AJC杯
2020/1/26 中山競馬場 芝2200m

レース展望

過去10年で1番人気は[2−3−0−5]で5連対。単勝1倍台は[2−1−0−1]、2倍台は[0−2−0−1]、3倍以上は[0−0−0−3]で信頼度はオッズに比例する。2番人気は[3−1−2−4]で4連対、3番人気は[1−1−3−5]で2連対。6〜9番人気が5連対、10番人気が1連対。最近5年の馬連は119倍、18倍、19倍、4倍、28倍。人気馬に人気薄を絡めて中穴以上を狙うのが妙味。

年齢別では、4歳[1−4−2−12]、5歳[4−0−3−17]、6歳[3−1−2−27]、7歳[2−2−1−22]、8歳以上[0−3−2−27]で高齢馬が活躍している。連対馬20頭のうち11頭が6歳以上の高齢馬。中山芝重賞で実績のある高齢馬に注意。6番人気以下で連対した6頭は5、6、6、7、8、8歳馬で4頭にG2以上で連対があった。穴で前走惨敗したG2以上で実績のある高齢馬に注意。

ミッキースワローは2走前のオールカマーで後方2番手からメンバー最速の33.4秒で追い込んで0.3秒差の2着。前走福島記念はトップハンデ58.5キロを背負い、メンバー2位の35.4秒で追い込んで0.2秒差の3着。中山芝2200m[2−2−0−0]でセントライト記念を勝ち、AJC杯とオールカマーで2着がある。別定G2で昨年のオールカマーと同じ56キロで出走できる。完全前残りの展開にならなければ大崩れはないか。前3走騎乗した菊沢騎手から横山典騎手に乗り替わる。

ブラストワンピースは18年の有馬記念勝ち馬。昨年は大阪杯6着、目黒記念8着に終わったが、札幌記念を中団後ろからメンバー最速タイの34.9秒で差し切って復活V。前走凱旋門賞は見せ場なくブービーの11着に終わった。稍重で2戦2勝。ハービンジャー産駒で少し時計の掛かる馬場が合うタイプ。今の中山の馬場が合う可能性がある。休み明けは[3−0−0−1]。530キロの大型馬でも久々は苦にしない。斤量は他馬より1キロ重いが57キロなら問題ないか。引き続き川田騎手が騎乗する。

昨年のオールカマー勝ち馬スティッフェリオ、昨年の京都記念2着馬ステイフーリッシュ、前走中日新聞杯2着のラストドラフト、昨年のダービー5着馬ニシノデイジー、昨年の中山牝馬S2着馬ウラヌスチャーム、18年の小倉記念2着以来となるサトノクロニクルなど。スティッフェリオは昨年11月以降、G1[0−0−0−4]、G2、G3[3−0−0−0]。昨年のオールカマーはスローペースで逃げて2分12秒0で優勝。他馬より重い57キロを背負うが、単騎逃げ&マイペースで粘り込むか。

ステイフーリッシュは芝2000〜2200mのG2[1−1−0−1]、G3[0−2−3−1]。昨年の函館記念3着、福島記念2着では57.5キロを背負ったが、今回は56キロで出走できる。中谷騎手からルメール騎手に乗り替わる。ラストドラフトは前走中日新聞杯で6番手からメンバー4位タイの33.8秒で伸びてハナ差の2着。昨年の京成杯勝ち馬が復活した。好位からひと脚使えるタイプ。2戦連続でマーフィー騎手が騎乗する。ニシノデイジーは前走菊花賞9着。距離短縮、55キロでどこまで変わるか。


