以外で4着以下に負けた馬は3着以内がない。連対馬19頭が6番より外枠に入っていた。1〜5番枠は[0−1−2−45]で連対は阪神JFとチューリップ賞を連勝した1番人気のラッキーライラックのみ。内枠に入った馬は揉まれて力を出せずに終わる傾向。

レシステンシアは新馬、ファンタジーS、阪神JFを3連勝。阪神JFは前半5F57.5秒のハイペースで飛ばし、メンバー最速の35.2秒で上がって1分32秒7の2歳&レースレコードで5馬身差で圧勝した。前走チューリップ賞は前半5F59.3秒で逃げ、メンバー7位タイの34.2秒で上がって0.2秒差の3着。緩い流れで切れ負けした。今回はハイペースで飛ばして地力勝負か。新馬戦で騎乗した武豊騎手に乗り替わる。

サンクテュエールはアルテミスSを2番手からメンバー2位の33.6秒で伸びてリアアメリアに0.1秒差の2着。休み明けで馬体が12キロ増えていた。前走シンザン記念は内ラチ沿いの3番手からメンバー最速の35.5秒で抜け出して1分35秒9で優勝。藤沢和厩舎のディープインパクト産駒で半兄に米G1を2勝したヨシダがいる。桜花賞で内枠は不振だが、この馬に2枠4番は好枠か。4戦連続でルメール騎手が騎乗する。

エルフィンS勝ち馬デアリングタクト、チューリップ賞勝ち馬マルターズディオサ、同2着馬クラヴァシュドール、アルテミスS勝ち馬リアアメリア、クイーンC勝ち馬ミヤマザクラ、同2着馬マジックキャッスル、新潟2歳S勝ち馬ウーマンズハートなど。デアリングタクトは新馬、エルフィンSを2連勝。エルフィンSは大外からメンバー最速の34.0秒で差し切り4馬身差で圧勝。中間は全て馬なりの調教というのがどう出るか。

マルターズディオサは[3−2−0−0]で連対を確保。阪神JFはレシステンシアに5馬身差の2着に負けたが、前走チューリップ賞では逆に0.2秒差をつけた。レシステンシアが阪神JFと同様に飛ばしたときに真価が問われる。クラヴァシュドールはサウジアラビアRCでサリオスに0.2秒差の2着、阪神JFは0.8秒差の3着、チューリップ賞はハナ差の2着。中内田厩舎のハーツクライ産駒。Mデムーロ騎手が騎乗する。


レース回顧

2020年 4月12日(日) 2回阪神6日  天候: 雨   馬場状態: 重 
11R  第80回桜花賞
3歳・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定)  芝 1600m・外   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 5  9  デアリングタクト   牝 3 松山弘平  55  1.36.1 36.6  2 466 (栗)杉山晴紀
2 8 17  レシステンシア     牝 3 武豊      55  1.36.3 38.2  1 482 (栗)松下武士
3 2  3  スマイルカナ       牝 3 柴田大知  55  1.36.6 38.6  9 416 (美)高橋祥泰
4 6 11  クラヴァシュドール 牝 3 M.デム  55  1.36.8 37.1  6 442 (栗)中内田充
5 7 14  ミヤマザクラ       牝 3 福永祐一  55  1.36.9 37.8  7 470 (栗)藤原英昭
6 2  4  サンクテュエール   牝 3 ルメール  55  1.36.9 38.1  3 456 (美)藤沢和雄
7 5 10  フィオリキアリ     牝 3 藤井勘一  55  1.37.1 37.2 14 434 (栗)清水久詞
8 3  5  マルターズディオサ 牝 3 田辺裕信  55  1.37.2 38.8  5 440 (美)手塚貴久
9 8 18  エーポス           牝 3 岩田康誠  55  1.37.3 38.0 11 458 (栗)北出成人
10 4  8  リアアメリア       牝 3 川田将雅  55  1.37.3 38.0  4 478 (栗)中内田充
11 1  2  チェーンオブラブ   牝 3 石橋脩    55  1.37.5 37.7 16 466 (美)小笠倫弘
12 7 13  マジックキャッスル 牝 3 浜中俊    55  1.37.6 37.8  8 424 (美)国枝栄
13 8 16  ケープコッド       牝 3 岩田望来  55  1.37.7 37.8 18 464 (美)高柳瑞樹
14 6 12  インターミッション 牝 3 石川裕紀  55  1.37.7 38.3 13 406 (美)手塚貴久
15 4  7  ヒルノマリブ       牝 3 北村友一  55  1.37.8 37.6 15 486 (栗)北出成人
16 3  6  ウーマンズハート   牝 3 藤岡康太  55  1.38.2 39.4 10 460 (栗)西浦勝一
17 1  1  ナイントゥファイブ 牝 3 松田大作  55  1.39.7 41.0 17 468 (栗)西園正都
18 7 15  ヤマカツマーメイド 牝 3 池添謙一  55  1.39.9 41.5 12 476 (栗)池添兼雄
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LAP :12.4-11.2-11.3-11.6-11.5-11.7-12.6-13.8
通過:34.9-46.5-58.0-69.7  上り:72.5-61.2-49.6-38.1  平均:1F:12.01 / 3F:36.04
単勝   9 \420 
複勝   9 \190 / 17 \170 / 3 \730 
枠連   5-8 \1040 (2) 
馬連   09-17 \1110 (1) 
ワイド 09-17 \490 (1)/ 03-09 \2880 (31)/ 03-17 \2480 (28) 
馬単   09-17 \1930 (1) 
3連複 03-09-17 \12590 (45/816) 
3連単 09-17-03 \47760 (196/4896) 

