大阪杯
2020/4/5 阪神競馬場 芝2000m

レース展望

17年にG1に昇格した。過去10年で1番人気は[4−2−2−2]で6連対。単勝1倍台は単勝1倍台は[1−1−2−0]、2倍台は[1−1−0−0]、3倍以上[2−0−0−2]。単勝1倍台は取りこぼしが多い。2番人気は[2−2−2−4]で4連対、3番人気は[0−0−1−9]で連対なし。6〜9番人気が8連対、10番人気以下は[0−0−0−41]。G1昇格後は1−7番人気、1−6番人気、9−2番人気で決着し、馬連は23倍、29倍、36倍。人気馬に人気薄を絡めて中穴を狙うのが妙味。

連対馬18頭が前走5着以内、残る2頭は前走有馬記念6着、金鯱賞6着だった。前走G1、G2で善戦した馬が活躍している。前走8着以下は[0−0−0−33]で3着以内がない。前走重賞以外は連対が条件。4歳[5−3−4−23]、5歳[4−4−2−25]、6歳[1−2−4−26]、7歳以上[0−1−0−26]。4歳馬は1、2番人気なら[4−0−2−2]で堅実。6歳馬は6、7、9番人気が連対。穴で6歳馬に注意。7歳以上の高齢馬はG2時代にトウカイパラダイスの2着があるのみ。

ダノンキングリーは[5−1−1−1]でマイルCS5着を除き3着以内を確保。芝1800mは[3−0−0−0]で重賞3勝。共同通信杯でアドマイヤマーズに勝ち、皐月賞でサートゥルナーリアと同タイムの3着、毎日王冠でアエロリット、インディチャンプに勝ち、中山記念でラッキーライラック、インディチャンプに勝っている。戦ってきた相手関係からG1を勝てる力はあるか。芝2000mは皐月賞で1分58秒1で走って頭+ハナ差の3着がある。長距離輸送、距離2000m、57キロがカギ。横山典騎手がどう乗るか。

クロノジェネシスはG1[1−1−2−1]で阪神JF2着、桜花賞3着、オークス3着、秋華賞1着、エリザベス女王杯5着。秋華賞は6番手から2位タイの36.1秒で抜け出して1分59秒9(稍重)で2馬身差で圧勝。2着カレンブーケドールはジャパンCで2着に入った。前走京都記念は3番手から最速の35.8秒で抜け出し2馬身半差で圧勝。正攻法のレースで重馬場、距離2200mを克服した。馬体が充実し、リスグラシューのように牡馬の一線級を相手に通用する可能性が出てきた。北村友騎手は昨年アルアインで制している。

中山記念2着馬ラッキーライラック、AJC杯勝ち馬ブラストワンピース、昨年の大阪杯3着馬ワグネリアン、同4着馬マカヒキ、5連勝でチャレンジCを制したロードマイウェイ、前走京都記念3着のステイフーリッシュ、前走小倉大賞典を勝ったカデナなど。ラッキーライラックはエリザベス女王杯を勝ち、香港ヴァーズで2着に入り距離を克服。立ち回りが上手く、内回りコースをこなすタイプ。叩き2戦目は[2−1−0−1]。芝2000mの秋華賞は9着だったが、長期休み明けだった。Mデムーロ騎手が2戦連続で騎乗する。

ブラストワンピースは有馬記念1着(稍重)、大阪杯8着、目黒記念8着、札幌記念1着、凱旋門賞11着(重)、AJC杯1着(稍重)。パワータイプで適度に重い馬場になると地力を発揮するタイプ。札幌記念で内から捌いて勝ったように大型馬でも器用さがある。昨年の大阪杯は外を回って6着。枠順と立ち回り次第か。鞍上は川田騎手。ワグネリアンは昨年大阪杯3着、札幌記念4着、天皇賞(秋)5着、ジャパンC5着。阪神芝は[2−0−1−0]。善戦止まりから抜け出せるか。今年の重賞で福永騎手は[1−0−1−12]。