レース回顧

2020年 1月26日(日) 1回中山9日  天候: 曇   馬場状態:稍重
11R  第61回アメリカジョッキーCC
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(特指)  芝 2200m   12頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8 11  ブラストワンピース 牡 5 川田将雅  57  2.15.0 36.1  1 546 (美)大竹正博
2 7 10  ステイフーリッシュ 牡 5 ルメール  56  2.15.2 36.5  5 458 (栗)矢作芳人
3 2  2  ラストドラフト     牡 4 マーフィ  55  2.15.5 36.3  4 464 (美)戸田博文
4 3  3  ミッキースワロー   牡 6 横山典弘  56  2.15.6 36.5  2 482 (美)菊沢隆徳
5 8 12  サトノクロニクル   牡 6 大野拓弥  56  2.16.0 36.7  8 464 (栗)池江泰寿
6 7  9  ニシノデイジー     牡 4 田辺裕信  55  2.16.1 37.2  6 494 (美)高木登
7 1  1  ウラヌスチャーム   牝 5 ミナリク  54  2.16.4 36.7  7 514 (美)斎藤誠
8 5  5  スティッフェリオ   牡 6 丸山元気  57  2.16.4 38.1  3 454 (栗)音無秀孝
9 6  7  ルミナスウォリアー 牡 9 柴山雄一  56  2.16.7 37.1 11 482 (美)和田正一
10 5  6  クロスケ           牡 5 北村宏司  56  2.16.7 36.9 10 460 (美)水野貴広
11 6  8  グローブシアター   牡 6 石橋脩    56  2.18.6 39.8  9 458 (栗)角居勝彦
止 4  4  マイネルフロスト   牡 9 松岡正海  56  ------ ---- 12 496 (美)高木登
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LAP :12.8-12.0-12.9-12.3-12.4-12.0-12.0-11.9-12.1-12.1-12.5
通過:37.7-50.0-62.4-74.4  上り:72.6-60.6-48.6-36.7  平均:1F:12.27 / 3F:36.82
単勝   11 \300 
複勝   11 \150 / 10 \220 / 2 \210 
枠連   7-8 \650 (2) 
馬連   10-11 \1200 (5) 
ワイド 10-11 \520 (6)/ 02-11 \580 (8)/ 02-10 \810 (12) 
馬単   11-10 \1980 (4) 
3連複 02-10-11 \2540 (8/220) 
3連単 11-10-02 \10540 (22/1320) 

ブラストワンピースは4番手につけ、直線で内を突いてメンバー最速の36.1秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分15秒0(稍重)。スティッフェリオが逃げて前半5F62.4秒のスローペース。マイネルフロストが3、4コーナー中間でマイネルフロストが故障した煽りを受けた馬が多かった。ブラストワンピースもマイネルフロストが故障した煽りを受けたが不利は小さく、そこで内に進路を通ったことでロスを少なくすることができた。レースのラスト3Fは12.1−12.1−12.5秒。3着ラストドラフト、4着ミッキースワローはかなり大きい不利を受けており、この2頭がスムーズなら際どいレースになったのではないか。先に抜け出したステイフーリッシュを交わして地力を示したが、勝ちタイム、上がりは遅くレースレベルは高くない。これで稍重では3戦3勝。少し渋った上がりが掛かるレースで注意したい。これまで[7−0−0−5]で2、3着がないタイプ。今後は時計の掛かる馬場を選んで大阪杯から宝塚記念に向かうことになりそうだ。

ステイフーリッシュは2番手からメンバー3位タイの36.5秒で内から抜け出したが、最後にブラストワンピースに交わされて0.2秒差の2着。内ラチ沿いをロスなく回り、3、4コーナーで各馬が馬場のいい外を回る中、内をロスなく回って先頭に立って粘り込んだ。ルメール騎手が外枠スタートから内に入れてかなり上手く乗っている。マイネルフロストが故障した煽りを受けた馬が多かったこともプラスに働いている。これで芝2200m重賞では[1−2−0−0]。時々惨敗するが、惨敗した後はきっちりリカバリーするタイプ。次走は昨年2着の京都記念に向かうことになりそうだ。

ラストドラフトは中団の後ろからメンバー2位の36.3秒で大外から伸びて0.5秒差の3着。マイネルフロストが故障した煽りを受け、外に振られて追い出しが遅れるロスがあった。最後は外から鋭く伸びてきたが、さすがにロスが大き過ぎた。渋った馬場、距離2200mをこなしたことは今後に繋がる。小柄な馬で切れ味タイプに映るが、実は地力タイプなのではないか。タフな馬場で注意したい。

ミッキースワローは中団の外からメンバー3位タイの36.5秒で伸びて0.6秒差の4着。マイネルフロストが故障した煽りを受けて外に振られて減速し、そこから追うも伸び切れなかった。いい脚を長く使えるタイプだが、勝負どころで減速したことがかなり堪えている。横山典騎手は最終Rのウィナーポイントで大外一気を決めて憂さを晴らしていた。ミッキースワローは稍重でも走れるが、もっと軽い馬場の方が合っている。

サトノクロニクルは中団から馬群を割ってメンバー5位タイの36.7秒で伸びて5着。勝負どころでマイネルフロストが故障して下がってきた煽りをモロに受ける不利があった。他馬も不利を受けているが、サトノクロニクルが受けた不利が最も大きかった。長期休み明けだったが、不利がありながら最後までしっかり伸びたようにまだ衰えはない。成長力あるハーツクライ産駒。人気にならないうちに狙っていきたい。



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