デアリングタクトは中団の後ろを進み、直線で外からメンバー最速の36.6秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分36秒1(重)。スマイルカナが逃げて前半3F34.9秒、5F58.0秒でレースの上がりは38.1秒、ラップは11.7−12.6−13.8秒。ハイペースで上がりの掛かる消耗戦になった。デアリングタクトは直線に向いたときに前とかなり差があったが、2着レシステンシアを1.6秒上回る強烈な末脚で差し切った。重馬場、ハイペースの消耗戦でかなり厳しいレースになったが、最速上がりで差し切って能力を証明。クラシックで活躍できるとみて相馬眼ニュースで取り上げた馬がデビューから3連勝で桜花賞を制した。距離をこなすタイプ。オークス、秋華賞も勝って無敗の3冠馬が誕生する可能性がある。オークスは今回重馬場で激走した反動がないことが条件。松山騎手は土日重賞連勝。今年重賞6勝は単独トップとなった。

レシステンシアは2番手からメンバー12位の38.2秒でしぶとく伸びて0.2秒差の2着。重馬場でハイペースで飛ばしてラスト3Fは11.7−12.6−13.9秒と一杯になったが、差してきた馬がデアリングタクトしかいなかった。阪神JFを1分32秒7のレコードで5馬身差で圧勝した馬が底力を見せた。1200m通過は1分9秒7だったが、同日の大阪−ハンブルクC(3勝クラス)は1分9秒9だった。レシステンシアはスピード能力が高く、これから馬体がマッチョ化してくるとスプリンターになるのではないか。次走はルメール騎手でNHKマイルCに向かう予定。16年にメジャーエンブレム(ルメール騎手)が逃げ切った(前半5F57.7秒、勝ちタイム1分32秒8)ときのようなレースになりそうだ。

スマイルカナはハナを切ってハイペースで飛ばし、直線でレシステンシに交わされてからもしぶとく粘って0.5秒差の3着。上がりはメンバー14位の38.6秒。この上がりなら差し馬が突っ込んでもおかしくないが、重馬場で消耗戦になり過ぎたこともあるのだろう。母は地力系のダート馬エイシンクールディ。416キロの小柄な牝馬がハイペースで飛ばしてここまで粘ったのだから大したもの。ビッグレッドファームで相当に鍛えられたのだろう。次走はオークスに向かう予定。大逃げがあるかもしれない。

クラヴァシュドールは7番手につけたが、勝負どころで外から来られて13番手に下がり、直線で内からメンバー2位の37.1秒で伸びて0.7秒差の4着。3着スマイルカナの上がりを1.5秒上回ったが、それでも交わせなかった。もう少しスムーズなら3着に来れたのではないか。次走はオークス。ハーツクライ産駒で距離はこなすか。軽い馬場で速い上がりのレースになるようなら注意したい。

ミヤマザクラは好位につけたが、勝負どころで外から来られて位置取りが悪くなり、メンバー6位タイの37.8秒で上がって0.8秒差の5着。福永騎手は3コーナー過ぎからノメりっぱなしだったとコメント。タフな馬場をこなすタイプだが、ここまで悪化すると厳しかったか。次走は武豊騎手でオークスに向かう予定。

フィオリキアリは後方3番手からメンバー3位の37.2秒で馬群を捌きながら追い込んで1.0秒の7着。直線で捌きながら伸びてトップギアに入らなかった。位置取りが後ろ過ぎたが、小柄な牝馬がタフな馬場をこなして能力を示した。キズナ産駒は他馬が苦しくなったところでひと伸びする。賞金的にオークスに出走できるかは微妙だが、出走したら注意したい。



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