レース回顧

2020年 4月 5日(日) 2回阪神4日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第64回大阪杯
4歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定)  芝 2000m・内   12頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 5  5  ラッキーライラック 牝 5 M.デム  55  1.58.4 33.9  2 520 (栗)松永幹夫
2 8 12  クロノジェネシス   牝 4 北村友一  55  1.58.4 34.0  4 454 (栗)斉藤崇史
3 6  8  ダノンキングリー   牡 4 横山典弘  57  1.58.5 34.3  1 456 (美)萩原清
4 8 11  カデナ             牡 6 鮫島克駿  57  1.58.6 33.5 11 486 (栗)中竹和也
5 4  4  ワグネリアン       牡 5 福永祐一  57  1.58.8 34.0  5 466 (栗)友道康夫
6 7 10  ジナンボー         牡 5 藤岡佑介  57  1.58.9 34.7  9 484 (美)堀宣行
7 3  3  ブラストワンピース 牡 5 川田将雅  57  1.59.0 34.4  3 542 (美)大竹正博
8 5  6  レッドジェニアル   牡 4 酒井学    57  1.59.1 34.5 12 486 (栗)高橋義忠
9 6  7  ステイフーリッシュ 牡 5 岩田康誠  57  1.59.4 34.9  8 464 (栗)矢作芳人
10 2  2  サトノソルタス     牡 5 藤岡康太  57  1.59.4 34.6 10 490 (美)堀宣行
11 7  9  マカヒキ           牡 7 ヒューイ  57  1.59.5 34.7  7 494 (栗)友道康夫
12 1  1  ロードマイウェイ   牡 4 武豊      57  2.00.3 35.5  6 474 (栗)杉山晴紀
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LAP :12.9-11.7-12.3-11.9-11.6-12.1-11.7-11.3-11.2-11.7
通過:36.9-48.8-60.4-72.5  上り:69.6-58.0-45.9-34.2  平均:1F:11.84 / 3F:35.52
単勝   5 \410 
複勝   5 \140 / 12 \160 / 8 \140 
枠連   5-8 \1130 (6) 
馬連   05-12 \1110 (6) 
ワイド 05-12 \370 (3)/ 05-08 \340 (2)/ 08-12 \390 (4) 
馬単   05-12 \1970 (7) 
3連複 05-08-12 \1350 (3/220) 
3連単 05-12-08 \7810 (23/1320) 

ラッキーライラックは内ラチ沿いの3番手からメンバー2位の33.9秒で馬群を割って抜け出しレースを制した。勝ちタイムは1分58秒4。ダノンキングリーが逃げて前半3F36.9秒、5F60.4秒、後半5Fは58.0秒でラップは12.1−11.7−11.3−11.2−11.7秒。スローペースで前残りになった。ラッキーライラックはスタートを決めて内ラチ沿いの絶好につけ、Mデムーロ騎手が直線で馬群を捌いて抜け出し優勝。スローの上がり勝負になった昨年のエリザベス女王杯で内から差し切った馬が同じように内から切れる脚を使って差し切った。昨年の府中牝馬Sまでは石橋脩騎手が騎乗して詰めの甘いレースが続いていたが、昨年エリザベス女王杯で外国人騎手が騎乗してからエリザベス女王杯1着、香港ヴァーズ2着、中山記念2着、大阪杯1着で切れ不足を払拭している。リスグラシューは外国人騎手が騎乗してから[4−3−1−0]で完全本格化しG1を4勝した。ラッキーライラックは馬体が成長して全体的にしっかりして牡馬に劣らないレベルに到達している。今後はひと息入れて今後は牡馬一線級を相手に戦っていくことになりそうだ。アーモンドアイとの再対決が楽しみだ。

クロノジェネシスは大外12番枠から3番手につけ、メンバー3位タイの34.0秒で上がってクビ差の2着。直線で外からダノンキングリーを力で捻じ伏せたが、内ラチ沿いで脚をタメたラッキーライラックに切れ負けした。ラッキーライラックとは上がりは0.1秒差。ラッキーライラックは5枠5番で内ラチ沿いをロスなく回り、クロノジェネシスは8枠12番から外を回った。それを考えるとクロノジェネシスは強いレースをしている。レースを使いながら着実にパフォーマンスを引き上げ、距離、道悪もこなせるようになり本格化してきた。デビューから全て北村友騎手が騎乗している。外国人騎手が騎乗するとさらにパフォーマンスを引き上げる可能性があることを付け加えておく。今後はひと息入れて宝塚記念を目指すことになりそうだ。

ダノンキングリーはハナを切って前半5F60.4秒のスローに落とし、メンバー5位の34.3秒で上がって0.1秒差の3着。スタートが良過ぎて初めて逃げるレースになったこと、道中ずっとジナンボー(藤岡佑騎手)にマークされたことが堪えた。これで芝2000以上は[0−2−1−0]。やはり[3−0−0−0]の芝1800mがベストなのだろう。昨年の宝塚記念はリスグラシューが1着、天皇賞(秋)はアーモンドアイが1着、ジャパンCはカレンブーケドールが2着、有馬記念はリスグラシューが1着、大阪杯はラッキーライラックが1着。牝馬が混合G1で活躍している点に注意したい。次走は安田記念に向かうことになりそうだ。

カデナは最後方から内を突いてメンバー最速の33.5秒で追い込んで0.2秒差の4着。最後に前が詰まっていなければ3着と際どかったかもしれない。小倉記念でメールドグラースと接戦したのはダテではない。鮫島騎手は小倉大賞典といい、考えられた騎乗をしている。カデナは6歳馬だが、着実に地力強化されている。

ワグネリアンは中団からメンバー3位の34.0秒で伸びえ0.4秒差の5着。勝負どころで反応が悪く、前と離されたことが堪えた。これで直線が短い内回りコースでは[0−1−1−2]で2着止まり。エンジンの掛かりが遅いため、直線の長いコースで少し緩い馬場がベストなのではないか。



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